別表16(7)とは?国税OBが0から書き方まで記載例を使って解説

初めての法人税の確定申告を自分でやってみようと思い、税務署から郵送されてきた申告書類を確認してみた。
申告書類を一枚一枚確認していき別表16(7)(少額減価償却資産の取得価格の損金算入の特例に関する明細書)を手にする。

悩む会社員 新米一人社長

少額減価償却資産の取得価格の損金算入の特例に関する明細書?
なんか、難しそうな書類が出てきたな、、、
面倒そうだし、まぁ、自分の会社に関係ないでしょ!

ちょっと、待ってください!
別表16(7)は、設立したての会社や売上規模がそこまで大きくない会社は絶対に無視してはいけない書類です。

なぜなら、この書類を申告書に添付して、申告するだけで、節税効果や事務負担を軽くできる可能性があるからです!

このように、別表16(7)を今まで見たことがない方でも、別表16(7)とはどのような書類で、どのように書くものかをわかりやすく解説します。
始めに言いますが、別表16(7)申告書の中でもっとも簡単な書類の一つです。

弁護士 元国税調査官

この記事の特徴

中小企業向けに初めて法人税の申告書を作成する初心者の方でも、申告書類の書き方がわかるように解説します。

減価償却費について、大企業も含めて解説すると大変な分量を説明することになりますが、中小企業に絞ることで知らなければならない事項が激減します。
中小企業にとっては、別表16(7)は最も簡単に作成できる書類の一つで、誰でも簡単に作成できるので安心してください。
数多くの税務調査を国税調査官として行ってきた経験を持つ私が、重要ポイントは押さえながらメリハリをつけてわかりやすく解説します。

繰り返しますが、この記事は中小規模の会社の法人税の申告を自力で行う方向けの記事です。

※この記事で中小企業者という場合は、資本金(出資金)1億円以下の普通法人(資本金または出資金の額が5億円以上の法人等の100%子法人を除く)を指します。
ただし、資本金又は出資金の額が1億円以下の法人等であっても、次の法人はこの特例の適用を受けることができません。

  1. 大規模法人(資本金又は出資金の額が1億円超の法人等)から2分の1以上の出資を受ける法人
  2. 2以上の大規模法人から3分の2以上の出資を受ける法人
  3. 常時使用する従業員の数が500人を超える法人※
  4. 税制の適用を受けようとする事業年度における平均所得金額(前3事業年度の所得金額の平均)が年 15 億円を超える法人 (平成31年4月1日以降に開始する事業年度決算から適用)
  5. 連結法人

判定の仕方を国税庁が公表していますので、詳しくはこちらをご覧ください。

まずは、別表16(7)という書類は、どのようなものなのか、確認していきましょう。


目次

1  別表16(7)(少額減価償却資産の取得価格の損金算入の特例に関する明細書)とは

1-1  別表16(7)の役割とは

別表16(7)という書類は、いったいどのような書類なのでしょうか。

別表16(7)の正式名称は「少額減価償却資産の取得価格の損金算入の特例に関する明細書」と言います。

別表16(7)という書類は、その正式名称からわかるように、少額減価償却資産の取得価格の損金算入の特例を適用する際に、求められる書類です。

それでは、少額減価償却資産の取得価格の損金算入の特例とは、どのような制度なのでしょうか。

詳しく見ていくことにしましょう。

1-2  少額減価償却資産の取得価格の損金算入の特例とは

別表16(7)という別表は、少額減価償却資産の取得価格の損金算入の特例を適用するため必要であることがわかりましたので、次にその少額減価償却資産の取得価格の損金算入の特例というのは、どのような制度かを確認していきます。

1-2-1  少額減価償却資産の取得価格の特例の概要

まずは、少額減価償却資産の取得価格の損金算入の特例の制度の概要から見ていきましょう。

「少額減価償却資産(※1)の取得価格の損金算入(※2)の特例」というのは、一言で言うと、中小企業者のみ適用できる特例であり、取得価格が30万円未満の資産を取得し、事業で使い始めた事業年度に、その取得した減価償却資産の全額を、減価償却することなく費用化できる制度です。

※1 「少額減価償却資産」とは、少額減価償却資産の特例の対象となる取得価額が30万円未満の減価償却資産を指します。

   減価償却資産とは、使用することによって価値が減っていく資産のことを指します。

   身近なもので例を挙げるなら、建物、車両やパソコンなどの器具備品などが、減価償却資産です。

   減価償却資産について、もっと詳しく知りたい方は、次の記事でわかりやすく解説していますので、ご確認ください。

この概要部分では、なんとなくのイメージを掴んでもらえればOKです。
後でこの特例を適用するための要件部分で詳しく解説していきます。
ここでは、30万円未満の資産は減価償却することなく全額費用にできるんだ。くらいに理解していれば大丈夫です。

弁護士 元国税調査官

それでは、次になぜこの特例があるのか、特例を使うべき理由について、見ていきます。

1-2-2 特例がある理由

なぜ、このような特例があるのでしょうか?

それは、小規模な事業者が、すべての少額な資産を耐用年数に応じて費用計上することは、大変な手間が掛かってしまうというのが最大の理由の一つです。

そのため、その事務的な手間を軽減するために創設された特例が「少額減価償却資産の取得価格の損金算入の特例」です。

例えば、特例を適用せずに、会社Aが28万円のカメラを購入したとします。

カメラは器具備品で一般的には耐用年数が5年なので、5年かけて減価償却する必要があります。

耐用年数5年の定率法の償却率は0.5ですので、この例での、1年目に経費として計上できる減価償却費は「280,000円(取得価額) × 0.5(定率法・償却率) = 140,000円(償却限度額)」という式で算出され、140,000円となります。

2年目に経費として計上できる減価償却費は、「140,000円(残存価格)×0.5(定率法・償却率)=70,000円(償却限度額)」という式で70,000円となります。

この計算を5年間行い、費用化していくことになります。

原則通りの減価償却を行った場合、イメージは下の図のようになります。

原則通りの減価償却のイメージ図
別表16(7) 書き方 通常の減価償却

こんな少額な資産を5年かけて管理・計算していくのはかなり事務コストがかかりますよね。

ですから、「30万円未満の固定資産はその使い始めた日に全額費用にしていいですよ。」という中小企業者等の少額減価償却資産の損金算入制度の規定が設けられました。

先程の例と同じく、会社Aが28万円のカメラを買ったとします。

これを、特例適用した場合、以下の図のようなイメージとなります。

少額減価償却資産の取得価格の損金算入の特例の制度のイメージ図
別表16(7) 書き方 少額減価償却資産のイメージ図

以下の表が、特例を適用した場合と通常の減価償却を行った場合の費用化に関する比較表になります。

結果として、同じ金額の費用化ができますが、より早く経費とすることで管理も簡単になります。

また、特例を適用することで、実は節税効果もあります。

例えば先程の例を使って解説すると、会社Aが28万円のカメラを通常の減価償却を行ったとした場合で、今期の所得が140,000円だったとします。

中小企業を例に実効税率が30%だとすると、140,000×30%で42,000円納付することになります。

しかし、140,000円の減価償却費のかわりに280,000を全額費用とした場合、140,000円費用が増えますので、会社Aの所得金額は0になり、税金も0になります。42,000円節税したことになります。

特例を適用した場合通常の減価償却をした場合
償却費差引前利益280,000円280,000円
償却費280,000円140,000円
所得金額0円140,000円
税額0円42,000円

いかがでしょうか?
中小企業者としては、便利かつ節税効果もある特例であると、ご理解いただけたでしょうか?

このような、便利な特例ですが、この特例を適用するためには条件があります。
では、特例を適用するには、どのような条件があるかを見てましょう。

1-2-3 特例を適用するための6つの条件

これまでの解説で多くの中小企業者の場合、「中小企業者等の少額減価償却資産の損金算入制度」を適用することで、事務量を減らし、かつ購入した資産を一時の損金にすることができ、大変便利な特例であることが分かったと思います。

それでは、この特例を適用するためにどのような条件があるのでしょうか。

中小企業者等の少額減価償却資産の損金算入制度を適用するには、全部で以下の6つの条件があります。

「少額減価償却資産の取得価格の損金算入の特例」を適用するための6つの条件
  1. 中小企業者であること
  2. 青色申告書を提出する法人であること
  3. 取得した資産の取得価額又は製作価額が30万円未満であること
  4. 特例を適用する資産の取得価額の合計金額が300万円を超えないこと
  5. 購入した資産を、経費として計上していること
  6. 別表16(7)を申告書に添付していること

それでは、条件の内容を一つずつ見ていきましょう。

特例適用のための、条件フローチャート
別表16(7) 特例 条件 フローチャート

【条件1】中小企業者であること

まず最初の条件は、特例を適用しようとする法人が中小企業者であるということです。

中小企業者の説明は、記事冒頭で説明していますが、ここでもう一度確認しておきます。

 

中小企業者とは

中小企業者というのは、資本金(出資金)1億円以下の普通法人(資本金または出資金の額が5億円以上の法人等の100%子法人を除く)を指します。

ただし、資本金又は出資金の額が1億円以下の法人等であっても、以下の法人はこの特例の適用を受けることができません。

  1. 大規模法人(資本金又は出資金の額が1億円超の法人等)から2分の1以上の出資を受ける法人の場合
  2. 2以上の大規模法人から3分の2以上の出資を受ける法人の場合
  3. 常時使用する従業員の数が500人を超える法人の場合
  4. 税制の適用を受けようとする事業年度における平均所得金額(前3事業年度の所得金額の平均)が年 15 億円を超える法人 (平成31年4月1日以降に開始する事業年度決算から適用)の場合
  5. 連結法人の場合
【条件2】青色申告書を提出する法人であること

青色申告書を提出する法人であることが特例適用の条件の一つとなっています。

青色申告というのは、法人税の申告方法の人で、複式簿記に基づいて決算を行うことで、白色申告と比べて節税面で大きなメリットがある制度です。

この特例を適用できることについても、「青色申告」のメリットの一つとなります。

なお、「青色申告制度」や「青色申告書」について、詳しく知りたい方は、次の記事をご覧ください。

法人の青色申告とは?全法人の99%が採用する節税メリットがある制度|元国税・税理士が徹底解説!

【条件3】取得した資産の取得価額又は製作価額が30万円未満であること

次の条件は、取得した資産の取得価額又は製作価額が30万円未満であることです。

取得価額及び製作価額というのは、以下の式で算出されます。

取得価格又は製作価格の算出式
  • 取得価額 = 購入代金+購入するためにかかった費用(付随費用)(※1)+使用するためにかかった費用(事業共用費用)(※2)
  • 製作価額 = 原材料、労務費、経費+使用するためにかかった費用(事業共用費用)(※2)

取得価額等の算出方法に関する詳しい解説については、後述します。

ここで一つ注意が必要です。

それは、取得価額10万円未満の資産については、特例適用外となります。

理由は、以下の通りになります。

コラム「なぜ、取得価格10万円未満の減価償却資産は特例の対象ではないのか」

それは、取得価額が10万円未満の資産を購入した場合は、そもそも減価償却が必要ないためです。

どういうことかというと、取得価額が10万円未満の資産を買った場合、もともと事業で使い始めた事業年度で全額を費用とすることが出来ます。

何の条件もなしに、「消耗品費」などの勘定科目で、本や消しゴムを買った時のように、経費に入れてもよいということになります。

適用外というより、適用しなくても全額費用化できるから適用しないという方が正しいかもしれません。

総括すると、以下の図のようになります。

別表16(7) 書き方 10万円未満の資産

 

【条件4】特例を適用する資産の取得価額等の合計金額が300万円を超えないこと

次の条件は、特例を適用できる資産の限度額に関するものです。

会計期間1年間で、少額減価償却資産の取得価額の合計額が300万円に達するまでが限度となります。

なお、会計期間が1年に満たない場合には300万円を12で割り、これにその会計期間の月数を掛けた金額。月数は、暦に従って計算し、1月に満たない端数を生じたときは、これを1月となります。

1年未満の限度額の計算式
300万円÷12か月×その事業年度の月数=限度額

例えば、28万円のカメラを10台購入した場合は、以下の図のように、10台の合計280万円全額を特例で費用化できます。

 

しかしながら28万円のカメラを11台購入した場合、下の図のように、10台の合計金額である280万円については、当期において、全額を経費にできますが、11台目については、限度額を超えてしまっているため、通常の減価償却で費用化していくことになります。

【条件5】取得した資産を経費として計上していること

次の特例を適用の条件は、帳簿上において、取得した資産を経費として計上しているというものがあります。(損金経理要件)

ほとんど、気にしなくてよいのですが、要件となっているので一応解説します。

損金経理要件というのは、単純に購入した資産を、費用として計上しているかどうかを言っています。

例えば、20万円のパソコンを購入して、すぐに使い始めたとした場合、損益計算書において、パソコンの購入費用を「消耗品費」として計上していれば、良いということです。

【条件6】別表16(7)を申告書に添付していること

次の特例適用の条件は、別表16(7)「少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例に関する明細書」を申告書に添付する必要があります。

これについては、冒頭から別表16(7)の役割として「少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」を適用するために必要である旨説明しました。
それが正にここで要件となっているわけです。

いくらこの特例を理解して他の5つの要件を満たしていたとしても、この別表16(7)を添付していなければ税務調査ですべて否認されてしまうということが起こりえますので、とても大切な別表ということが理解いただけると思います。

次の章では、この別表16(7)の書き方について、詳しく解説していきたいと思います。

コラム「取得価額10万円未満の資産を全額損金にするには、何か書類は必要?」

取得価額10万円未満の資産を全額損金にするために、書類等は必要ありません。

因みに取得価額が10万円未満の資産の購入の場合は、この別表16(7)に記載する必要ありません。

単純に「消耗品費」等の経費で経理するだけで結構です。

10万円未満の資産を入れてしまうと、入れたことにより300万円の限度額を超過する場合には損してしまうことになります。

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2 別表16(7)の書き方

それでは、特例を適用するために必要や書類である「別表16(7)」の書き方について、解説していきます。

別表16(7)は法人税の別表の中でも最も簡単に作成できる書類の一つです。

まずは、別表16(7)が、いかに簡単な書類なのかを理解して頂くために、多くの中小企業が別表16(7)を作成したときにどのようなものになるか記載例をお示しします。

例題内容

購入した資産:パソコン 1台 220,000円(税込み)
経理方法:税込経理
資産を購入した日:令和4年4月30日

一般的な中小企業が作成する別表16(7)の記載例
別表16(7) 書き方

別表16(7)は、これしか記載するところがありません。

購入した資産が増えれば、2列目以降に書き足していくような形になります。

いかがでしょうか?
これだけを記載し、申告書に添付するだけで、節税できると考えると絶対この特例を使った方がいいですよね。

次は、別表16(7)の具体的な書き方を解説していきます。

2-1「種類」「構造」「細目」を書く

耐用年数省令別表第一から別表第六までに定める種類、構造及び細目に従って記載します。
機械及び装置については、耐用年数省令別表第二の番号を「構造」に記載してください。

パソコンを例にすると、別表第一では次のように分類されています。

種類器具及び備品
構造事務機器及び通信機器
細目パーソナルコンピュータ その他のもの

国税庁が公表している手引きにはこのように記載することになっていますが、実は実務ではここまで詳しく書かなくても問題なく通っています。

実務での記載例は次のとおりです。

コラム「耐用年数省令を見ても「種類」「構造」「細目」になにを書くかわかりません」という方へ

「種類」「構造」「細目」についての誤り等を、税務署から指摘することは、ほとんどありません。

そのため、実務においては、耐用年数省令にとらわれず、税務調査等で記載した資産がどの資産であるのか、尋ねられた時に、即答できるよう、自分自身が分かるように書いておく方が重要です。

例えば、パソコンを購入した場合、「種類」欄に「器具備品」、「種目」欄に「パソコン」と記載するだけで、充分です。

2-2「事業の用に供した年月日」を書く

当期の中途で事業の用に供した資産について、その事業の用に供した年月を記載します。

事業の用に供した年月日というのは、簡単に言うと事業で使い始めた日のことを言います。

ほとんどの場合は、「事業の用に供した年月日=納品された日」で差し支えありません。

ただし、決算期末において、資産を購入する際に、資産が自分の手元に届くのが翌期になってしまうような場合は、翌期の経費となるので注意が必要です。

事業の用に供した年月日について、深く知りたい方は次の記事を参考にしていただければと思います。

2-3「取得価格又は製作価格」を書く

対象資産の取得価額又は製作価額を記載します。

「取得価額」及び「製作価額」の計算方法を見てみましょう。

「取得価額」及び「製作価額」を考える上で、注意点が3つあります。

  • 取得価額及び製作価額の計算方法

  • 消費税の経理方式で変わる取得価額
  • 取得価額の判定単位

詳しく見ていきましょう。

【注意1】取得価額及び製作価額の計算方法

取得価額及び製作価額というのは、以下の式で算出されます。

取得価格又は製作価格の算出式

購入代金+購入するためにかかった費用(付随費用)(※1)+使用するためにかかった費用(事業共用費用)(※2)=取得価額

原材料、労務費、経費+使用するためにかかった費用(事業共用費用)(※2)=製作価額

※1 購入するためにかかった費用とは 
購入するためにかかった「付随費用」のことです。

  • 送料
  • 購入手数料
  • 関税 等

※2 使用するためにかかった費用とは
購入した資産を事業に使用できるようにするための費用のことです。(事業共用費用)

  • 設置費
  • 試運転や調整に要した費用 等

ただし、取得価額等が10万円未満の場合は、特例の適用外となります。

取得価額を算出する上で、もう一つ注意すべきことがあります。

【注意2】消費税の経理方式で変わる取得価額

取得価額を算出する上で、注意すべきことは、消費税の取り扱いです。

取得価額を算出する際に、消費税はどのように考えるべきでしょうか。

資産1単位あたり30万円という金額、また合計の300万円という金額の基準は、税込経理方式を採用していれば税込で、税抜経理方式を採用していれば税抜で判断することになります。

したがって、税抜経理方式を採用している方が、消費税分多く計上できるので、300万円に達するようなケースでは、得することになります。
現在は消費税の税率が10%ですので、影響はバカにできないでしょう。

別表16(7) 書き方 税抜経理 税込経理

【注意3】取得価額の判定単位

その資産の取得価額が30万円未満であるという金額判定は、パソコン等であれば「1台」ごと、応接セットであれば「1組」など、通常1単位として取引される単位で判定します。

例えは、テーブルとソファの組み合わせである応接セットを購入した場合、テーブル、ソファの単体ごとの取得価額で金額判定するのではなく、応接セット全体の価格で判定する必要があるということです。

2-4「法人税法上の圧縮記帳による積立金計上額」を書く。

圧縮記帳による圧縮額を積立金として積み立てる方法により経理したときに、その積み立てた金額を記入します。

30万円未満の資産について、圧縮記帳を適用するケースは相当まれであるため、多くは空欄になってくるかと思います。

因みに下記の方法で、資産を取得した場合は、関係する欄になるので、圧縮記帳について詳しく知りたい方は国税庁HPに説明がありますので、そちらをご確認ください。

圧縮記帳の対象となる資産の取得方法

  • 国庫補助金等の支給額で固定資産を取得した場合
  • 保険金等で固定資産を取得した場合
  • 交換等により固定資産を取得した場合
  • 特定の資産の買換え等により固定資産を取得した場合

2-5「差引改定取得価格」を書く。

5欄と6欄を足した金額を記入する。

2-6「当期の少額減価償却資産の取得価格の合計額」を書く。

7欄の合計金額を8欄に記入する。

このとき、8欄の金額が、300万円を超えていないか必ず確認してください。
300万円を超えている場合は、特例を適用する資産を変えるか、減らすなどして300万円を超えないようにしましょう。

ここまでが別表16(7)についての書き方です。
ここまでお読みになっていれば比較的簡単に書くことができるようになっていると思います。

別表16(7)を作成するには、購入した資産を固定資産台帳で整理して、特例を適用できる資産を別表16(7)に転記するなど、面倒な作業を行う必要があります。
また、計算ミスや転記ミスが不安だ。このように感じる方がいるかもしれません。
そんな方にぴったりな、簡単にそしてより早くより正確に別表16(7)を作成する方法があります。


3 もっと早く正確に法人税の別表16(7)を作成する方法

別表16(7)を簡単に正確に作成する方法、それが誰でも簡単に法人税の申告書が作成できるクラウド税務ソフト「全力法人税」を利用する方法です。
ちなみにこの記事で別表16(7)の記載例をいくつか掲載しましたが、それもすべて全力法人税でちゃちゃっと作成したものです。

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【手書きと全力法人税利用の比較】
別表15 書き方 交際費

全力法人税を使って別表16(7)を作成する方法を紹介します。

まずは次のページにアクセスしていただき、新規アカウント登録をする必要があります。

全力法人税のアカウント登録画面

アカウント登録は、全部の書類を印刷したい場合にのみ有料会員となる必要があるだけで、それ以外の機能をすべて無料で利用することができますのでご安心ください。

 全力法人税にログインする

全力法人税は、クラウドソフトであるため、アカウントを作成して、ログインする必要があります。

全力法人税ログイン画面はこちら

 トップ画面で「申告書を作成する」を選択する

全力法人税トップ画面(交際費の損金不算入の計算)

❸ 基本情報を入力後「保存」して「次へ」を選択する

法人名や決算期等の法人の基本的な情報を入力してください。所要時間5分程度

別表16(7)の作成のみであれば、申告書に表示される「法人名」欄だけ正確に入力しておけば、残りの必須部分は適当な文字を入力しておけばOKです。

全力法人税基本情報登録画面(交際費の損金不算入)

「株主(社員)名簿」は別表2を作成するために必要な画面なので、別表16(7)のみ作成できればいいという場合は「次へ」ボタンでとばしてください。

❹ 「申告情報」を入力後「保存」して「次へ」を選択する

作成を行う申告書の情報を入力してください。所要時間5分程度

別表15 書き方 全力法人税

❺ 「少額減価償却資産の明細書」画面で購入した資産の金額等を入力する。

メニューバー「固定資産台帳」>「少額資産明細(別表16(7)」画面に移ります。
ここが購入した少額資産の詳細の入力を行うための画面になります。

「新規登録」クリックし、入力フォームを開いて「資産の名称」、「取得年月日」、「取得価額」、「資産の種類」を入力してください。

入力が終わったら「保存」ボタンを押します。

因みに、この入力画面で、取得価額が30万円以上の資産を入力しようとすると・・・

上の図のように、赤字で注意をしてくれて、入力できないようになっています。

同じく、特例を適用しようとする資産が300万円を超えてしまった場合・・・

これも、上の図のように赤字で注意事項が表示されて、入力が進まらないようになっています。

 別表16(7)を出力する

別表16(7)は有料版でないと出力することができませんので、お支払いが必要になります。

有料版と無料版での出力可能書類の違い

全力法人税のお支払いシステムについて

メニューバー「印刷」をクリックすると、「申告書出力コントローラー」画面が表示されます。
別表16(7)のチェックボックスにチェックを入れて、「PDF出力」をクリックすると、作成した別表16(7)が出力されます。

次のように印刷されます。

別表16(7) 記載例

以上で別表16(7)が完成しました。
特例の限度額300万円を超えた場合、メッセージが出て、誤りが起こらないようになっており、また、そもそも特例の内容を知らなったとしても正しい申告書を作成することができるようになっています。

記事を作成するために別表16(7)を全力法人税で作成しましたが、簡単すぎて説明するところが本当に少ないです。

このように全力法人税を使用して法人税の別表を作成するとかなり効率的にそして転記漏れもありませんので正確に作成できます。

別表16(7)のためだけに有料版になるというのは現実的ではないと思いますが、法人税の知識がなくても申告に必要な書類一色が作成でき、無料で出力できる書類も多く、無料で出力できなくても別表4や別表5(1)、別表7など画面で確認できるものも多くありますので、全力法人税で作成したものをe-Taxソフトに入力したり、申告書に手書きで写す方法でも何もないところから申告書を作るよりずっと効率的に無料で作成することも可能です。

是非効率的に申告書を作成したいという方はこの法人税の申告書作成支援ソフト「全力法人税」を試して損はないと思います。

 

これまで、別表16(7)とはどのような書類か、そしてその作成の仕方について解説してきました。最後に実務でありうるであろう様々な別表16(7)の記載例を挙げていきたいと思います。

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4 様々なケース別 法人税の別表16(7)の記載例

中小企業であれば、これから挙げるパターンの書き方を知っていれば、別表16(7)を完成させることができるでしょう。

なお、これから挙げる例題の会社はすべて税込経理の法人とします。

記載例1 限度額を超えた場合

特例の限度額である、300万円を超えてしまった場合の記載例となります。

この場合、パソコン10台分の取得価額2,800,000円については、当期において、全額を損金にすることができますが、限度額を超えた、パソコン1台分の取得価額280,000円については、耐用年数に沿った通常の減価償却を行う必要があります。

「当期の少額減価償却資産の取得価格の合計額(8)」欄の金額が、300万円を超えてしまった場合は、合計額が300万円以下になるように資産を選択していく必要があります。
この選択を行う際には、耐用年数がなるべく長いものを選択することで、得することが出来ます。

記載例1 内容

購入した資産:パソコン(1台 280,000円)11台 合計 3,080,000円
経理方法:税込経理

記載例2 10万円未満の資産と30万円未満の資産を購入した場合

当記事で繰り返し説明してますが、10万円未満の資産を購入した場合、別表16(7)に記載する必要がありません。
固定資産台帳などの購入した資産の取得価額が確認できるもので、取得価額が10万円以上30万円未満のものだけを記載するようにしてください。

取得価額が「10万円以上30万円未満」の資産である、パソコンとコピー機のみ、別表16(7)に記載していきます。
プリンターについては、消耗品費で全額損金で落とします。

記載例2 内容

購入した資産:パソコン(1台 280,000円)10台  合計 2,800,000円
       コピー機(1台 200,000円)1台   合計 200,000円
       プリンター(1台 90,000円)10台 合計 900,000円
       
経理方法:税込経理

 

記載例3 応接セットを購入した場合

応接セットやカーテンなど、セットで購入し機能するものについては、「1セット」で取得価額の判定を行います。
この例題の場合、応接セットは、机と椅子の価格は30万未満ですが、応接セットとして、購入した資産であるため、机と椅子の価格を足した金額である「370,000円」が取得価額として判断されます。

このため、別表16(7)に記載されるのは、パソコン 5台のみとなり、応接セットについては、通常の減価償却を行うことになります。

記載例3 内容

購入した資産:パソコン(1台 280,000円)5台  合計 2,800,000円
       応接セット(机 290,000円、椅子 80,000円)1セット   合計 370,000円
       
経理方法:税込経理


5 まとめ

ここまで解説してきたことを簡単に振り返ります。

  1. 法人税の申告書である別表16(7)とは、「中小企業者等の少額減価償却資産の損金算入制度」を適用するための申告書類です。
  2. 「中小企業者等の少額減価償却資産の損金算入制度」というのはなにかというと、
    「青色申告書を提出している中小企業の法人限定で、取得価格が30万円未満の資産を一括で経費にすることできる制度のことでした。
  3. 中小企業の少額資産の特例には、300万円までの限度額がありました。
  4. 申告ソフトを使うと正確かつ、短時間で綺麗な別表16(7)を作成することができました。

別表16(7)のように、一度書き方や制度について理解することが出来れば、高い専門知識などなくても十分自力申告が可能であることがわかっていただけたと思います。
そして申告ソフトを使えば、もっと効率的に進めることも可能です。

全力経理部の法人税の書き方の記事を読みながら、最短距離で自力申告をやり遂げてもらえると、たいへん嬉しく思います。

他にも法人税の別表の説明や書き方の解説をわかりやすく行なっていますので、よろしければそちらもご覧いただけたらと思います。

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