
「法人税の確定申告書は専門家でなくては作ることができないので自分で申告するなんて考えないで、税理士にお願いしましょう。」という話を聞いたことがありませんか?
確かに法人税の申告書の別表2を見てみると、小難しい用語が書いてあり、何を用意して、どこに何を書くのか難しく感じてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな方には朗報です!実は別表2は初心者でもポイントと数個のパターンさえ、押さえてしまえば、ほとんどの会社の別表2を簡単に記載することができるのです。
この記事を見れば、正直、誰でも別表2を作成できるようになっていますので、ぜひ、当記事を参考にしていただき、自分の会社の申告をご自身で作成してみてください。
なお、お急ぎの場合や、とにかく正しい別表2が完成すればよい、というような別表2の書き方を知らずとも最速で別表2を完成させたいという方は、無料の税務ソフトを使って最速に別表2を完成させる方法を第3章で紹介していますので、そちらに飛んでもらえればと思います。
別表2は、同族会社かどうかを判定するための別表です。
別表2の書き方の前に、そもそも同族会社とは何か、同族会社になった場合の影響や、別表2を使えば同族会社の判定ができますが、その判定の仕方を知りたいというような同族会社の制度について詳しくまずは知りたいという方は、次の記事で詳しく解説しています。
1 別表2(同族会社等の判定に関する明細書)の書き方
1-1 別表2の作成に必要な書類
別表2を作成するために、必要な書類は、
「株式会社」や「有限会社」など株主がいる場合…「株主名簿」
「合同会社」や「合資会社」など株式がいない持株会社の場合…「社員名簿」
を用意していただく必要があります。
1-2 株主のグループ化と順位付け
1-2-1 株主のグループ化
別表2を作成する上で、最初にやらなくてはいけないことは、「株主名簿(社員名簿」を基に、すべての株主をグループ化します。
グループ化というのは、大まかに言うと、ある株主と親族であるような、ある株主と関係の深い株主は1つの株主グループとして考えるというイメージです。
それでは、例を見ながら株主のグループ化の手順を詳しく解説していきます。
「株式会社清州興産」という会社を例に株主のグループ化を実際に順を追ってやっていきたいと思います。
株式会社清州興産の株主を整理したものが次の表です。
STEP1まず、株式数の一番多い株主を選択します。
株式会社清州興産の株主の中で、株式数の一番多い「織田信雄」を最初に選択します。
STEP2
「織田信雄」と次の5つの条件うち、いずれかに該当する株主を探します。
- 株主等の親族(配偶者、六親等以内の血族、三親等以内の姻族)
- 株主等と事実上の婚姻関係にある者
- 株主等の使用人
- 株主等から経済的援助を受けて生計を維持しているもの
- 株主等、株主等と特殊関係のある個人及び法人で他の会社の発行済株式又は出資の50%超を所有している場合のその他の会社。
「織田孝子」は、「織田信雄」の妻なので、上記「⒈株主等の親族」に該当します。
したがって「織田孝子」は、織田信雄グループ(以下「織田グループ」と言います。)に分類します。
「織田法幸」は、「織田信雄」の長男なので、上記「⒈株主等の親族」に該当します。
したがって「織田法幸」も、織田グループに分類します。
織田信雄と関係のある者はもういませんので、織田グループは3人ということになります。
STEP3
続いて、まだ株主のグループに分類されていない株主の中で株式数の一番多い株主を選択します。
株式会社清州興産のグループに分類されていない株主の中で株式数が一番大きい「羽柴秀一」を選択します。
STEP4
「羽柴秀一」と前述の5つの条件のうち、いずれかに該当する株主を探します。
「羽柴長次郎 」は、「羽柴秀一」の弟なので、上記「⒈株主等の親族」に該当します。
したがって「羽柴長次郎 」を羽柴秀一グループ(以下「羽柴グループ」と言います。)に分類します。
他に羽柴秀一と関係のある者はいませんので、羽柴グループは2名ということになります。
STEP5
続いて、これまでのSTEP同様、まだ株主のグループに分類されていない株主の中で株式数の一番多い株主である「柴田権司」を選択します。
STEP6
「柴田権司」と前述の5つの条件のうち、いずれかに該当する株主を探します。
該当者がいないため、柴田権司グループ(以下「柴田グループ)と言います。)は、「柴田権司」のみとなります。
STEP7
「池田勝也」と前述の5つの条件のうち、いずれかに該当する株主を探します。
該当者がいないため、池田勝也グループは、「池田勝也」のみとなります。
以上で、株主のグループ化が完了しました。
グループ化された株主を整理すると次のとおりとなります。
株主の整理表
1-2-2 株主グループの順位付け
次に行うのは、株主グループの持株数を合計して、多い順に株主グループの順位付けを行う必要があります。
なお、株主グループの順位付けを行うのは、持株数が上位第3位までです。
先程、作成した株式会社清州興産のグループ化した株主の整理表から、「織田グループ」の構成員は妻である織田孝子と長男である織田法幸となり、株主の整理表に記載のあるとおり「織田グループ」の持株数は全部で40株ということになります。
同様に他の株主グループの持株数を整理し、株主グループの持株数の順位付けを行った場合以下の通りになります。
グループ分け結果
| グループ順位 | グループ名 | 株式数 |
| 第一位グループ | 羽柴グループ | 45株 |
| 第二位グループ | 織田グループ | 40株 |
| 第三位グループ | 柴田グループ | 5株 |
1-3 別表2に記入する
前章で、作成した株式会社清州興産の株主等の整理表を使って、別表2に書いていきます。
別表2の実物を見ながら、解説を行っていきたいと思います。
別表2の書式の構成は、以下の4つに分かれています。
- A枠:「判定基準となる株主等の株式数等の明細」
- B枠:「同族会社の判定」
- C枠:「特定同族会社の判定」
- AからC枠での判定結果を記載する判定結果欄
まずは、A枠である「判定基準となる株主等の株式数等の明細」で同族関係者のグループ分けと持株割合の整理を行います。
B枠で同族会社の判定を行います。
C枠で特定同族会社の判定を行います。
最後に判定結果欄に記載する、という流れになります。
1-3-1 A枠「判定基準となる株主等の株式数等の明細」の記入
1-3-1-1 記載の手順
以下の手順で区分した株主の同族関係者のグループを基に、「判定基準となる株主等の株式数等の明細」を書いてきます。
STEP1
1行目に第一位グループである「羽柴グループ」のなかで、最も株式数等の多い株主である「羽柴秀一」の住所、氏名を記載し、「判定基準となる株主等との続柄」に「本人」と記入します。
STEP2
2行目に「羽柴グループ」の2番手の株主である「羽柴長次郎」の住所、氏名を記載し、「判定基準となる株主等との続柄」に羽柴秀一からみた続柄「弟」と記入します。
STEP3
「順位」列の1行目と2行目には、「株式数等」欄に第一位グループを表す「1」を記入します。
STEP4
3行目に第二位グループである「織田グループ」のなかで、最も株式数等の多い株主である「織田信雄」の住所、氏名を記載し、「判定基準となる株主等との続柄」に「本人」と記入します。
STEP5
4行目に「織田グループ」の株主の中で持株数が第二位である「織田孝子」の住所、氏名を記載し、「判定基準となる株主等との続柄」に「織田信雄」からみた続柄「妻」と記入します。
同じく5行目に「織田法幸」の住所、氏名を記載し、「判定基準となる株主等との続柄」に「長男」と記入します。
STEP6
「順位」列、3行目〜5行目の「株式数等」欄に第二位グループを表す「2」を記入します。
STEP7
6行目に第三位グループである「柴田グループ」の構成員は「柴田権司」だけであるため、「柴田権司」の住所、氏名を記載し、「判定基準となる株主等との続柄」に「本人」と記入します。
STEP8
「順位」列、6行目の「株式数等」欄に第三位グループを表す「3」を記入します。
STEP9
株主グループの持株数の上位第三位までの記載が終わっため、d枠???(株式数又は出資の金額等)の「その他の株主等」列の21欄「株式数又は出資の金額」に各株主の持株数を記入します。
1-3-1-2 記載における注意点
1-3-1-2-1 注意1 「被支配会社でない法人株主等」欄
「株式数又は出資の金額等」の列には「被支配会社でない法人株主等」と記載されている列と「その他の株主」と記載されている列があります。
「被支配会社でない法人株主等」というのは、1株主グループに持株等を50%超支配されていない法人の株主のことを言います。このため、多くの中小企業は、「その他の株主等」欄に記載することになるかと思います。
1-3-1-2-2 注意2 「議決権の数」欄
持株数と議決権の数は原則一致します。両者が一致している場合は、「議決権の株(20と22)」欄は記載不要です。
詳しくは国税庁提供の「令和3年版 法人税申告書・地方法人税申告書の記載の手引の 別表二 同族会社等の判定に関する明細書」の「議決権の数20」 及び「議決権の数22」の記載要領部分を参照。
行使不可能議決権があるなど種類株式を発行している等の会社の場合は両者が一致しません。その場合は、議決権の数で同族会社の判定基準となることがありますので、「議決権の株(20と22)」欄にその株主が持っている議決権の数を記載します。
持株数では、同族会社に該当しなくても、議決権での判定では違う結果が出る可能性がありますので、注意が必要です。
今回の例では株式数と議決権数が一致しているため「議決権の数」には記載をしていません。
これでA枠は完成です。続いてB枠について解説していきます。
1-3-2 B枠「同族会社の判定」の記入
1-3-2-1 記載の手順
以下の手順でB枠「同族会社等の判定に関する明細書」部分の記載を行います。
株主の整理表(再掲)
STEP1
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