最強の節税 セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)はここがすごい!

決算が近づいてきて利益が予想以上に出ることがわかり嬉しい反面、税金の負担を考えると利益が出過ぎて困った、なんて時の節税の救世主は?

セーフ

ティ共済!

この記事を書いた人

税理士(元国税調査官)

税務署に12年間勤務。主に法人税の調査に従事。

税務署側の視点を交えながら、主に法人税・消費税について一般の方に向けて実務に直結した税務情報を分かりやすく解説します。

ジャパンネクス株式会社

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セーフティ共済の特徴

制度の概要

経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)は、取引先事業者が倒産した際に、中小企業が連鎖倒産や経営難に陥ることを防ぐための制度です。
無担保・無保証人で掛金の最高10倍(上限8,000万円)まで借入れでき、掛金は損金または必要経費に算入できる税制優遇も受けられます。

詳しくは運用元の中小機構ホームページ参照。

なにがすごいか

この制度のここがすばらしい

  • 掛金が全額損金※または必要経費になる
  • 解約返戻金が40ヵ月以上の納付で掛金総額の100%が戻る
  • 翌年1年間の支払額を支払った年度の損金または必要経費にできる

といった最強の条件が揃っています。

生命保険でこのパフォーマンスを出せる商品はまずありません。

ただし、月額20万円で積立限度額が800万円までという規模の面での限界があります。

返戻率は次のとおり。40ヵ月以上で100%というのは脅威的にすごいですが、逆に40ヵ月未満の解約で元本割れしますので、この点は注意が必要です。

返戻率

※損金については、次の記事参照。

0からわかる法人税法の「損金」と「損金不算入」とは

掛金・解約返戻金の性質

掛金が損金または必要経費で、解約返戻金は益金または事業所得の収入金額になります。

したがって、一時費用になっても解約したら利益になるのなら時期の問題だけで結局トータルで考えたら課税されるわけだから、節税とは言えないのではないか。税金をいつ払うかだけの問題ではないか、と思われるかもしれません。

利益をいつ出すかだけのテクニックではないか、と。

では、次のケースを考えて見ましょう。

セーフティ共済を使った節税のイメージ

シナリオ

こんな場面を考えてみましょう。

設立から3期目、事業がやっと軌道に乗り、売上は右肩上がりで気づいたら税引前利益が500万円。

仮に実効税率を3割として計算すると今期(3期目)は150万円の納税になります。やっと軌道になったばかりで、こんなに納税?困った。

その後、当初はライバルもなく、売上を伸ばしていたが、好況につき大手企業の参入があり、競争が激化し、売上が激減。とうとう6期目には赤字に転落。以下の表のような推移を辿りました。

セーフティ共済なし

3期4期5期6期合計
税引前利益500万 500万 150万-600万 550万
税金-150万-150万 -45万 ※45万 300万
手元資金350万350万 105万-555万 250万

※繰戻還付

セーフティ共済あり

3期4期5期6期合計
税引前利益500万 500万 150万 -600万 550万
セーフティ掛金-240万 -240万 -120万※600万 0万
税金-78万-78万 -9万 0万165万
手元資金182万182万21万0万 385万

※セーフティ共済40ヵ月支払い、満額の解約返戻金を受け取る

話をわかりやすくするために税引前利益がすべて現金の裏付けがあるとします。そうすると、税引前利益から税金を差し引くと手元資金となります。

セーフティ共済ありとなしを比較

セーフティ共済なしは税金を4年間で300万円支払い、手元資金は4年で250万円残りました。

セーフティ共済ありの方は税金を4年間で165万円支払い、手元資金は4年間で385万円残りました。

設定したシナリオ化では両者で135万円の差が生じました。

セーフティ共済の活用術

このように利益を出す時期をコントロールすることで、手元資金に135万円の差が生まれたわけです。

企業を取り巻く環境は、不透明です。今調子が良くてもいつ事態が急変するかわかりません。調子の良い時にこそうまく資金をプールして、いつ襲ってくるかわからない、その不確定な未来に備えるという姿勢こそ、企業を健全で息の長いものにするのではないでしょうか。

ただし、利益が出ているが売掛金ばかりで利益に資金の裏付けがないような場合には、掛金としてキャッシュは出ていきますので、節税のためと言って資金的に余裕がないのに出金しては手元資金がなくなって行き詰まるということもありえます。

節税といっても当座の資金に苦しんでは元も子もありませんので、キャッシュが出ていくことを念頭に置いて掛金の設定または加入の可否を決定しましょう。

リスク

セーフティ共済による節税は、あくまで利益の繰り延べに過ぎません。そのため、ずっと利益が出続ける企業にとっては節税にはなりえません。解約のタイミングでは、法人税の税率や事業税の税率が逆に高くなるという場合も考えられます。

中小企業の場合は税率が所得が800万円までは15%でそれ以上は23.4%(平28.4.1以後開始事業年度の場合)、事業税も所得が400万円以下、800万円以下、800万円超で税率が高まります。

こういうことを考慮せずに解約すると、税率が逆に高まって結果的に節税にならないなんてことになってしまいます。

あくまで黒字の時に加入し、赤字で解約しないとこの節税策は機能しないことにご注意ください。

まとめ

セーフティ共済はわずか40ヵ月で掛金で支払った金額がすべて戻ってきます。

そして生命保険と違い、その後も返戻率は100%であり続け、40ヵ月経過後はいつ解約してもいいのです。

これはスーパーすごいです。

利益(資金)を800万円という限度額の範囲内でコントロールできるわけです。

今黒字続きでもいつ赤字になるかわかりません。赤字になり資金が乏しくなった苦しい時に、まだ社外に資金があるのです。その資金が逆転のチャンスを生みます。

節税を考えたときに真っ先に挙がる選択肢。使わない手はありません。

今回はセーフティ共済の節税面に焦点を当てましたので、制度の詳しい内容、細かい注意点等には言及していません。セーフティ共済にご興味をお持ちになり、詳しい情報をお知りになりたい場合は運用元の中小機構ホームページご参照ください。

(参考)

セーフティ(中小企業倒産防止)共済への加入手続の注意点(実録)

 

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