はじめに
このサイトでは元国税調査官・税理士が中小規模の同族会社を対象に自力で決算を組み、法人税の確定申告書を自分で作成するために必要な情報を惜しみなく提供します。
法人税のことを知らなくても確定申告ができるでしょうか?
中小の同族会社であればそれは十分可能です。
今の時代は決算一巡の知識がなくても会計ソフトが決算書を作ってくれます。そして法人税・地方税の申告書なら知識がなくても弊社が提供するクラウド税務ソフト「全力法人税」が作成します。
しかしながら、いくら会計ソフトが決算書を作ると言っても最低限知っておくべき会計の知識やミスをしたときに税額への影響の大きい税務についてまったく知らないというのはやはり危険が伴います。
そこで決算・法人税等の確定申告を自分で行おうという方に求められるのは、実務に直結し、その中でも最も大切なところを重点的に学ぶということです。
私は税務署に12年間勤め、そのうち7年間を法人税等の調査に費やしました。その間何百社という会社の調査を経験してきました。その経験から決算を組むにあたって最低限知っておくべきポイントや法人税の税額に影響の大きいポイント、わかりにくいポイントを厳選してピックアップし、項目ごとに記事にしています。
本サイトはそれを体系的にまとめ、順を追って読んでいただければ決算・申告をする上で必要な知識を習得できるようになっています。
本業が忙しく、経理に多くの時間を割けないと思います。このサイトをご活用いただき、少ない時間で効果的に決算・申告を攻略していただければと思います。
自力で法人決算申告マニュアル
自分で決算・申告をすべき理由(マインドセット編)
まず最初に自分で決算・申告する方が持っておくべきマインドセットの話から始めたいと思います。
自分で決算・申告をする上で重要な姿勢はずばり、完璧を求めないということです。
完璧でないといけない→だから税理士に依頼する
と考えるのはあまりにも乱暴な考え方です。
次の記事を読んで税理士に依頼しようという方は、自分で決算・申告をするということからここで離脱しましょう。
次の記事を読んで納得された方は、いかにリスクがなく決算・申告を自分で進められるかを理解できます。
会計ソフトを扱える人が会社にいて、次の条件のいずれか2つに該当する場合はよほど金銭的に余裕がない限り自分で決算・申告をやらない理由がありません。
- 売上が3,000万円未満
- 基本的に赤字
- 設立3年以内
なぜ法人の決算・申告を自分でできるかを完全に理解してから進んでください。それにより不安なく決算・申告へ臨むことができます。
そういう意味でここからスタートです。
最初に紹介した記事で最善の申告書を作成することが最も重要であり、結果的に間違っていたとしてもリスクはほとんどないというお話をしていますが、それを補完する意味でもう一つ記事を紹介します。
税務調査では調査で判明した誤りすべてに対して修正申告が求められるわけではありません。
このことを知っているといたずらに不安にかられる材料をさらに減らすことができますので、読み物としてここで一読しておきましょう。
青色申告の承認申請をする
法人を設立して真っ先にすることの一つが青色申告の承認申請を税務署に対して行うことです。
青色申告になっておくだけでできる節税策がいくつかあり、それは適用できる場合は必ず適用する必要があります。
法人の青色申告について、そのメリットや要件など知っておくべき事柄すべてを初心者向けに解説しています。
最低限知っておくべき法人税の知識
法人税の申告をする上で避けて通れない法人税特有の用語があります。
それが損金算入と損金不算入です。
この用語を知らないと税金の大小に直接影響する法人税の規定を理解できませんので、知っていれば払わずに済んだ税金を多額に納付しなければならなくなる危険性すらあります。
今後もこの用語を知っていることが前提の記事を多数紹介しますので、ここで必ずおさえる必要があります。
売上
売上をどのタイミングで計上するのかというのは、とても重要なポイントです。
本来当期の売上として計上すべきものを来期に計上していた場合、税額計算が違ってきます。売上の計上時期が誤っていた場合納付すべき税額が変わってくるのです。
売上の計上時期については、税務調査でも必ず確認されるところです。
自社の売上をどのタイミングであげるべきかを次の記事で吟味し、そして一度決めた基準は毎期継続して適用するということがとても重要です。
次は、決算の時に売上周辺で必要になることがまとめられています。
当期の収入になる金額を拾い、売掛金の内訳書を作成します。