
初めての法人税の確定申告を自分でやってみようと思い、税務署から郵送されてきた申告書類を確認してみた。
申告書類を一枚一枚確認していき「別表16(8)(一括償却資産の損金算入に関する明細書)」を手にする。
「一括償却資産の損金算入に関する明細書」?
なんか、難しそうな書類が出てきたな、、、
「一括償却資産」って何だろう?
自分の会社に関係ある書類なのか?
別表16(8)は、法人が少額な資産を購入した場合に、通常の減価償却よりも簡便的に償却する方法を選択したときに必要となる書類です。
別表16(8)は中小企業の場合には、実は登場場面はあまり多いとは言えない少々影が薄くなりがちな申告書類ですが、状況によっては使い勝手のよいものです。
どのようなケースで使用するのか、また使用するとなった場合にどのように別表16(8)を作成するのかをこの記事を読めば実務に即した形でよく理解できますので、是非最後までどうぞ。
この記事の特徴
中小企業向けに、初めて法人税の申告書を作成する初心者の方でも申告書類の書き方がわかるように解説します。
一括償却資産について、大企業も含めて解説すると細かい点まで説明することになりますが、中小企業に絞ることで知らなければならない事項が激減します。
中小企業にとっては、別表16(8)は最も簡単に作成できる書類の一つで、誰でも簡単に作成できるので安心してください。
数多くの税務調査を国税調査官として行ってきた経験を持つ私が、重要ポイントは押さえながらメリハリをつけてわかりやすく解説します。
繰り返しますが、この記事は中小規模の会社の法人税の申告を自力で行う方向けの記事です。
別表16(8)を解説するにあたり減価償却費についての内容が多く出てきます。
減価償却費についてよくわからないという方は、先に下記の記事を一読していただくことをお勧めします。
- 別表16(8)とは、どのような書類なのか
- 「一括償却資産」というのはどのような資産で、どのように減価償却を行うのか
- 別表16(8)の書き方
- 簡単かつ速く正確に別表16(8)を作成する方法
それでは、まずは別表16(8)(一括償却資産の損金算入に関する明細書)という書類はどのような書類なのかを解説していきたいと思います。
目次
1 別表16(8)(一括償却資産の損金算入に関する明細書)とは

ここでは、別表16(8)(一括償却資産の損金算入に関する明細書)とはどのような書類なのかについて中心に確認していきたいと思います。
まずは、別表16(8)の役割について確認していきましょう。
1-1 別表16(8)の役割とは
別表16(8)という書類は、いったいどのような書類なのでしょうか。
別表16(8)の正式名称は「一括償却資産の損金算入に関する明細書」と言います。
一括償却資産って何のことでしょう?
それでは、まずは一括償却資産というのは、どのようなものから詳しく見ていくことにしましょう。
1-2 一括償却資産とは
別表16(8)という別表は、一括償却資産を適用するために必要であることを説明しましたが、その一括償却資産というのは、そもそもどのようなもので、どのような制度なのかを確認していきましょう。
1-2-1 一括償却資産の概要
まずは、一括償却資産の制度の概要から見ていきましょう。
法人税法には、一括償却資産の3年償却の取り扱いというものがあります。
通常の減価償却は、資産ごとに個別で償却の計算を行いますが、一括償却資産の場合は、同じ事業年度に取得した資産の合計金額の1/3を償却することになります。
具体例で確認しましょう。
例えば、180,000円のパソコンを2台購入したとします。
2台のパソコンを一括して「360,000 × 1/3 = 120,000円」を3年間均等に償却します。
| 経過年数 | 1年目 | 2年目 | 3年目 |
| 償却費 | 120,000円 | 120,000円 | 120,000円 |
つまり1年間あたり120,000円ずつ3年間にわたって償却します。
ほとんどのケースでは、この理解で問題ありませんが、正確にいうと下記の算式で一括償却資産の償却額を計算します。
一括償却資産の償却限度額の計算式
償却限度額 = 一括償却資産対象の取得価額 × 当該事業年度の月数 ÷ 36
上の計算式をご覧いただくとわかるように、単純に1/3をするわけではなく、当該事業年度の月数/36をすることになっています。
そのため、設立した事業年度などで事業年度が1年未満の場合は1年間丸々ではなく、月割計算する必要があります。
なるほど、一括償却資産であれば、通常の減価償却のように耐用年数と関係なく3年間で費用にできるってことですね。耐用年数調べたりするのは面倒ですからかなり簡素化された印象ですね。
それで、この一括償却資産はどんな会社でも適用できるのでしょうか?
1-2-2 一括償却資産を適用するための要件
どのような法人が一括償却資産を適用することができるかについて解説します。
一括償却資産を適用するための要件についてですが、基本的にどのような法人でも使用することができ、取得価額が20万円未満の償却資産であれば、限度なく適用可能です。
一括償却資産として償却を行うかどうかは、選択制です。
取得価額が20万円未満の償却資産を取得したとしても通常の減価償却で行うか、少額減価償却資産の特例を使用するかはその会社次第となります。
また、償却方法は資産ごとに決めることができます。
1-2-3 一括償却資産の3年償却の意義について
続いて、一括償却資産の意義について解説していきます。
結論から言いますと、一括償却資産がある理由は、会社の経理処理の簡素化です。
一括償却資産は、先ほど解説したとおり、少額の資産を箱にまとめて入れて一括で償却を行うイメージです。
通常の減価償却では、一つ一つの資産を個別で管理する必要がありますが、一括償却資産の場合は、その必要がありません。
したがって、この一括償却資産という制度の趣旨は、少額である資産については、簡便な償却方法を認めて会社の事務を簡易化させるのが目的ということになります。
通常の減価償却を考えると、耐用年数を調べて、償却率を調べて、保証率が、、、といったように1つの資産を償却するにも調べることがたくさんあります。
例えば、特例を適用せずに、会社Aが19万円のカメラと16万円のパソコンを購入したとします。
カメラは器具備品で一般的には耐用年数が5年で、パソコンの耐用年数は6年なので、それぞれカメラは5年、パソコンは6年をかけて減価償却する必要があります。
ここで、通常の減価償却を行った場合の計算をしてみると、以下のようになります。
| 資産 | 取得価額 | 耐用年数 | 償却方法、償却率 |
| カメラ | 190,000円 | 5年 | 定率法 0.500 |
| パソコン | 170,000円 | 6年 | 定率法 0.333 |
1年目の減価償却費の計算
カメラ 190,000円(取得価額) × 0.400(定率法・償却率) = 76,000円(償却限度額)
パソコン 170,000円(取得価額) × 0.333(定率法・償却率) =56,610円(償却限度額)
2年目の減価償却費の計算
カメラ 114,000円(残存価額)×0.400(定率法・償却率)=45,600円(償却限度額)
パソコン 113,390円(残存価額) × 0.333(定率法・償却率) =37,758円(償却限度額)
このような計算を耐用年数の期間行い、少しずつ費用化していくことになります。
なお、原則通りの減価償却を行った場合、イメージは下の図のようになります。

こんな少額な資産を何年もかけて個別に管理・計算していくのはかなり事務コストがかかりますよね。
ということで、「20万円未満の少額な資産については、全部まとめて1/3ずつ償却していいですよ。」という意義で一括償却資産の3年償却が設けられています。
一括償却資産を適用した場合の減価償却の計算をここでもう一度確認してみましょう。
通常の減価償却の計算例と同様に、会社Aが19万円のカメラと17万円のパソコンを購入したとします。
購入した資産を一括償却資産とした場合の減価償却の計算をしてみると、以下のようになります。
1年目の減価償却費の計算
カメラとパソコン 360,000円(取得価額) × 12/36 = 120,000円(償却限度額)
2年目の減価償却費の計算
カメラとパソコン 360,000円(取得価額) × 12/36 = 120,000円(償却限度額)
3年目の減価償却費の計算
カメラとパソコン 360,000円(取得価額) × 12/36 = 120,000円(償却限度額)
これで、終わりです。かなりシンプルですよね。
通常の減価償却だと、カメラとパソコンを別々に減価償却の計算を行っていますが、一括償却資産を適用した場合だと、2つまとめて1/3ずつ償却しているだけです。
なお、一括償却資産の3年償却を行った場合、以下の図のようなイメージとなります。
括償却資産の3年償却を行った場合の減価償却のイメージ図

そして、以下の表が、先ほど行った一括償却資産とした場合と通常の減価償却を行った場合の費用化に関する比較表になります。

結果として、同じ金額の費用化ができますが、より早く経費とすることで管理も簡単になります。
一括償却資産を適用すると、少額な資産の管理がかなり楽になることが、ご理解いただけたと思います。
理解できました。でも、「一括」と聞くと全額を経費として計上できそうな感じがしますね。
確かに、始めて「一括」と聞くと一時の損金にできそうと勘違いしてしまう場合もあるかもしれません。
ここで言う「一括」というのは、取得した少額の資産を箱にまとめて一括で償却するというイメージです。
なるほど、一括して償却するということですね。
償却の計算が楽になるということの他に、この制度を使うメリットがあったりしますか?
次の章では一括償却資産のメリットについて、解説していきます。
1-2-4 一括償却資産の3年償却のメリットについて
一括償却資産のメリットについては、以下のようなものがあります。
- 減価償却の処理が簡単で、事務を簡素化できる。
- 適用要件がなく、どんな会社でも利用できる。
- 法定耐用年数より短い期間で減価償却できる。
- 償却資産税の対象とならない。
以上のメリットを一つずつ簡単に確認してきます。
【メリット1】減価償却の処理が簡単で、事務を簡素化できる
先程も解説しましたが、一括償却資産のメリットの1つ目としては、減価償却の処理が簡単に行えるということです。
通常の減価償却を行う場合、耐用年数を調べ、その償却率、改定償却率や保証率などを確認し、償却する金額を計算する必要があります。
しかし、一括償却資産であれば、個別に管理する必要がなく、原則として取得価額の1/3を償却するという簡単な計算で償却する金額が算出することができ、事務が簡素化することができます。
【メリット2】適用要件がなく、どんな会社でも利用できる
一括償却資産のメリットの2つ目としては、適用要件が特になく、どのような会社でも利用できる点です。
一括償却資産は利用するのに制限がありません。
例えば、中小企業の少額減価償却資産の特例という制度がありますが、青色申告であることや従業員数等の要件に加えて年間300万円までという上限があります。(後述)
したがって、一括償却資産は要件がなく利用しやすい制度と言えるでしょう。
【メリット3】法定耐用年数より短い期間で減価償却できる
次のメリットとして、法定耐用年数より短い期間で償却できるという点です。
法定耐用年数が3年を超える少額の資産を一括償却資産とすることで、取得した金額をより早く費用とすることができます。(つまり節税につながる。)
中古の資産など、3年未満の耐用年数となる場合もありますが、多くの少額の資産は3年を超える耐用年数となっていますので、より早く経費化することが可能となります。
【メリット4】償却資産税の対象とならない
4つ目のメリットとして、市区町村に申告する償却資産税の対象とならず、節税となる可能性があります。
一括償却資産にした少額の資産は償却資産税の申告書に記載が不要となっています。
そのため、結果として節税に繋がります。
また、申告書に記載しなくてよいため、事務の簡素化にもつながります。
以上が一括償却資産にすることで得られるメリットです。
一括償却資産ってこんなにメリットがあるんですね。
逆に一括償却資産の3年償却する上でのデメリットはあるのでしょうか。
次に、一括償却資産の3年償却を行う上でのデメリットについて紹介していきます。
1-2-5 一括償却資産の3年償却のデメリットについて
一括償却資産の3年償却を行う上での注意点については、以下のようなものがあります。
- 中小企業の少額減価償却資産の特例と比べると、償却期間を短縮する効果が薄く、償却に係る手間が掛かる
- 3年以内に資産を売却または、除却して資産がなくなっても、償却を続ける必要がある
- 一括償却資産にした場合、2年目以降も継続する必要があり、任意に償却をやめることができない
一つ一つ見ていきましょう。
【デメリット1】中小企業の少額減価償却資産の特例と比べると、償却期間を短縮する効果が薄く、償却に係る手間が掛かる。
最初のデメリットとしては、中小企業の少額減価償却資産の特例と比べると償却期間を短縮する効果が薄く、償却に係る手間が掛かるという点です。
少額の資産を購入した際に、中小企業であれば適用できる「少額減価償却資産の特例」は、取得価額の全額を取得した事業年度において費用にすることができます。
それに比べると、前述のとおり一括償却資産の場合は取得価額の3年にわたり費用計上することになることから、償却期間を短縮する効果は薄いです。
また、少額減価償却資産の特例の場合は、取得価額の全額を取得した事業年度に経費にすることができるため、その後の資産の管理自体が不要となるため、一括償却資産に比べると更に事務の簡素化に効果があります。
なお、一括償却資産と少額減価償却資産の違いについては、下表のとおりになります。
| 一括償却資産 | 少額減価償却資産の特例 | |
| 適用に必要な別表 | 別表16(8) | 別表16(7) |
| 適用対象法人 | すべての法人 | 中小企業者等 |
| 青色申告の要件 | 青色申告法人でなくても適用可能 | 青色申告法人であること要件 |
| 対象資産の取得価額 | 10万円以上※20万円未満 | 10万円以上※30万円未満 |
| 償却方法 | 3年間にかけて1/3ずつ償却する | 取得価額の全額を即時償却できる |
| 限度額 | なし | 年間300万円まで |
| 償却資産税 | 非課税 | 課税 |
※資産の取得価額が10万円に満たない場合は、減価償却しなくてもよいため、実質10万円以上と理解できます。
中小企業の少額減価償却資産の特例及び特例に必要な別表16(7)については、次の記事で詳しく解説しています。
【デメリット2】3年以内に資産を売却または、除却して資産がなくなっても、償却を続ける必要がある
次のデメリットとしては、一括償却資産を一度適用すると3年以内に資産を売却または、除却して資産がなくなっても、継続して償却を続ける必要があるという点です。
一括償却資産の償却中(3年以内)に売却や除却をした場合でも、税務上は未償却分全額を費用化することはできません。
たとえば、一括償却2年目に資産を廃棄した場合でも、2年目と3年目は均等償却を続けることになります。
一般的な固定資産として計上していた場合は、資産を廃棄すると、残りの価額は除却損としてその年の損金に算入することが認められています。
【デメリット3】一括償却資産にした場合、2年目以降も継続する必要があり、任意で変更ができない
次のデメリットについてですが、一括償却資産にした場合、2年目以降も継続する必要があり、任意で変更ができないということです。
2のデメリットで解説した内容に近いですが、一般的の固定資産の減価償却の場合、償却をしないという方法がとれますが、一括償却資産を適用した場は、償却しないという選択をすることができません。
一括償却資産した場合、2年目以降も継続する必要があり、任意で変更ができないという点で、一般的な償却方法で行うのと比べると縛りが強く、自由度が低いと言えます。
コラム「中小企業の申告において、一括償却資産が出る幕はどのような場合か」
前述のとおり、中小企業が取得価額30万円未満の少額資産を購入した場合は、一括償却資産として償却するより、中小企業の少額減価償却資産の特例を適用する方が事務の簡素化及び償却期間の短縮に有利となっています。
このように聞くと、「中小企業の実務において、いつ一括償却資産を適用するの?出番がないのでは?」と思う方もいらっしゃると思います。
結論としては、中小企業の少額減価償却資産の特例の限度額である300万円までを少額減価償却資産の特例を適用して、限度額を超えた分を一括償却資産にするということが多いです。
なお、一括償却資産に適用した場合は、3年間は必ず償却する必要があるので、赤字が続いている場合などで費用を増やしたくない場合は、逆に適用しない方が良い場合もあります。
一括償却資産の3年償却を行うメリットとデメリットについての解説は以上となります。
次の章では一括償却資産の経理処理について解説していきたいと思います。
1-2-7 一括償却資産の経理処理について
ここでは、一括償却資産を適用する上で、必要な経理処理の方法について、解説していきたいと思います。
一括償却資産を適用とした場合、資産を個別に管理することはありません。
その事業年度で取得した一括償却資産の取得価額の合計額を損金算入することになります。
一括償却資産を損金算入する方法としては、以下の2つの方法があります。言葉自体を覚える必要は全然ありません。
一括償却資産を損金算入する2つの方法
- 決算調整方式
- 申告調整方式
上の2つの方法のうち、いずれかを会社が選択して一括償却資産を損金とする計算を行っていきます。
ここで、先にお伝えしたいことがあります。
この2つの方法では、「決算調整方式」の方が圧倒的に簡単で分かりやすいので決算調整方式でやりましょうということです。
これから、二つの方法を解説していきますが、税務初心者の方は、決算調整方式だけ理解してもらえれば十分です。
では2つの方法での、一括償却資産を適用した場合の経理処理について、それぞれ解説していきたいと思います。
決算調整方式での経理処理について
まず、一つ目の方法としては「決算調整方式」です。
この方法は、一括償却資産として資産計上をしたうえで減価償却資産として損金算入する方法です。
ごくごく一般的なやり方です。
具体的な経理処理は以下のようになります。
決算調整方式での経理処理
一括償却資産の内容は以下の通りです。
| 資産の内容 | 数量 | 単価 | 合計額 |
| パソコン | 20台 | 150,000円 | 3,000,000円 |
・取得時の経理処理
資産を取得した時の仕訳については、以下の通りです。
勘定科目 翌期の処理の仕訳
| 借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
| 一括償却資産又は器具備品 | 3,000,000円 | 現金 | 3,000,000円 |
・決算時の経理処理
別表16(8)を作成し、損金算入限度額を算出する
この記載例の場合、3,000,000円×12/36=1,000,000円が損金算入限度額となります。
算出した損金算入限度額の仕訳を行う。
決算時の仕訳は以下の通りです。
| 借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
| 減価償却費 | 1,000,000円 | 一括償却資産又は器具備品 | 1,000,000円 |
・2年目と3年目の仕訳
2年目と3年目での仕訳は1年目の決算時と同じ仕訳を行います。
| 借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
| 減価償却費 | 1,000,000円 | 一括償却資産又は器具備品 | 1,000,000円 |
申告調整方式での経理処理について
次に、二つ目の方法としては「申告調整方式」です。
この方法は、取得時に消耗品費等として全額を費用として計上し、法人税の確定申告時に2年目以降の分を加算調整する方法です。
申告調整方式での経理処理
一括償却資産の取得価額合計額:器具備品 300万円
・取得時の経理処理
資産を取得した時の仕訳は以下の通りです。
一度、費用勘定で全額を費用とします。
| 借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
| 消耗品費などの費用科目 | 3,000,000円 | 現金及び預金 | 3,000,000円 |
・決算時の経理処理
申告調整方式の場合、決算時においては仕訳は不要となります。
別表16(8)を作成し、損金算入限度額を算出する
この記載例の場合、3,000,000円×12/36=1,000,000円が損金算入限度額となります。
・申告時に行う経理処理
別表4で「一括償却資産損金算入限度額超過額」として、当期では費用化できない金額を加算します。
設例では、取得価額である3,000,000円から損金算入限度額の1,000,000円を差し引いた2,000,000円を別表4で加算することになります。
限度超過???
確かに、申告調整方式は難しそうですね、、、
繰り返しになりますが、申告調整方式は決算調整方式と比べるとかなり複雑です。
税務や会計に通じており、申告調整等の理解がある方ではないと大変です。
そのため、余程の理由がない限り、単純な決算調整方式で経理処理するようにしましょう。
その理由は、次章の「別表16(8)の書き方」を読んでもらえると更によく分かってもらえると思います。
決算調整方式って、要するに取得した時は、全部「一括償却資産」という科目で資産計上して、決算の時に減価償却費で費用にすれば良いということですね。
法人でこの一括償却を適用する場合には、別表16(8)(一括償却資産の損金算入に関する明細書)を提出しなければならないことになっているということを冒頭の別表16(8)の役割のところで説明しました。
次の章からは、法人税の確定申告において、一括償却資産を損金に算入した場合に必要になるこの別表16(8)の書き方について解説していきたいと思います。
2 別表16(8)の書き方

それでは、一括償却資産の3年償却を適用するために必要や書類である「別表16(8)」の書き方について、解説していきます。
別表16(8)は法人税の別表の中では、そこまで難しくはない書類の一つです。
2-1 別表16(8)の様式の確認
まずは、別表16(8)が、どのような書類なのかを見てみましょう。
なお、ここで紹介する記載例は、中小企業が作成する別表16(8)で記載するべき内容をなるべく盛り込んだ場合の記載例となります。
実務において作成する別表16(8)はもっとシンプルなものになること多いかと思います。
したがって、ここで記載する内容が書けるようになれば、実務でも完璧な別表16(8)が書き上げることができるようになると思います。
【一般的な中小企業が作成する別表16(8)の記載例】

中小企業で作成する別表16(8)は、記載例のような形になります。
記載する欄の半分ほどしか書かれてませんね。
これなら、自分でも書けそうです。
それでは、別表16(8)の具体的な書き方を解説していきます。
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