別表15とは?交際費の損金算入から書き方まで0から元国税調査官が解説!

法人税の別表15は中小企業なら超簡単!元国税調査官が0から解説

初めての法人税の確定申告を自分でやってみようと、税務署から郵送されてきた申告書類を確認してみた。
申告書類を一枚一枚確認していき別表15(交際費等の損金算入に関する明細書)を手にする。

悩む会社員 新米一人社長

別表15?交際費等の損金算入に関する明細書?
はて?交際費については何か特別な処理が必要なのかな?

こういう方でも、別表15をまったく初めて見た方でも、別表15とはどのような書類で、どのように書くものかをわかりやすく解説します。
中小企業にとっては、別表15は楽勝の部類の一つです。

弁護士 元国税調査官

この記事の特徴


中小企業向けに初めて法人税の申告書を作成する初心者の方でも、申告書類の書き方がわかるように解説します。

交際費等について、大企業も含めて解説すると本一冊書ける量になりますが、中小企業が知っておくべき交際費等に絞ることで知らなければならない事項が激減します。
中小企業にとっては、別表15は最も簡単に作成できる書類の一つで、誰でも簡単に作成できるので安心してください。
数多くの税務調査を国税調査官として行ってきた経験を持つ私が、重要ポイントは押さえながらメリハリをつけてわかりやすく解説します。

繰り返しますが、この記事は中小規模の会社の法人税の申告を自力で行う方向けの記事です。

※この記事で中小企業という場合は、資本金(出資金)1億円以下の普通法人(資本金または出資金の額が5億円以上の法人等の100%子法人を除く)を指します。
判定の仕方を国税庁が公表していますので、詳しくはこちらをご覧ください。

別表15がどのくらい簡単かを最初に理解していただくために、多くの中小企業が別表15を作成したときにどのようなものになるか記載例をお示しします。

一般的な中小企業が作成する別表15の記載例
一般的な中小企業の法人税申告書 別表15記載例

どうでしょう?
全然難しくなさそうですよね?
その印象どおり中小企業にとっては、まったく難しいものではありません。

ほとんどの中小企業がこれでOK!かんたん別表15の書き方

実は中小企業の場合は、交際費として経理した金額が年間800万円以下なら

  • 次の図の赤い枠で囲まれた欄に支出した交際費の金額を記載
  • 緑の枠で囲まれた欄に「0」と記載

これで完成です。

交際費の支出額が1,500,000の例
法人税申告書別表15の書き方

ものすごく簡単ですよね。
ほとんどの中小企業はこの説明を聞いただけでもう別表15を完成させられます。

しかしながらこれだけでは、本当に正しい申告なのか不安を覚えると思いますし、これでは間違ってしまう中小企業も僅かながらありますので、別表15についてこれから詳しく解説していきます。

それでは、法人税の確定申告をするのになぜこの別表15を作成しなければならないのか。
つまり別表15の役割から確認していきたいと思います。


目次

1 別表15(交際費等の損金算入に関する明細書)とは

別表15の役割を理解する上で、先に知っておかなければならない事項があります。
それが、法人税法特有の交際費制度についてです。

1-1 税務上の交際費の特徴

実は法人税法では、交際費を無条件に損金にすることができません。

損金というのは何かということを簡単に説明すると、法人税の税額は次のような算式で計算されます。

① 益金 ー 損金 = 所得金額
② 所得金額 × 法人税率 = 法人税額

①の益金は、会計の収入と概ね一致し、損金は、会計の費用と概ね一致します。
損金にできないということは、次のようになります。
益金から差し引く金額が少なくなる所得金額が増える税額が増える。

会計帳簿に交際費と経理したとしても、必ずしもそれが法人税法上の損金になるとは限らないという点を抑えましょう。

損金について、よくわからないという方は、税務上の交際費を理解することができませんので、次の記事で理解してからまた戻ってきてください。法人税を理解するには必須の知識です。

1-2 別表15の役割

交際費にはこのような特徴があるがゆえに

別表15の役割
別表15によって損金に算入されない交際費の金額を計算する必要がある。

つまり、交際費と経理した金額のうち、損金に算入されない金額を計算するために別表15はあるのです。

法人税では、損金に算入できる交際費の金額が決められています。
それを別表15で計算します。
別表15で損金算入できる金額を算出し、それを超えている金額があったら損金不算入の金額として別表4で所得金額に加算することになります。(後ほど説明します。)

コラム「なぜ、法人税法では交際費の一部が損金不算入となるのか?

本来であれば、事業のために使った経費である交際費は、使途が明確であれば、「損金」として認められるべきです。
しかし、現在の税法において、交際費は「損金不算入」となる部分があります。大企業では基本的には大部分が損金不算入となります。

この理由としては、現在の日本では、法人の所得に対して、税率を掛けて税金を算出しますが、大企業等の法人に係る税額は所得に対して約40%程にもなります。

会社としては、利益を多く出すことは、それに対する税金が多くなることを意味します。そうであれば、経費をできるだけ計上することで、利益を抑えようと考えがちです。

その考え方が、正しい方向に行けば、利益がたくさん出るのであれば、設備投資や社員への給与など支出することで解決できます。
ですが、会社の中には、税金を納付するくらいなら豪華な食事や旅行などの会社の業務や業績とはあまり関係のない費用を経費とする考え方をするものも出てきます。
このため、設備投資や従業員の給与を上げることは、会社の業務に深く関係し、健全な使い道であれば、税法上も損金となりますが、社長や役員、従業員の無駄遣いになる可能性がある交際費については、政策的理由でこのような取り扱いとなっています。

別表15がどのような書類かがわかりました。
次に別表15に記載しなければならない交際費等とはそもそもどのようなものか?
これを確認していきましょう。

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2 法人税法上の交際費等とは

皆さんは交際費と聞くと、どのようなものをイメージしますか?

恐らくは、取引先に対する飲食やゴルフなどの接待費用、または、お中元やその他の贈り物を送るための費用などを一般的に交際費と考えるのではないでしょうか。

しかし、これら一般的に呼ばれている交際費と法人税法上の交際費とは少し違いがあります。

実は、税務上の交際費の方が、一般的に呼ばれている交際費よりも範囲が広いということです。
次のようなイメージです。

別表15 書き方 税務上の交際費とは

一般的には交際費と思われていないものであっても、税務上においては別表15に記載すべき交際費等になるということは多々見受けられます。

例えば、一般的には福利厚生費と思われる社内の者どうしで飲食を行った場合の費用は、法人税法では交際費等になることが多い傾向にあります。
また、新規顧客の開拓のために、取引先ではない方に対する謝礼や情報提供料なども一般的には交際費と思わないようなものでも、税務上においては交際費となるのです。

では、法人税法上で交際費等に該当するものはどのような要件があるのでしょうか。

2-1 法人税法上の交際費等となるものとは

次の3つのすべてに該当していれば基本的に税務上の交際費等となります。したがって会計帳簿にも交際費として経理します。

税務上の交際費になる3要件

  • 交際費等を支出した相手先が、会社の事業に関係する者に対するものであること。
  • 交際費等を支出した目的が相手の気を引き、事業をうまく行うためのものであること。
  • 交際費等の行為の内容が、接待、供応、慰安、贈答であること。

それではこの三つの要件について、簡単に見ていきましょう。

⑴ 相手先が、会社の事業に関係する者に対するものであること

この事業に関係する者というのは、会社の売上先、仕入先及び外注先などの直接、取引に関係する者以外にも、会社の役員や従業員、株主なども会社の関係者とみなされます

一見、会社の従業員等への飲食費の支出は、福利厚生費等の科目になりそうですが、多くの場合交際費になります。

⑵ 支出した目的が相手の気を引き、事業をうまく行うためのものであること

交際費を支出する上で、なんの目的もなく接待等を行うことはあり得ないことでしょう。

税務上の交際費の支出の目的は、事業を円滑に進めていくことを期待して支出したものである必要があります。

どういうことかというと、例えば取引先等の関係がより良くなり、取引が円滑に行えるようなることや、相手が喜ぶことを行い、仲が良くなるということです。

⑶ 交際費等の行為の内容が、接待、供応、慰安、贈答であること

税法において、交際費というのは、接待、供応、慰安、贈答その他の類似する行為のための支出であるされています。

その行為の内容が、

  • 接待「もてなすこと」
  • 供応「食事をもってもてなすこと」
  • 慰安「慰め、労うこと」
  • 贈答「物を贈ること」

であれば、税務上の交際費となるということになります。

悩む会社員 新米一人社長

なんか難しそう。
法人税法上の交際費かどうかをいちいち判定しなくちゃならないの?

実は、実務において多くの中小企業では、別表15に載せるべき交際費等が何かについては適当で構いません。つまり、前述の3要件に該当していると思われる支出を交際費にしておけばOKです。とにかくこのような支出が交際費になるんだということを理解し、経理してください。
こんなことを言う解説書は一冊もないでしょうが、国税調査官の視点からするとそうなります。
なぜ適当でいいかというと、法人税法では交際費等について次の制度があるからです。

弁護士 元国税調査官

2-2 中小企業特有の交際費等の損金算入制度

冒頭で強く言います。

多くの中小企業にとって、交際費等は法人税申告の上で特に意識するようなものではない。

それはなぜか?

中小企業特有の交際費等の損金算入制度
中小企業※に限っては、交際費等の支出額のうち年間800万円までは損金に算入される

※繰り返しますが、この記事で中小企業という場合は、資本金(出資金)1億円以下の普通法人(資本金または出資金の額が5億円以上の法人等の100%子法人を除く)を指します。

年間800万円というのは正確には、次のように計算します。

800万円 × ※当期の月数/12
※当期の月数…暦に従って計算し、1月未満の端数は切り上げます。
つまり、設立初年度や解散する年度でなければ当期の月数は12になるので、800万円×12/12=800万円になります。
設立初年度で2022.3.12〜2022.12.31の場合は、10ヶ月となり、800万円×10/12という計算をします。

別表15でいうところの次の部分がこれに該当します。

中小法人等の定額控除限度額

損金に算入できるこの年間800万円の金額を「中小法人等の定額控除限度額」と呼びます。(覚える必要ありません。)

なぜ多くの中小企業が税務上の交際費等に該当するかを考えなくていいのか

年間800万円もの金額まで交際費等が損金に算入される(普通に経費として認められる)ということは、多くの中小企業は、800万円もの金額を交際費に当てていないでしょうから、法人税法上の交際費等に該当するかどうかなど考える必要はありません。

例えば、自社で経理した交際費の金額が200万円だったとします。
福利厚生費の中に本来交際費とすべき金額が100万円あったとします。本来は、200万円+100万円で交際費は300万円とすべきでした。
しかしながら、800万円までは損金に算入されますから交際費の判定を100万円誤りましたが、損金は損金でまったく所得金額は変わりません。

つまり、交際費の金額が年間で800万円を超えなければ、その判定をいくら間違えても法人税の所得金額には一切関係がないということです。

 このことから法人税法上の交際費等を処理する上では次のフローで考えればよいと言えます。

法人税の交際費等に対する対処法選定フロー

今お話ししているのは、上の図の青いところです。

交際費の支出が年間800万円に全然満たない場合は、「この支払いは福利厚生費ではなく交際費だ」などと考えることなく、何も考えずに自社が交際費として経理した金額に基づいて別表15を作成すればOKです。

交際費の支出が年間800万円に全然満たない方は、別表15の書き方へ移ってしまって構いません。

交際費の支出が年間800万円に近い方や超えるのが確実という方は、次の論点を知っておく必要があります。

  • 税務上の交際費等の区分を正しく行う
  • 一人当たり5,000円以下の接待飲食費を把握する

一つずつ確認していきましょう。
まずは、法人税法上の交際費等の区分を正しく行うところから始めていきます。

2-3 法人税法上の交際費等の区分を正しく行う

法人税法では、前述のとおり次の3つの要件にすべて該当している支出が原則交際費等として別表15に載せる必要がありものになります。

  1. 交際費等を支出した相手先が、会社の事業に関係する者に対するものであること
  2. 交際費等を支出した目的が相手の気を引き、事業をうまく行うためのものであること
  3. 交際費等の行為の内容が、接待、供応、慰安、贈答であること

これに該当すれば、原則交際費等となり、会社がどのような科目で経理しているかを問いません。

2-3-1 会社の経理した勘定科目に関係ない

会社が交際費ではない勘定科目で経理していても、法人税法上の交際費等である場合は、別表15に載せて損金不算入額の計算をする必要があります。

例えば、社内での飲み会を考えたいと思います。
社内での飲み会を福利厚生費として経理できる費用は、措置法通達61の4(1)-10で次のように示されています。
(通達というのは、人によって解釈が変わりそうな法律などに対して、その担当省庁が統一した見解を公表するものです。)

創立記念日、国民祝日、新社屋落成式等に際し従業員等におおむね一律に社内において供与される通常の飲食に要する費用

かなり範囲が狭いと考えられます。
外のお店でする飲み会はほとんど交際費と考えられます。
このように社内での飲み会を「福利厚生費」として経理していたとしても法人税法上の交際費等とされることがあるという点に注意が必要です。

2-3-2 法人税法上の交際費等となる具体例

前述のとおり、税務上の交際費というのは、簡単にいうと、「会社に関係ある者に対して、事業がうまくいくように、接待や贈り物などを行うための支出」のことです。

その具体例として「交際費に含まれる費用」として、国税庁が措置法通達61の4(1)-15で具体例を示してくれています。
そこでは以下のような例を挙げています。

  1. 会社の何周年記念、社屋新築記念等における宴会費、記念品代等
  2. 下請工場、代理店等となるため、又はするための運動費
  3. 得意先、仕入先等社外の者の慶弔、禍福に際し支出する費用
  4. 得意先、仕入先等事業に関係ある者を旅行、観劇等に招待する費用
  5. 得意先、仕入先等の従業員に対して取引の謝礼等として支出する費用
  6. 得意先、仕入先等社外の者に対する接待、供応に要した費用で、次の⑵に該当しない全ての費用

2-3-3 法人税法上の交際費等から除外されるもの

逆に税務上の交際費の要件の3つに当てはまっていても、交際費等から除かれる費用があります。
それは、主に次の3つの支出となります。

  1. もっぱら従業員の福利厚生のための運動会や旅行等に通常要する費用
  2. 接待飲食費のうち、一人当たり5,000円以下のもの
  3. その他、交際費から除外されるもの

一つ一つ見ていきましょう。

もっぱら従業員の福利厚生のための運動会や旅行等に通常要する費用とは

主要な目的が従業員の慰安のための旅行や運動会で発生する通常要する費用については、交際費ではなく、福利厚生費となります。

しかし、通常要する費用とされているように、一般的な会社が常識の範囲で使用する金額については認めているというものです。
このため、常識の範囲外とされた場合、その超えた部分がその従業員等の給与とされて課税されることになります。

接待飲食費のうち、一人当たり5,000円以下のもの

接待のため、取引先に対して食事を提供した際の費用は、原則的に交際費となりますが、交際費のうち、接待の主たる行為が飲食であれば、この飲食費のうち一人あたり5,000円以下のものの場合、交際費に含まなくてもよいことになります。

この一人当たり5,000以下の接待飲食費の制度の概要等は、後ほど詳しく解説します。

その他、交際費から除外されるもの

次に掲げるものは、通常要する費用であれば、交際費の額から除くことできます。

  1. 広告宣伝のためのカレンダ-や手帳等の作成費用
    →金額が少額で、贈答目的が広告宣伝又は、慣習的なものであれば、交際費から除きます。
  2. 会議に関連してお茶菓子や弁当程度のもてなしをする費用
    →飲食の主たる目的が会議であると明確なものは、交際費から除きます。
  3. 出版、放送のための取材費等の費用
    →取材のために、情報収集の観点で行われた交際費については、交際費から除くことがあります。
このように法人税法上の交際費等は、福利厚生費や広告宣伝費、給与、値引き割り戻しと経理されるものと似た性質を持つケースがあります。
交際費等はすべて損金に算入されるわけではないので、損金不算入になる金額がある場合は、この区分を厳密に行わないと所得金額が変わってくる可能性があります。
したがって、中小企業で交際費と思われる支出が年間800万円に迫るまたは超える恐れがある場合は、この区分を厳密にする必要があります。

この交際費等になるかどうかの判定は難しい(グレーゾーンである)ことも多いので、国税庁はその判定基準を通達という形で公表しています。
この区分を厳密にする必要のある場合は、次の国税庁の通達を見て判断の参考にしてください。

第61条の4 《交際費等の損金不算入》 関係 第1款 交際費等の範囲

続いて、交際費の支出が年間800万円に近い方や超えるのが確実という方がするべき2つ目の事項「一人当たり5,000円以下の接待飲食費を把握する」について解説します。

2-4 一人当たり5,000円以下の接待飲食費を把握する

なぜ一人当たり5,000円以下の接待飲食費を把握する必要があるのか?

それは、次の理由からです。

接待飲食費の5,000円基準
1人当たり5,000円以下の接待飲食費については、一定の要件を満たす場合は損金に算入することができる

年間800万円を超える場合は、この接待飲食費は法人税法で損金不算入の計算を行うべき交際費等から除外できるので、支出額が800万円を超えていても損金に算入できる部分があるからです。

図解するとこのようなイメージです。

5000円基準飲食費を把握する場合と把握しない場合の比較 交際費等損金不算入

逆になぜ交際費の支出が年間800万円に全然満たない方がこれをやらなくてよいかといえば、接待飲食費を含めても年間800万円に達していないのだから、この5,000円基準を使わなくてもどうせ全額損金に算入されるからです。やるだけ時間と労力の無駄ですよね。

弁護士 元国税調査官

この制度を利用できるのは、資本金の額等に関係なく、すべての会社が対象となります。

一人あたりの接待飲食費の金額の計算は、接待飲食費で使った金額の総額を、飲食に参加した人数で割ることで計算します。

接待飲食費の総額 ÷ 飲食に参加した人数=一人あたりの接待飲食費の金額

簡単な計算例は以下の通りです。

接待飲食費の金額:50,000円
参加人数:10人

一人あたりの接待飲食費の金額の計算
50,000円÷10人=5,000円

一人あたりの接待飲食費の金額は、5,000円となる。
5,000円であれば、接待飲食費の一人あたりの金額が、5,000円以下ということになり、飲食費に要した50,000円の全額を損金算入とすることができます。

それでは接待飲食費とは具体的にどのような支出なのか?一定の要件とはどのようなものか?
これらを確認していきましょう。

接待飲食費とは

接待飲食費とは

接待飲食費とは、交際費のうち、飲食に要する費用又は飲食に類する行為のことを指します。

「交際費のうち」というのが重要です。

接待飲食費に該当するかどうか、まず交際費に該当するのかどうかを検討する必要があります。

また、「飲食に要する費用又は飲食に類する行為」とあります、これは一般的な飲食費用と比べて、税務上の接待飲食費の方が、該当する範囲が広いことを意味しています。

一般的な飲食費用は、飲食店に支払う食事代を思い浮かべますが、税務上の接待飲食費というのは、食事代のほかに、例えばテーブルチャージや会場費、お土産代などのこれに含めます。

税務上の接待飲食費の例

  • 飲食店への食事代
  • サービス料やテーブルチャージ料
  • 飲食店を利用後に、購入したお土産代
  • 飲食に伴う、会場費等(VIPルーム料等)

上記の例のように、一般的には飲食費と思えないようなものも、「税務上の接待飲食費 」に該当しますので、注意が必要です。

逆に接待飲食費に該当しないものも、見ていきましょう。
ここで、注意したいのは、接待飲食を行うために直接必要な費用であるのか、また、飲食を行うことが主たる目的なのかが問われます。

接待飲食費に該当しないケース

  • 接待のためのタクシー送迎費用
    接待を行うために、会場まで接待する相手をタクシーで送迎するような場合、このタクシー代は接待飲食費には該当しません。
    理由としては、タクシー代は、送迎という行為へ対価であり、接待飲食を行うための直接的な費用ではないためです。
  • 接待ゴルフや旅行に伴う飲食費用
    接待のためのゴルフや旅行において、飲食を行った場合の費用については、接待飲食費には該当しません。
    理由としては、接待の主たる目的がゴルフ、旅行であるためです。あくまで、飲食を主たる目的である場合にのみ、接待飲食費とすることができません。
    なお、ゴルフ、旅行の工程が終わったのち、有志で飲食を行った場合については、ゴルフ、旅行とは切り離されたものと判断し接待飲食費とすることができます。
  • 得意先等への食品の贈答
    得意先に対して、食品(ビール、ハムの詰め合わせ、焼き肉のギフト等)を贈った場合の、食品購入費用、送料は、接待飲食費に該当しません。
    理由については、一見「飲食に類する行為」となりそうですが、賞味期限が長いものや、食品を消費するまでに時間が掛かるものを贈ることは、お歳暮やお中元を贈ることと相違ないため、接待飲食費とすることはできません。
    なお、お弁当やその他差し入れなど、短い時間にて消費することが出来る、消費しなければいけないようなものは、接待飲食費とすることができます。

なお、交際費に該当する飲食費であっても、会社の役員や従業員だけの飲食の費用は接待飲食費に該当しません。
自社の役員、従業員だけで食事した費用なのか、取引先を伴った飲食なのかを必ず区分する必要があります。

5000円基準を適用できる要件

この5,000円基準の適用を受けるには、1人あたりの接待飲食費が5,000円以下であったことを証明する書類の保存が条件となっています。

保存を要する書類に記載する必要のある事項は以下の通りです。

  • 飲食等のあった年月日
  • 飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係のある者等の氏名又は名称及びその関係
  • 飲食等に参加した者の数
  • その飲食等に要した費用の額、飲食店等の名称及び所在地

これらの内容のほとんどは、レシートや領収書に記載がありますが、「参加取引先名と参加人数」は記載されていないので、必ずレシート等に記載してください。

この5000円基準を使って接待飲食費を損金に算入している場合は、税務調査において、「参加取引先名と参加人数」が記載の有無を確認することは、当然にありえます。

弁護士 元国税調査官

また、1人あたりの接待飲食費が5,000円を超えた場合は、超えた部分が損金不算入となるわけではなく、その接待飲食費の全額が損金不算入となりますので間違いないようにしましょう

もう一つ注意すべき事項として、繰り返しますが「社内飲食費」については、5,000円基準を適用することができません。

従業員だけでなく取引先も招待して行われる社内行事の飲食費は、従業員の分も含めて接待飲食費として損金に算入することができません。

交際費の支出が年間800万円に近いケースや超えるのが確実というケースにおいて行うべき事項を2つ解説してきました。
普通の中小企業であれば、ここまでで99%の法人税法上の交際費等の処理は完了すると思われますが、大企業を想定してもう一つ制度がありますので、触れておきます。

「法人税の交際費等に対する対処法選定フロー」で図解した接待飲食費が1,600万円を超えるケースです。
このケースは、一人当たり5,000円に限らずすべての接待飲食費を把握する必要があります。

逆にそれ以外の会社は損金に算入できる金額は変わらないため、やっても無駄なのですべての接待飲食費を把握するというこてゃ絶対にしないでください。

弁護士 元国税調査官

2-5 接待飲食費のすべてを把握する(接待飲食費の50%損金算入について

支出した接待飲食費の金額の50%相当額を損金とすることできる制度があります。
これを「接待飲食費の50%損金算入制度」と呼びます。(覚える必要ありません。)

この接待飲食費の50%を損金にできる制度の適用を受けるには、接待飲食費のであることを証明する書類の保存が条件となっています。

保存を要する書類に記載する必要のある事項は以下の通りです。

  • 飲食等のあった年月日
  • 飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係のある者等の氏名又は名称及びその関係
  • その飲食等に要した費用の額、飲食店等の名称及び所在地

前述の「5,000円基準」と同様にレシート、領収書を保存し、それらの書類の余白に飲食等に参加した得意先名等を記載してください。

中小企業のみ適用可能な「定期控除限度額制度」と接待飲食費の50%損金算入制度の併用は不可能です。
つまり、いずれかの制度を選択し、適用する必要があります。

「接待飲食費の5,000円基準の損金算入制度」との併用は可能です。

このため、中小企業が、接待飲食費の50%損金算入制度の規定を利用して税務上の有利となるのは、交際費に該当する接待飲食費だけで1,600万円超の金額を支出したときのみということになります。

交際費に該当する飲食費用だけで1,600万円超える場合は、この接待飲食費の50%損金算入制度の規定を利用することで、税金が得になります。
そのような中小企業はたいへん稀でしょう。

2-6 法人税法上の交際費等のその他の注意点(交際費に係る控除対象外消費税額について

消費税の計算において、原則として仕入等で支払った消費税の控除することが可能です。
しかし、課税売上高が5億円超又は課税売上割合が95%未満の事業者の場合には、課税仕入れのに対する消費税額のうち、仕入税額控除できない部分が生じます。
この部分のことを「控除対象外消費税額等」と言います。

「控除対象外消費税額等」というのは、消費税の計算において、仕入税額控除ができないというだけで、法人税の計算上は、全額損金とすることが出来ます。
しかしながら、交際費にかかる「控除対象外消費税等」については、交際費として集計し、「交際費」の損金不算入額の計算を行う必要があります。

控除対象外消費税額等が生じるケースについては「税抜経理」で「課税売上高が5億円超又は課税売上割合が95%未満の事業者」にのみ関係する事項です。

このほかに、簡易課税を選択している場合にも、控除対象外消費税額等が生じるケースがあります。

なお、交際費等に係る消費税等の処理については、国税庁HPにて下記のように説明しています。

税抜経理方式を選択適用している場合には、消費税等は仮払消費税等として経理され、消費税等抜きの価額を交際費等として計上しますので、その消費税等抜きの交際費等の額を基に損金不算入額を計算します。
ただし、その事業年度において、課税期間中の課税売上高が5億円超又は課税売上割合が95%未満となったときに、仕入税額控除ができなかった消費税等の額(以下「控除対象外消費税額等」といいます。)がある場合には、消費税等抜きの交際費等の合計額に、交際費等に係る消費税等の額のうちその控除対象外消費税額等の額に相当する金額を加えた額を交際費等の額として、交際費等の損金不算入額を計算します。

No.6917 交際費等の損金不算入額を算出する場合における消費税等の取扱い


3 別表15(交際費等の損金算入に関する明細書)の書き方

別表15の役割は、交際費等のうち損金に算入できる金額を計算し、結果的に損金不算入となる金額を導き出すということでした。

これまで解説してきた交際費等の法人税法上の取り扱いをどのように適用するかを別表15で表現します。

最終的に損金不算入額が発生した場合には、法人税の申告書別表4に加算項目として転記することになります。(9割以上の中小企業は損金不算入額は出ませんので、多くの場合この処理は不要ですが。)

別表15を書くために必要な書類は、基本的に「決算書」のみです。
決算書に計上されている「交際費」の金額を基に別表15を作り上げていきます。

それでは、別表15の記載例をみてしまいましょう。
記載例から全体的なイメージを持ってもれえればと思います。

別表15 書き方 

3-1 別表15を書くための4つのSTEP

別表15の全体的なイメージがわかっていただいたところで、設例を使って、別表15を実際に書いていきたいと思います。

別表15は次のようなSTEPで作成していきます。

別表15を書くための4つのSTEP
STEP1 法人名と事業年度の記入を行う。
STEP2 支出した交際費の整理をする。
STEP3   交際費のうち、損金となる金額を算出する。
STEP4 交際費のうち、損金不算入額を算出する。

中小企業で一番多いケースである「定期控除限度額」制度を適用した場合の書き方を説明していきます。

㈱一色ジャパンの当期における交際費勘定の支出額については、以下の通りである。
なお、㈱一色ジャパンの中小企業に該当する。

交際費 4,000,000円

まず前述のフローを見ます。

法人税の交際費等に対する対処法選定フロー

今回の例は、「交際費の支出が年間800万円と比べてどうか」は400万円なので「全然少ない」ですね。

その場合は、「何も考えずに別表15を作成」になるので、接待飲食費がどうとか、他の勘定科目に税務上の交際費等があるかどうかの判断は不要で、何も考えずに4つのステップを踏んで別表15を書いていきます。

【STEP1】法人名と事業年度の記入を行う

法人名と事業年度を記入します。
損金不算入の計算の前に必ず記入しましょう。
別表には、必ず法人名と事業年度を記載する箇所があります。

別表15 書き方 交際費

【STEP2】支出した交際費の整理をする

次に支出した交際費の金額について、整理していきます。
別表15は「支出交際費等の額の明細」(「科目」+6〜9)欄から書いていきます。

①「科目」欄を記入する

別表15「支出交際費等の額の明細」科目欄

この欄は、税務上の交際費を支出した場合に何の勘定科目で経理したかを記載します。
この欄を見たときに、交際費以外の勘定科目をすべて書くのかと思い、困惑する方もいらっしゃるかもしれませんが、そうではありません。
これまで説明したとおり、会計上は勘定科目を「交際費」としていなくても「税務上の交際費」となるものがあります。その場合は、その勘定科目を記載します。
例えば、得意先への差し入れのための費用が「会議費」と計上していたとしたら、会議費と経理していたとしても「税務上の交際費」に該当しますので、その場合は、科目欄に「会議費」と記載します。

しかし今回の例は支出額が800万円に全然満たないので、「科目」欄については「交際費」とだけ記載するで大丈夫です。(実際は別表15には予め「交際費」と最初の行に印字されているので、何も記載する必要はありません。)

なぜなら、もし他の勘定科目で経理したもののうち交際費等に該当するものが仮にあったとしてもその額を足して年間800万円を超えなければ何も問題がないからです。

② 「支出額(6)」欄を記入する

別表15「支出交際費等の額の明細」支出欄

「支出額(6)」欄に、その勘定科目の支出した合計金額を記載します。
こちらに記載する金額は、用意している「決算書」に表示されている金額になります。

③「交際費の額から控除される費用の額(7)」欄を記入する

別表15「支出交際費等の額の明細」交際費の額から控除される費用の額

「支出額(6)」欄の金額のうち、交際費に該当しないものがある場合は、その金額を「交際費の額から控除される費用の額(7)」欄に記載します。
今回の例では税務上の交際費かどうかの判定をしませんので、「0」が入ります。
本来は、例えば会議費と経理したものが50万円あったとして、その中の5万円が税務上の交際費等であったとすると、税務上の交際費等でない45万円がこの欄に入ります。

なお、接待飲食費の5,000円基準が適用される金額も7欄に記載します

④「差引交際費等の額(8)」欄を記入する

別表15「支出交際費等の額の明細」差引き交際費等の額

「支出額(6)」欄と「交際費の額から控除される費用の額(7)」欄の差額を「差引交際費等の額(8)」欄に記載します。

⑤「(8)のうち接待飲食費の額(9)」欄について

別表15「支出交際費等の額の明細」(8)のうち接待飲食費の額
9欄は、接待飲食費の50%損金算入制度の適用の際に使用する欄です。
今回の例では、中小企業のため、「定額控除限度額」を利用した方が有利のため、使用しません。

⑥ 各列の計を記入する

交際費等に該当する勘定科目について①から⑤の記載がすべて済んだら「計」欄に各列の合計を記載します。

別表15「支出交際費等の額の明細」合計欄

今回の例では、交際費だけなので、交際費の行と同じ数字が各列の「計」の行に入ることになります。

⑦ 「差引交際費等の額(8)」の「計」の値を「支出交際費等の額(1)」に転記する

「差引交際費等の額(8)」の「計」欄に記載した金額を「支出交際費等の額(1)」に転記します。

別表15「支出交際費等の額の明細」支出交際費等の額へ転記

【STEP3】支出した交際費のうち損金となるものを算出する

次に交際費のうち、損金となるものについての記載となります。
中小企業が適用できる定額控除限度額制度(800万円)と接待飲食費の50%損金算入制度の二つを計算し、より多くの交際費を損金算入できる有利な方を会社が選択し、適用することになります。

①「支出接待飲食費損金算入基準額 (2)」欄を記入する

別表15「支出交際費等の額の明細」支出接待飲食費損金算入基準額へ転記


別表15の最下部の「支出交際費等の額の明細」の「⑻のうち接待飲食費の額(9)」欄の「計」欄に50/100を乗じて計算します。
今回の例では、支出額が年間800万円に全然満たないので0としています。そのまま0を転記ます。

②「中小法人等の定額控除限度額(3)」欄を記入する

別表15「支出交際費等の額の明細」中小法人等の定額控除限度額

次の2つの値を比較して少ない金額を記入します。

  • 「支出交際費等の額(1)」欄の金額
  • 800万円 × ※当期の月数/12

※当期の月数…暦に従って計算し、1月未満の端数は切り上げます。

今回の例で3欄に入る値を整理すると次のようになります。

「支出交際費等の額 1」欄4,000,000
当期の月数R4.1.1〜R4.12.31→12ヶ月
⑴の金額と800万円×当期の月数/12の比較8,000,000(8,000,000×12/12) > 4,000,000
「中小法人等の定額控除限度額 3」欄4,000,000

③ 4欄「損金算入限度額」を記入する。

別表15損金算入限度額

2欄と3欄を比較して多い金額を4欄に記入します。
ここが、当期の交際費等のうち、損金算入できる交際費等の金額となります。
今回の例では、0(2欄の金額)<4,000,000(3欄の金額)となりますので、4,000,000を記入します。

STEP4】支出した交際費のうち損金不算入額を算出する

最後に、STEP2で算出した1欄「支出交際費等の額」からSTEP3で算出した4欄「損金算入限度額」を差し引いた金額を「損金不算入額(5)」欄に記入します。

別表15損金不算入額

5欄には、1欄「支出交際費等の額」から4欄「損金算入限度額」を差し引いた金額を記入します。
今回の例では、4,000,000(1欄) ー 4,000,000(4欄) = 0となりますので、0と記入します。

なお、もし損金不算入額が発生した場合には、次のように別表4の「交際費等の損金不算入額(8)」欄に別表15の「損金不算入額(5)」欄の値を転記します。

5欄が「0」であった場合は、加算するものがありませんので、別表4の8欄には無記載となります。

別表4の書き方について、詳しく知りたい方は、別表4について解説した記事がありますので、参考にご覧ください。

別表4とは?から書き方まで税理士が0から解説|誰でもわかるパズル式

ここまでが別表15の書き方になります。
これまでのところで別表15を作成することができるようになっていると思いますが、今回の書き方の例以外にも別表15のバリエーションがありますので、それらを紹介していきたいと思います。
ご自身の申告内容と同じ記載例を参照することで、不安が軽減されると思います。
是非ご自身が作成した別表15と照らし合わせてもらって最後の見直しに使用していただければと思います。

3-2 ケース別法人税の別表15の記載例

ここでは、前章の書き方の設例とは異なった実務でありうるであろう様々な別表15の記載例を挙げていきたいと思います。

中小企業であれば、これから挙げるパターンの書き方を知っていれば、別表15を完成させることができるでしょう。

なお、これから挙げる例題の会社はすべて中小企業とします。

3-2-1 損金不算入額があるケース

最初の例は、当期の交際費が少額だった場合の別表15の記載例となります。

当期で支出した交際費の額 9,000,000円

接待飲食費の額 0円

年間800万円を超えた金額が損金不算入額になります。
別表4において、所得加算の必要があります。

3-2-2 接待飲食費の5,000円基準がある場合

次の例題は、交際費の支出額(6欄)が、900万円ですが、交際費の額から控除される費用の額(7欄)が150万円であることから、差引交差費等の額(8欄)が750万円となり、定額控除限度額を超えていないパターンです。

当期で支出した交際費の額 9,000,000円

接待飲食費                  1,500,000円
接待飲食費のうち (一人5,000円以下のもの) 1,500,000円

この例も損金不算入額(5欄)が「0」であるため、所得の加算はありません。

別表15 記載例 交際費 定期控除限度額

3-2-3 定期控除限度額より50%損期算入が有利となる場合

次は、中小企業の定額控除限度額制度を適用するよりも、接待飲食費の50%損金算入を適用した方が有利となるパターンです。

接待飲食費の金額が、1,600万円を超えた場合、50%損金算入制度を適用した方が有利となります。

当期で支出した交際費の額 30,000,000円

接待飲食費                  21,500,000円
接待飲食費のうち (一人5,000円以下のもの) 1,500,000円

この例の場合、損金不算入額(5欄)が「18,500,000」であるため、別表4において、所得加算の必要があります。

別表15 記載例 交際費 50%損金算入制度

3-2-4 交際費が他の勘定科目に計上されている場合

交際費以外の勘定科目に、税務上の交際費があった場合の別表15の書き方です。

今回の例では、福利厚生費750万円のうち、150万円が交際費であった場合であるため、「科目」の2段目に「福利厚生費」と記載され計算しています。

例題内容

当期で支出した交際費の額(交際費勘定)      10,000,000円
当期で支出した福利厚生費の額            6,000,000円
(福利厚生費のうち、税務上の交際費に該当する金額  1,500,000円)

接待飲食費のうち (一人5,000円以下のもの)  3,000,000円

この例題の場合、損金不算入額(5欄)が「500,000」であるため、別表4において、所得加算の必要があります。

別表15 記載例 交際費 他勘定科目

別表15の具体的な書き方という面では、解説はここまでになります。
ここまでの解説で不明な点がある場合は、国税庁が公表している別表15の記載の手引きを公開していますので、こちらも参考にしてみてください。

令和3年版 法人税申告書・地方法人税申告書の記載の手引 別表15 国税庁

3-3 もっと早く正確に法人税の別表15を作成する方法

別表15の書き方では、支出した交際費の整理から始まり、その支出した交際費から損金となる交際費を差し引いて損金不算入となる交際費を計算するなど、面倒なことが多い。また、計算ミスや転記ミスが不安だ。このように感じる方がいるかもしれません。
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【手書きと全力法人税利用の比較】
別表15 書き方 交際費

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ここからみなさんに実際に全力法人税を使ってより早く、より正確に別表15を完成させる方法を紹介します。

 全力法人税にログインする

全力法人税は、クラウドソフトであるため、アカウントを作成して、ログインする必要があります。

全力法人税ログイン画面はこちら

 トップ画面で「申告書を作成する」を選択する

全力法人税トップ画面(交際費の損金不算入の計算)

❸ 基本情報を入力後「保存」して「次へ」を選択する

法人名や決算期等の法人の基本的な情報を入力してください。所要時間5分程度

別表15の作成のみであれば、申告書に表示される「法人名」欄だけ正確に入力しておけば、残りの必須部分は適当な文字を入力しておけばOKです。

全力法人税基本情報登録画面(交際費の損金不算入)

「株主(社員)名簿」は別表2を作成するために必要な画面なので、別表15のみ作成できればいいという場合は「次へ」ボタンでとばしてください。

❹ 「申告情報」を入力後「保存」して「次へ」を選択する

作成を行う申告書の情報を入力してください。所要時間5分程度

別表15 書き方 全力法人税

❺ 「支出交際費等の額の明細」画面で支出した交際費の金額等を入力する。

メニューバー「申告書」>「別表15」画面に移ります。
ここが交際費の損金不算入額を計算を行うための画面になります。

入力フォームの「科目」、「支出額」、「交際費等の額から除外される費用の額」、「(A)のうち接待
飲食費の額」を入力してください。

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会計データを取り込んでいる場合には、科目を選んだ瞬間に「支出額」に自動で決算書の値が表示されます。

全力法人税 別表15 作成方法

入力が終わったら「保存」ボタンを押します。

 別表15を出力する

全力法人税 別表15 作成方法

次のように印刷されます。

別表15 記載例

全力法人税 別表15 作成方法 

以上で別表15が完成しました。
この例では、損金不算入額が1,000,000円算出されていますが、別表4に自動で転記されています。
転記漏れもありませんし、転記しなければならないということを知らなかったとしても正しい申告書を作成することができます。

記事を作成するために別表15を全力法人税で作成しましたが、簡単すぎて説明するところが本当に少ないです。

このように全力法人税を使用して法人税の別表を作成するとかなり効率的にそして転記漏れもありませんので正確に作成できます。

無料版で出力できない申告書も画面で確認できる場合がありますので、全力法人税で作成したものをe-Taxソフトに入力したり、申告書に手書きで写す方法でも何もないところから申告書を作るよりずっと効率的に作成できます。

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4 法人税申告書 別表15のまとめ

ここまで解説してきたことを簡単に振り返ります。

法人税の申告書である別表15とは、交際費の損金不算入額を算出するための申告書類です。

なぜ別表15が必要になるかというと、法人税法上の交際費等には次のような特徴があるためです。

  • 法人税法で規定されている交際費等が、一般的な認識されている交際費に限らない
  • 交際費等の支出額すべてが損金に算入されるわけではない

中小企業の場合は、次の3つの金額について損金に算入することができました。

  • 年間800万円までの金額
  • 一人当たり5000円の接待飲食費
  • 接待飲食費のうち50%の金額

ただし、多くの中小企業は交際費等の支出が800万円を超えることはないので、800万円に満たない場合は、交際費等について交際費になるならないという区分や接待飲食費については、考える必要はありません。

次のフローで自分がどれに当てはまるかによって交際費等に対してどれくらいのことをする必要があるかを測ることができます。

法人税の交際費等に対する対処法選定フロー

法人税申告書 別表15の総括
法人税法上の交際費等は、中小企業の場合は、年間800万円もの金額が損金に算入されるため、それに全然満たない法人は、決算書の交際費の金額を集計し、別表15に転記するだけでOK

このように別表15は多くの中小企業にとっては、一度書き方がわかってしまえば、ほとんど何も考えずに、決算書から交際費の金額を持ってきて、何箇所かを埋めれば完成するという最も簡単な法人税の申告書類のうちの一つです。
まったく恐るに足りないということが今回の記事でご理解されたと思います。

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