
この記事では、法人税の別表5(2)「租税公課の納付状況等に関する明細書」について、別表5(2)とはどういう性質の書類なのか、という基本的なところから必ず書き上げられる書き方まで0から初心者向けに税務署に勤めていた税理士がわかりやすく解説していきます。
確定申告する時期になり、税務署から申告書類一式が送られてきて、初めてそれらを見たときは愕然としますよね。
別表5(2)についても、何を書けばいいかわからない、そんな申告書類のうちの一つだと思います。
別表5(2)?なんだこれは!?
何を書けばいいかさっぱりわからない!
充当金取り崩し?納税充当金の計算?仮払税金消却?うーん….
そうなりますよね。
でも安心してください。多くの企業ではすべての欄を使うことはありません。書く必要のある欄はほぼ決まっていて書き方も決まっていますので、一度書き方が分かってしまえば楽勝の別表のうちの一つです。
元国税調査官で税理士の私が、ポイントを絞ってわかりやすく解説していきます。初心者の方でも必ず完成させられます!
この記事の特徴(難解な法人税の申告書が誰でも書ける秘訣)
中小企業向けに初めて法人税の申告書を作成する初心者の方でも、申告書類の書き方がわかるように解説します。
別表5(2)について、大企業が作成することを考慮した留意点まで解説すると複雑な処理の解説も必要になりますが、中小企業が別表5(2)を間違いなく完成させることに的を絞れば、その解説は相当シンプルなものになります。
中小企業にとっては、別表5(2)を完成させることは、比較的簡単に作成できる書類の一つですので、安心してください。
数多くの税務調査を国税調査官として行ってきた経験を持つ私が、重要ポイントは押さえながらメリハリをつけてわかりやすく解説します。
繰り返しますが、この記事は中小規模の会社の法人税の申告を自力で行う方向けの記事です。
別表5(2)の書き方に入る前に最初に別表5(2)の書類がどういう性質のものなのか、そして全体の構成を大まかに捉えることでそんなに難しいものでないことを理解したいと思います。
目次
1 別表5(2)とは
別表5(2)は法人税の確定申告をする上でなんのために必要なのでしょうか。
まずは法人税の確定申告書の中の別表5(2)のポジションを理解してしまいましょう。
1-1 別表5(2)の役割
別表5(2)はその名称が「租税公課の納付状況等に関する明細書」であることからも推測できるとおり、この別表が表現しようとしていることを一言でいうとすると次のように言えます。
なんで納付状況を知りたいのかな?
法人税や道府県民税、市町村民税などの租税公課の多くが法人税法上は損金に算入されないため、その計算が正しく行われているかを確認する役割を別表5(2)が担っていると考えてもらえればと思います。
損金という専門用語が出てきましたが、法人税の申告書を作成する上で避けては通れないこれだけは身につける必要のある用語ですので、これを知らない場合は、次の記事で必ず確認してからまたこの記事に戻ってきてください。
法人税では、租税公課はその税目によって損金に算入されたり、損金に算入されなかったりします。
租税効果は、損金に算入されない金額の方が圧倒的に多くなります。
この計算が正しく行われていないと法人税の税額計算も正しく行われません。そのため租税公課の処理が正しく行われているかを確認する必要が出てきます。これを別表5(2)で確認するしくみになっています。
ここまでのところを整理しましょう。
法人税等の税金の多くは損金に算入されず、税金の税務処理が正しく行われていないと法人税額計算に多大な影響を与えるため、税金の納付状況とその税務処理を確認するための書類として別表5(2)はある。
1-2 別表5(2)の特徴
別表5(2)の特徴としておさえてほしい点があります。それは、
この点をおさえておきましょう。
法人であれば、地方税の均等割は赤字でも支払うので必ず税金の支払いがあります。租税公課の支払いは必ずあるので、必ず別表5(2)は作成する必要があります。
他の別表は、該当するものがなければ原則作成する必要がありません。
例えば、税務上の交際費等の支出がなければ別表15は不要です。また欠損金の繰越しがなければ別表7(1)を作成する必要がありません。
一方、別表5(2)は必ず作成する必要がありますので、提出漏れのないよう注意しましょう。
次は別表5(2)の記載例を実際に確認し、その構成等を確認することで全体像を理解していきましょう。
1-3 別表5(2)の全体像
別表5(2)の全体像を理解するために最初に記載例から確認してみましょう。
次の記載例は、設立初年度で赤字である法人の例です。
別表5(2)記載例
え?たったこれだけ?
設立初年度が赤字の法人が別表5(2)を書くとほとんどこのような内容になります。
難しくないですよね。
使う欄はかなり限られていることを知っていただけたらと思います。
別表5(2)が簡単そうだというイメージを持っていただけたところで、次に別表5(2)の大まかな構成を確認していきましょう。
この部分は「そんなもんかぁ」くらいにさらっとイメージを掴む程度に流して見てもらえればと思います。
まず、別表5(2)は、次のように上段下段と2つのパートに大別されています。
上段:法人税等の租税公課をどのように納付し、それをどのように経理したかを記載するパート。
下段:納税充当金※をどのように経理処理したかを記載するパート。
※納税充当金については後述しますので、ここでは2つに別れているんだということがわかってもらえれば十分です。
続いて上段の「租税公課の納付状況」部分に焦点を当ててさらに詳しい構成を確認します。
まず別表5(2)の冒頭部分を確認し、その構成を確認していきましょう。
左からその税目が年度始めにいくらあって当期いくら発生して今期どのように納めて今期納めていない金額がいくらなのか把握していくイメージです。
それを別表5(2)全体に当てはめると次のようなイメージです。
大まかなイメージを掴んでもらえればOKです。
別表5(2)について、概ね次のようなイメージを持ってもらえればと思います。
様々な税金について、年度の始めにいくら納めていない金額があって、当期中にいくら発生して、どういう経理処理で納付して、年度末にいくら残っているかを記録する。
それでは、最も大切な点、別表5(2)の書き方を見ていくことにしましょう。
2 別表5(2)の書き方
ここからは別表5(2)をどのように書いていくかをわかりやすく順序立てて解説していきます。
別表5(2)を作成する前に知っておかなければならない点を説明します。法人税の申告書を作成する上での全般に関することです。
法人税の確定申告書(別表)は、作成する順番があります。
別表5(2)は実は2回登場します。
つまり、別表5(2)は一度に書き上げることができないのです。
中小企業で登場する可能性の高い別表を挙げ、それを作成順に並べてみます。
別表の作成順一覧
順番 | 別表 | 別表名称 |
---|---|---|
1 | 別表2 | 同族会社等の判定に関する明細書 |
2 | 別表11⑴ | 個別評価金銭債権に係る貸倒引当金の損金算入に関する明細書 |
3 | 別表11(1-2) | 一括評価金銭債権に係る貸倒引当金の損金算入に関する明細書 |
4 | 別表15 | 交際費等の損金算入に関する明細書 |
5 | 別表16⑴ | 旧定額法又は定額法による減価償却資産の償却額の計算に関する明細書 |
6 | 別表16⑵ | 旧定率法又は定率法による減価償却資産の償却額の計算に関する明細書 |
7 | 別表16⑹ | 繰延資産の償却額の計算に関する明細書 |
8 | 別表16⑺ | 少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例に関する明細書 |
9 | 別表16⑻ | 一括償却資産の損金算入に関する明細書 |
10 | 別表6⑴ | 所得税額の控除に関する明細書 |
11 | 別表5⑵① | 租税公課の納付状況等に関する明細書 |
12 | 別表5⑴① | 利益積立金額及び資本金等の額の計算に関する明細書 |
13 | 別表4① | 所得の金額の計算に関する明細書 |
14 | 別表14⑵ | 寄附金の損金算入に関する明細書 |
15 | 別表7⑴※1 | 欠損金又は災害損失金の損金算入に関する明細書 |
16 | 別表4② | 前述のとおり |
17 | 別表7⑴※2 | 前述のとおり |
18 | 別表1次葉 | 各事業年度の所得に係る申告書-内国法人の分(次葉) |
19 | 別表1 | 各事業年度の所得に係る申告書-内国法人の分 |
20 | 別表5⑵② | 前述のとおり |
21 | 別表5⑴② | 前述のとおり |
22 | 別表4③ | 前述のとおり |
23 | 適用額明細書 | 適用額明細書 |
作成する必要のない別表は飛ばして次に移っていきます。
上記の表では、別表5(2)は11番目と20番目に出てきています。
なんだか難しそうー
諦めたくなるー
ここでは、別表5(2)は一度に書け上げられるものではなく、1度書いたら別の申告書類を作ってまた戻ってくるということを理解してもらえれば十分です。
それでは、実際に別表5(2)を作りながら理解していきましょう!
それでは早速実際に別表5(2)を書いていきましょう。
1回目の別表5(2)の書き方です。
ケース別に解説していきます。
どのようなケースかというと、次の3つのケースに分けて解説していきます。この3つの書き方のパターンを知っていれば、中小企業のほとんどのケースで別表5(2)を完成させることができます。
ケース | ケースの内容 |
---|---|
ケース1 | 設立1期目赤字 |
ケース2 | 設立1期目黒字 |
ケース3 | 設立2期目以降 |
最初は3つのケースに共通する事項を説明し、その後3つのケースに分けて解説していきます。
それでは早速始めていきます。
まずは共通事項の書き方から2つの項目について解説していきます。
- 事業年度と法人名
- 「その他」欄
冒頭の「事業年度」欄と「法人名」欄から記載します。
【事業年度】は会計年度の意味です。
例えば令和3年1月1日から令和3年12月31日の会計期間であれば、上の記載例のように書きます。「令和3.1.1」でも「R3.1.1」でも構いません。
【法人名】は文字どおり法人名を記載しましょう。
続いては、次のとおり「その他」の20欄〜29欄からスタートします。
「その他」欄は、何について記載するかというと
「その他」欄は、法人税+地方法人税・道府県民税・事業税+特別法人事業税・市町村民税 以外の租税公課を支払った場合に処理する欄
です。
次の表を参照して、表の租税公課を支払った場合は、損金算入のものと損金不算入のものに分けて「その他」欄に記載します。
租税公課分類表
租税公課種類 | 備考 | |
---|---|---|
損金算入のもの | 利子税(国) | 申告納付期限延長した場合の延滞税 |
延滞金(地方) | 申告納付期限延長した場合の延滞金 | |
源泉所得税 | 税額控除を適用しない場合 | |
固定資産税 | ||
不動産取得税 | ||
自動車税 | ||
印紙税 | ||
登録免許税 | ||
消費税 | 税込経理のみ | |
損金不算入のもの | 延滞税・延滞金 | 延滞税は国、延滞金は地方 |
過少申告加算税・過少申告加算金 | 加算税は国、加算金は地方 | |
無申告加算税・無申告加算金 | 加算税は国、加算金は地方 | |
重加算税・重加算金 | 加算税は国、加算金は地方 | |
不納付加算税 | 源泉所得税を期限内に納めなかった場合 | |
過怠税 | 印紙税を適切に納めなかった場合 | |
源泉所得税 | 税額控除を適用する場合 | |
交通反則金 |
いきなり税目がズラーと並んでも面食らってしまうと思いますので、STEP式に一つ一つ判断していきましょう。
【STEP1】 上の「租税公課分類表」に書かれた租税公課の支払いが今年度中にありましたか?
なかった | あった |
---|---|
「その他」欄はすべて空欄。この欄は終了。 | 「その他」欄に記載必要。【STEP2】へ |
「租税公課分類表」のいずれも支払いがない場合は、空欄になります。
ただし、金融機関から預金利息を受け取っている場合は、源泉所得税が天引きされているので、別表6(1)を作成して所得税額控除を適用する場合は、「損金不算入のもの」の方に記載し、所得税額控除を適用しない場合は、「損金算入のもの」の方に書く必要があることに注意しましょう。(STEP2の処理が必要になります。)
【STEP2】 上の「租税公課分類表」に書かれた租税公課の支払いがあった※場合
※「支払いがあった」には、消費税を確定申告してその確定税額を未払い計上する場合のように、すでに発生している未払いのものも含みます。
次のような例を用いて書き方を見ていきましょう。
これらの租税公課はすべて当期発生したものとします。
租税公課の種類 | 金額 | 損金算入or不算入 |
---|---|---|
❶源泉所得税 | 1,200 | 損金算入(税額控除適用×) |
❷源泉所得税 | 200,000 | 損金不算入(税額控除適用○) |
❸消費税 | 990,000 | 損金算入 |
❹印紙税 | 10,000 | 損金算入 |
❺交通反則金 | 10,000 | 損金不算入 |
上の表「租税公課分類表」を確認して、それぞれの租税公課をまず損金に算入されるものか算入されないものかに分けます。
損金に算入される❶源泉所得税を例に実際に書いてみます。
「損金算入のもの」欄の空欄となっている22の行に記載していきます。
⑴「税目」欄
税目の欄に「源泉所得税」と書く。
⑵「期首現在未納税額①」欄
会計年度の始めにその税目(このケースは「源泉所得税」)が未払いとなっている金額があれば記載します。
このケースは当期に発生しているとなっているためここは空欄になります。(源泉所得税を考えれば天引きされるので、未払いとなるケースはありません。→空欄になります。)
⑶「当期発生税額②」欄
当期中(今期中)に発生した金額を書きます。
今回の例では、1,200円手引きされたということですので、この欄に1,200と記載します。
⑷「当期中の納付税額」欄
③〜⑤欄は、「期首現在未納税額①」欄と「当期発生税額②」欄に記載された支払うべき金額をどのように支払ったかを記載する欄です。
具体的には、仕訳帳にどのように経理したかによって決まります。
当期中の納付方法 | 会計処理方法 |
---|---|
❶納税充当金取崩しによる納付③ | 未払法人税等 1,200 / 現金預金 1,200 |
❷仮払経理による納付④ | 仮払金 1,200 / 現金預金 1,200 |
❸損金経理による納付⑤ | 法人税、住民税及び事業税 1,200 / 現金預金 1,200 |
❶「納税充当金取崩しによる納付③」とは
納税充当金※とは、勘定科目でいうと「未払法人税等」と同じ意味で使います。
したがって「納税充当金取崩しによる納付」欄に記載すべき金額は次のように仕訳したものになります。
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|
未払法人税等 | 1,200 | 現金預金 | 1,200 |
納税充当金について、詳しくは次の記事で解説しています。
❷「仮払経理による納付④」とは
次のように該当の税目を支払ったときに仮払金を使って経理している場合は、この欄にその経理した金額を書きます。
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|
仮払金 | 1,200 | 現金預金 | 1,200 |
❸「損金経理による納付⑤」とは
損金経理とは、費用計上することでしたね。
したがって、該当の税目を支払ったときに費用科目で経理した場合は、この欄にその経理した金額を書きます。
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|
法人税、住民税及び事業税 (または租税公課) | 1,200 | 現金預金 | 1,200 |
【難解な法人税の申告書を単純に作成するポイント】
ここで「その他」の行の「当期中の納付税額③〜⑤」欄を処理するポイントです!
「仮払金」を使わないということが重要です。仮払金を使った場合は、別表4で加算減算処理が発生するケースがあり、処理を複雑にするだけでいいことがありません。
この原則を守ってシンプルに処理するようにしましょう!
この原則にしたがって今回のケースも次のように経理して損金経理による納付⑤」欄に1,200円を記載します。
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|
法人税、住民税及び事業税 | 1,200 | 現金預金 | 1,200 |
⑸「期末現在未納税額⑥」欄
決算期末に納めるべき金額のうちいくら納めていない金額を書きます。
「① + ② – ③ – ④ – ⑤」で計算します。
今回の例では次のように計算して「0」になりますので、⑥欄に「0」と書きます。
(0) + ② (1,200) – ③(0) – ④(0) – ⑤(1,200)= 0
このような書き方でその他の税目についても記載した例をお示しします。
租税公課の種類 | 金額 | 損金算入or不算入 |
---|---|---|
❶源泉所得税 | 1,200 | 損金算入(税額控除適用×) |
❷源泉所得税 | 200,000 | 損金不算入(税額控除適用○) |
❸消費税 | 990,000 | 損金算入 |
❹印紙税 | 10,000 | 損金算入 |
❺交通反則金 | 10,000 | 損金不算入 |
今回は「損金算入のもの」が3つ(源泉所得税 1,200円、印紙税 10,000円、消費税 990,000円)ありました。
別表5(2)には「損金算入のもの」の行が2つしかありませんので、その場合は、次のようにまとめてしまって構いません。(損金不算入の税目が3つ以上あった場合も同様です。)
さて、別表5(2)の「その他」欄の書き方がわかりました。
この「その他」欄は実は重要な部分は限られています。
重要なのは「損金不算入のもの」の行です。
上の表で「損金不算入のもの」に分類されている税目の支払いがある場合は、絶対に漏らさないようにする!この点に尽きます。
損金不算入は税額計算に影響するので、ここを漏らすと税額計算が誤りますので、注意です!(裏を返せば「損金算入のもの」の方は記載漏れがあっても税額計算に影響がないので、特に問題となりません。)
共通事項の解説はここまでです。
ここからはそれぞれのケース別に書き方を見ていきます。
3つのケースをもう一度確認しておきましょう。
ケース | ケースの内容 |
---|---|
ケース1 | 設立1期目赤字 |
ケース2 | 設立1期目黒字 |
ケース3 | 設立2期目以降 |
それではまずはケース1、設立1期目赤字の書き方から始めていきます。
ここからはご自身の会社のケースに当てはめて、そのケースの解説を読むもよし。すべてのケースについて学ぶもよしです。
【ケース1】 設立1期目赤字
新規に事業を始めた場合は、設立事業年度は赤字スタートになるケースが多いと思います。
その場合は、ほとんどこの書き方そのままで書けるので簡単に書き上げられると思います。
【ケース1】1回目の別表5(2)の法人税、道府県民税、市町村民税、事業税の書き方
なし。
設立1期目で赤字の場合は、実は1回目の段階で書くことはありません。
この章の冒頭で解説した別表の作成順序にしたがって別表5(1)別表4…別表1・第6号様式(道府県民税・事業税等の申告)・第20号様式(市町村民税の申告)が完成するのを待ちます。
そして2回目です。
【ケース1】2回目の別表5(2)の法人税、道府県民税、市町村民税、事業税の書き方
法人税、地方税すべての税額が確定したところで別表5(2)に戻ってきて2回目の書き方です。
税額は次の表を前提に書いていきます。
税目 | 金額 |
---|---|
法人税・地方法人税 | 0 |
道府県民税 | 18,300 |
市町村民税 | 45,800 |
事業税・特別法人事業税 | 0 |
合計 | 64,100 |
赤字なので道府県民税と市町村民税の均等割額のみになります。
(この例では会計期間を11ヶ月として道府県民税は20,000×11/12で計算し、市町村民税は50,000×11/12で計算しています。)
さて、下の画像をご覧ください。
設立1期目は前期以前の税金も当期分の中間税額もありませんので、「当期分」の「確定」の行のみに記載することになります。
法人税・地方法人税と事業税・特別事業税はともに当期の確定分の税額0なので記載する箇所はありません。
⑴ 当期発生税額を書く
①道府県民税の当期確定分18,300円を「当期発生税額②」欄に記載します。
②市町村民税の当期確定分45,800円を「当期発生税額②」欄に記載します。
当期発生税額②の列の縦の合計をしてそれぞれ「計」の行(10欄と15欄)に記載します。
今回は中間(8欄と13欄)が空欄なので、そのままの数字18,300(9欄)と45,800(14欄)が10欄と15欄にそれぞれ下りてきます。
⑵ 「期末未納税額」欄を書く
「道府県民税」と「市町村民税」の枠のそれぞれの行について、次の計算式に当てはめて計算して「期末現在未納税額⑥」欄の値を求めて記載します。
「① + ② – ③ – ④ – ⑤」
それぞれの行は②しか値がありませんので、その値がそのまま同じ行の⑥欄に入ります。
これで、法人税、道府県民税、市町村民税、事業税の欄は終了です。
続いて下段の「納税充当金の計算」の枠に入ります。
【ケース1】「納税充当金の計算」欄を書く
最後に「納税充当金の計算」の枠を完成させます。
「納税充当金」は、「未払法人税等」と同じ意味であることはすでに触れました。
「納税充当金の計算」の枠で使われている用語について、まずは確認していきましょう。
用語 | 意味 |
---|---|
❶期首納税充当金 | 期首未払法人税等(決算期首時点の未払法人税等の開始残高) |
❷(納税充当金)繰入額 | 未払法人税等が増えた金額※1 |
❸(納税充当金)取崩額 | 未払法人税等が減った金額※2 |
❹期末納税充当金 | 期末未払法人税等(決算期末時点の未払法人税等の残高) |
※1:未払法人税等が増えた金額とは、次のように貸方に未払法人税等の金額が仕訳された金額の合計
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|
法人税、住民税及び事業税 | 64,100 | 未払法人税等 | 64,100 |
※2:未払法人税等が減った金額とは、次のように貸方に未払法人税等の金額が仕訳された金額の合計
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|
未払法人税等 | 64,100 | 現金預金 | 64,100 |
それでは実際に今回のケースの別表5(2)の「納税充当金の計算」部分を書いていきましょう。
【難解な法人税の申告書を単純に作成するポイント】
今回の例でいうと次のように仕訳帳に登録するということです。
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|
法人税、住民税及び事業税 | 64,100 | 未払法人税等 | 64,100 |
この仕訳は次のことを意味します。未払法人税等が貸方に経理されて増えましたので、「繰入額」を意味します。つまり、納税充当金の繰入額が64,100円です。
そして相手科目が「法人税、住民税及び事業税」で費用計上されていますので、この記事の冒頭の方で説明した「損金経理」を意味します。
つまりこの仕訳は「損金経理をした納税充当金」として繰入れられた額を意味しますので、「繰入額」>「損金経理をした納税充当金(31)」欄に記載します。
⑴ 損金経理をした納税充当金(31)欄
⑵ 繰入額の「計(33)」欄
「繰入額」>「計」欄は、(31)+(32)で求めます。
(32)は空欄ですので、今回のケースでは64,100が(33)に入ります。
⑶「取崩額」欄(34)〜(39)
取崩額は前述のとおり次の仕訳がある場合に記載しますが、設立1期目では通常出てくることはありませんので、今回のケースでは空欄になります。
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|
未払法人税等 | 〇〇〇〇 | 現金預金 | 〇〇〇〇 |
⑷「期末納税充当金(41)」欄
(30)+(33)-(40)で計算します。
今回のケースでは「0 (30)+64,100(33) – 0(40) = 64,100」となります。
これで設立1期目の別表5(2)が完成しました。
最後に全体の記載例を確認しておきましょう。
設立初年度赤字の別表5(2) 記載例
設立1期目が赤字の場合の別表5(2)の書き方、かなり簡単だと思われたのではないでしょうか。
11箇所に数字を入れただけです。
さあ続いて2つ目のケース「設立1期目黒字」の場合の書き方をみていきましょう。
【ケース2】 設立1期目黒字
法人成りして1期目から黒字であったというように、設立初年度から黒字であった場合の書き方を解説していきます。
設立初年度ということで、前期以前に支払った税金がないことから比較的簡単に書き上げることができます。
【ケース2】1回目の別表5(2)の法人税、道府県民税、市町村民税、事業税の書き方
なし。
設立1期目の場合は、実は1回目の段階で書くことはありません。
この章の冒頭で解説した別表の作成順序にしたがって別表5(1)別表4…別表1・第6号様式(道府県民税・事業税等の申告)・第20号様式(市町村民税の申告)が完成するのを待ちます。
そして2回目です。
【ケース2】2回目の別表5(2)の法人税、道府県民税、市町村民税、事業税の書き方
法人税、地方税すべての税額が確定したところで別表5(2)に戻ってきて2回目の書き方です。
税額は次の表を前提に書いていきます。
税目 | 金額 |
---|---|
法人税・地方法人税 | 1,158,100 |
道府県民税 | 28,800 |
市町村民税 | 108,800 |
事業税・特別法人事業税 | 409,600 |
合計 | 1,705,300 |
さて、下の画像をご覧ください。
設立1期目は前期以前の税金も当期分の中間税額もありませんので、「当期分」の「確定」の行のみに記載することになります
それでは、それぞれの税目の「当期分」>「確定」行の書き方を解説していきます。
事業税及び特別法人事業税は、原則申告書を提出した事業年度(つまり翌年度)で損金に算入することになっているので、「当期分」>「確定」行がありません。
「当期分」>「確定」行を書く必要があるのは、「法人税・地方法人税」「道府県民税」「市町村民税」の3つです。
⑴ 「当期発生税額②」欄を書く
①法人税・地方法人税の当期確定分
法人税・地方法人税の当期確定分1,158,100を「法人税・地方法人税」の「当期発生税額②」欄に記載します。
②道府県民税の当期確定分
②道府県民税の当期確定分28,800円を「道府県民税」の「当期発生税額②」欄に記載します。
③市町村民税の当期確定分
市町村民税の当期確定分108,800円を「市町村民税」の「当期発生税額②」欄に記載します。
続いて当期発生税額②の列の縦の合計をしてそれぞれ「計」の行(10欄と15欄)に記載します。
今回は中間(3欄、8欄と13欄)が空欄なので、そのままの数字1,158,800(4欄)、28,800(9欄)と108,800(14欄)が5欄、10欄と15欄にそれぞれ下りてきます。
⑵ 「期末未納税額⑥」欄を書く
「法人税及び地方法人税」、「道府県民税」と「市町村民税」の枠のそれぞれの行について、次の計算式に当てはめて計算して「期末現在未納税額⑥」欄の値を求めて記載します。
「① + ② – ③ – ④ – ⑤」
それぞれの行は②の列にしか値がありませんので、その値がそのまま同じ行の⑥欄に入ります。
これで、法人税、道府県民税、市町村民税、事業税の欄は終了です。
続いて下段の「納税充当金の計算」の枠に入ります。
【ケース2】「納税充当金の計算」欄を書く
最後に「納税充当金の計算」の枠を完成させます。
「納税充当金」は、「未払法人税等」と同じ意味であることはすでに触れました。
「納税充当金の計算」の枠で使われている用語について、まずは確認していきましょう。
用語 | 意味 |
---|---|
❶期首納税充当金 | 期首未払法人税等(決算期首時点の未払法人税等の開始残高) |
❷(納税充当金)繰入額 | 未払法人税等が増えた金額※1 |
❸(納税充当金)取崩額 | 未払法人税等が減った金額※2 |
❹期末納税充当金 | 期末未払法人税等(決算期末時点の未払法人税等の残高) |
※1:未払法人税等が増えた金額とは、次のように貸方に未払法人税等の金額が仕訳された金額の合計
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|
法人税、住民税及び事業税 | 64,100 | 未払法人税等 | 64,100 |
※2:未払法人税等が減った金額とは、次のように貸方に未払法人税等の金額が仕訳された金額の合計
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|
未払法人税等 | 64,100 | 現金預金 | 64,100 |
それでは実際に今回のケースの別表5(2)の「納税充当金の計算」部分を書いていきましょう。
【難解な法人税の申告書を単純に作成するポイント】
今回の例でいうと次のように仕訳帳に登録するということです。
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|
法人税、住民税及び事業税 | 1,705,300 | 未払法人税等 | 1,705,300 |
今回のケースでは、確定分の税額の合計が1,705,300円になるでこのように仕訳します。
この仕訳は次のことを意味します。
未払法人税等が貸方に経理されて増えましたので、「繰入額」を意味します。つまり、納税充当金の繰入額が1,705,300円です。
そして相手科目が「法人税、住民税及び事業税」で費用計上されていますので、この記事の冒頭の方で説明した「損金経理」を意味します。
つまりこの仕訳は「損金経理をした納税充当金」として繰入れられた額を意味しますので、「繰入額」>「損金経理をした納税充当金(31)」欄に記載します。
⑴ 損金経理をした納税充当金(31)欄
⑵ 繰入額の「計(33)」欄
「繰入額」の「計」欄は、(31)+(32)で求めます。
(32)は空欄ですので、今回のケースでは1,705,300が(33)に入ります。
⑶「取崩額」欄(34)〜(39)
取崩額は前述のとおり次の仕訳がある場合に記載しますが、設立1期目では通常出てくることはありませんので、今回のケースでは空欄になります。
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|
未払法人税等 | 〇〇〇〇 | 現金預金 | 〇〇〇〇 |
⑷「期末納税充当金(41)」欄
(30)+(33)-(40)で計算します。
今回のケースでは「0 (30)+1,705,300(33) – 0(40) = 1,705,300」となります。
これで設立1期目の黒字のときの別表5(2)が完成しました。
最後に全体の記載例を確認しておきましょう。
設立初年度黒字の別表5(2) 記載例
ここまでで設立1期目の赤字と黒字のケースの別表5(2)の書き方を解説し終わりました。
続いて設立2期目以降の別表5(2)の書き方に移りたいと思います。
【ケース3】設立2期目以降
設立2期目以降の別表5(2)の書き方を解説していきます。
設立2期目は設立初年度に比べて記載箇所が増えますが、この記事では初心者用にパターン化して誰でも書けるように解説していきますので、安心してください。絶対に書き上げることができます。
令和4年1月1日から令和4年12月31日決算の法人を例に解説します。
【ケース3】1回目の別表5(2)の法人税、道府県民税、市町村民税、事業税の書き方
1回目の別表5(2)で書く事項は、前期以前の未払いとなっていた税額の処理について記載していくことになります。
図解の記載例を見ながら視覚的に理解しましょう。
(1) 法人税及び地方法人税の前期の未納税額を転記する
法人税及び地方法人税の期首時点の未納税額を、前期の法人税の申告書別表1から転記します。
前期が赤字で法人税及び地方法人税を納めていない場合は、記載することがないので、次の(2)「道府県民税の前期の未納税額を転記する」の解説に移ってください。
前期に法人税及び地方法人税を納めている場合は、まず前期の法人税の申告書別表1を用意してください。
用意したら次の図のように前期の別表1から当期(=今年度)の別表5(2)に次のように転記します。
図の番号 | 転記元(別表1) | 転記先(別表5(2)) |
---|---|---|
① | 前期の別表1の事業年度 | 当期の別表5(2)の2行目「事業年度」欄 |
② | 前期の別表1の(16)+(44)した値 | 当期の別表5(2)の2行目「期首現在未納税額①」※欄 |
※期首現在未納税額とは、
期首とは、今回の例でいえば会計年度が「令和4年1月1日から令和4年12月31日」なので、期の頭という意味で今年度の開始年月日の「令和4年1月1日」を指します。
「期首現在未納税額」とは会計年度の開始年月日時点で、納めるべき税額のうちまだ納めていない金額のことを指します。
前期の確定申告で確定した金額(今回の例では1,158,100円)は、前期の法人税等で前期に帰属されるべき金額になりますので、この1,158,100円が、今年度の開始年月日時点で納めるべき税額のうちまだ納めていない金額である期首未納税額になります。
(2) 道府県民税の前期の未納税額を転記する
次に、前期の道府県民税の期首時点の未納税額を、前期に都道府県に提出した申告書第6号様式から転記します。
道府県民税は、特別なことがない限り赤字でも均等割額を納めることになりますので必ず記載が必要になります。
前期の地方税の申告書第6号様式を用意してください。
用意したら次の図のように前期の第6号様式から当期の別表5(2)に転記します。
図の番号 | 転記元(第6号様式) | 転記先(別表5(2)) |
---|---|---|
① | 前期の第6号様式の事業年度 | 当期の別表5(2)の7行目「事業年度」欄 |
② | 前期の第6号様式の「差引」(22)の値 | 当期の別表5(2)の7行目「期首現在未納税額①」欄 |
(3) 市町村民税の前期の未納税額を転記する
次に、前期の市町村民税の期首時点の未納税額を、前期に市町村に提出した申告書第20号様式から転記します。
市町村民税は、特別なことがない限り赤字でも均等割額を納めることになりますので必ず記載が必要になります。
前期の地方税の申告書第20号様式を用意してください。
用意したら次の図のように前期の第20号様式から当期の別表5(2)に転記します。
図の番号 | 転記元(第20号様式) | 転記先(別表5(2)) |
---|---|---|
① | 前期の第20号様式の事業年度 | 当期の別表5(2)の12行目「事業年度」欄 |
② | 前期の第20号様式の「差引」(21)の値 | 当期の別表5(2)の12行目「期首現在未納税額①」欄 |
なお、事業所が東京都23区のみにある場合は、市町村民税を申告する必要がないためこの部分は記載する必要がありません。
(4) 事業税及び特別法人事業税の前期の未納税額を転記する
次に、前期の事業税と特別法人事業税の期首時点の未納税額を、前期に都道府県に提出した申告書第6号様式から転記します。
前期が赤字などの理由で事業税と特別法人事業税を納めていない場合は、記載することがないので、次の解説に移ってください。
前期に事業税と特別法人事業税を納めている場合は前期の地方税の申告書第6号様式を再び用意してください。
用意したら次の図のように前期の第6号様式から当期の別表5(2)に転記します。
事業税・特別法人事業税だけは「当期発生税額②」欄に記載することに注意しましょう!
(事業税と特別法人事業税は原則申告書を提出した日の属する会計年度に損金に算入することになっているからです。No.5300 損金の額に算入される租税公課等の範囲と損金算入時期 2⑴(イ))
図の番号 | 転記元(第6号様式) | 転記先(別表5(2)) |
---|---|---|
① | 前期の第6号様式の事業年度 | 当期の別表5(2)の17行目「事業年度」欄 |
② | 前期の第6号様式の(51)+(61)した値 | 当期の別表5(2)の17行目「当期発生税額②」欄 |
ここまでで前期の申告で未納となっている金額をすべて記載することができました。
続いて、その未納となっていた金額をどのように納付してどのように経理したかを記載していきます。
⑸ 前期の未納となっている各税金の納付状況を書く
次は、別表5(2)の「当期中の納付税額」の列③〜⑤を書いていきます。
⑴〜⑷まで期首現在未納税額を書いてきました。この金額を当期中(今年度中)にどのように納付したかによって③又は⑤に記載します。
前期の税金の納付税額については④「仮払経理による納付」の列は使用しません。前期の税額を納付する経理パターンとしては次の2パターンが考えられます。
- 前期末に計上した未払法人税等を使って納付処理する(一般的)
- 納めた時に費用計上する(オススメしない)
❶ 前期末に計上した未払法人税等を使って納付処理した場合
1つ目のパターンから解説します。
こちらが一般的なパターンです。
前期の法人税等を前期の決算に反映している場合は、「充当金取崩しによる納付③」の列に納付した金額を記載します。
つまり、前期末に次のような仕訳を登録し、
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|
法人税、住民税及び事業税 | 1,705,300 | 未払法人税等 | 1,705,300 |
当期中に前期の法人税等を納付したときに次のような仕訳を登録している場合
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|
未払法人税等 | 1,705,300 | 現金預金 | 1,705,300 |
次の画像のように「③納税充当金取崩しによる納付」列に納付した金額を記載します。
納税充当金とは勘定科目「未払法人税等」と同じ意味でした。
納付したときに「未払法人税等」を貸方に切って残高を減らす、ということが納税充当金を取り崩すということでした。「未払法人税等」を使って納付の処理をした訳ですので、「納税充当金取崩による納付」列に記載するのです。
このパターンが一般的です。
このパターンで処理していない場合は、今期から当期の税額は当期末に未払法人税等を計上して当期の決算に反映する方法を取るようにしましょう。
❷ 納めた時に費用計上した場合
前期の法人税等を当期に納めたときに費用計上した時は、「損金経理による納付⑤」列に記載します。
つまり前期末には確定申告して算出された税額に関して何も経理処理せず、当期中に前期の法人税等を納付したときに次のような仕訳を登録している場合
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|
法人税、住民税及び事業税 | 1,705,300 | 現金預金 | 1,705,300 |
次の画像のように「損金経理による納付⑤」列に納付した金額を記載します。
ここまでが、前期に発生した税金をどう処理したかということについての記載です。
続いて当期に中間税額があった場合です。
⑹ 中間税額があれば「当期発生税額」に書く
それぞれの税目に関して中間税額がある場合は、次の画像のようにそれぞれの税目の「中間」とある行の「当期発生税額②」の列に記載します。
中間税額がない場合は、⑻「 」の解説に飛んでください。
次のような中間税額があったとして記載例を示します。
税目 | 中間税額 |
---|---|
法人税及び地方法人税 | 579,000 |
道府県民税 | 15,300 |
市町村民税 | 56,500 |
事業税及び特別法人事業税 | 204,800 |
⑹ 中間税額の納付状況を書く
中間税額の納付状況を記載する上で重要なのは、次の点です。
仮払い処理はしない!
つまり、中間税額を納付した場合は、必ず次のように仕訳を登録するということです。
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|
法人税、住民税及び事業税 | 855,600 | 現金預金 | 855,600 |
このように処理することで別表5(2)で中間税額を処理する方法が一択になりますので、必ずこのように処理しましょう。
このよう中間税額を法人税等の費用として経理している場合は、別表5(2)では、次の画像のようにそれぞれの税目で中間税額を納めた金額を「損金経理による納付⑤」の列に記載します。
(損金経理=費用計上であるため、中間税額の納付を費用計上している場合は、別表5(2)ではこのように書きます。)
中間税額を仮払金で経理している場合は、費用計上に修正しましょう。仮払金で処理している場合は、別表4で加算減算するなど初心者には難しい処理が必要になります。難しい処理を避ける意味で必ず費用計上するようにしましょう!
なお、中間税額を見越して未払法人税等を計上していることはないでしょうから中間税額の納付が「充当金取崩しによる納付④」列に値が入ることはありません。
ここまでで別表5(2)の1回目の処理は終了です。
ここまで書き終わったら、この章の冒頭で解説した別表の作成順序にしたがって別表5(1)別表4…別表1・第6号様式(道府県民税・事業税等の申告)・第20号様式(市町村民税の申告)が完成するのを待ちます。
これらの申告書類の作成が終わったら別表5(2)の2回目です。
2回目は、別表5(2)の法人税、道府県民税、市町村民税の「当期分」>「確定」行を主に記載していきます。
確定申告書を作成して納付になる場合と還付になる場合で、この部分の書き方が少し変わってきますので、納付と還付の2つのパターンに分けて解説していきます。
まずは、確定申告書を作成した結果納付になるケースの書き方から解説します。
【ケース3】(❶納付編)2回目の別表5(2)の法人税、道府県民税、市町村民税及び事業税の書き方
戻ってきて2回目の別表5(2)の法人税、道府県民税、市町村民税及び事業税の欄の書き方を解説します。これらの税目が確定申告で納付であった場合の書き方を解説します。
⑴ 法人税及び地方法人税の「確定」欄を書く
法人税及び地方法人税の税額を計算し、納付すべき金額があった場合に記載します。
次の画像のように当期の法人税の申告書別表1の「差引確定法人税額(16)」+「差引確定地方法人税額(44)」した値を4行目の「当期発生税額②」列に転記します。
この欄は、税額が発生せず、還付金額もない場合は、記載の必要はありません。
⑵ 道府県民税の「確定」欄を書く
次は道府県民税の当期確定分の税額の記載方法です。
次の画像のように当期の地方税の申告書第6号様式の「差引(22)」の値を9行目の「当期発生税額②」列に転記します。
⑶ 市町村民税の「確定」欄を書く
続いて市町村民税の当期確定分の税額の記載方法です。
次の画像のように当期の地方税の申告書第20号様式の「差引(21)」の値を14行目の「当期発生税額②」列に転記します。
事業税及び特別法人事業税は、「当期分」>「確定」行がありません。原則申告書を提出した事業年度で損金に算入することになっているという理由です。(次の年の別表5(2)の前期分に記載します。)
「当期分」>「確定」行を書く必要があるのは、「法人税・地方法人税」「道府県民税」「市町村民税」の3つです。
⑷ 「期末現在未納税額⑥」欄を書く
続いて各税目の各行の「期末現在未納税額⑥」の値を計算します。
各行について、「① + ② – ③ – ④ – ⑤」の計算を行なっていきます。
この例でいえば2行目の①の値が1,158,100で③の値が1,158,100なので1,158,100 – 1,158,100 = 0となり、⑥には「0」を記載します。
これをすべての行に対して行います。
⑸ 各税目の「計」欄を書く
続いて各税目の各列の「計」(5)、(10)、(15)、(19)の行を計算していきます。
例えば①列の5行目の「計」欄は①列の1行、2行を合計します。
この例でいえば3行目の②列は空欄で3行目は579,000、4行目の②列は124,400円なので579,000+124,400=703,400が②列の5行目「計」に入ります。
これが、それぞれの税目の確定分の税額が納付であった場合の法人税、道府県民税、市町村民税、事業税の欄は終了です。
続いて同じ部分の書き方ですが、還付の場合の書き方を解説します。
【ケース3】(❷還付編)2回目の別表5(2)の法人税、道府県民税、市町村民税の書き方
今度は戻ってきて2回目の別表5(2)の法人税、道府県民税、市町村民税の当期分が還付の場合の書き方を解説します。
⑴ 法人税及び地方法人税の「確定」欄を書く
確定申告書を作成して法人税及び地方法人税の税額を計算した結果の値を記載する欄が「確定」の行です。
次の画像のように当期の法人税の申告書別表1の「この申告による還付金額 中間納付額(26)」+「この申告による還付金額(45)」した値を4行目の「当期発生税額②」列にマイナスをつけて転記します。
ここでは、「この申告による還付金額 所得税額等の還付金額(25)」は含めないことに注意しましょう。
⑵ 道府県民税の「確定」欄を書く
次は道府県民税の当期確定分の税額の記載方法です。
次の画像をご覧ください。
道府県民税の計算で、第6号様式の「この申告により納付すべき法人税額(15)」欄がマイナスとなる場合、「差引(22)」欄は(15)欄が0として計算されるため「(15) + (22)」という計算をして差し引きの金額を別表5(2)の9行目の②列に記載します。
⑶ 市町村民税の「確定」欄を書く
続いて市町村民税の当期確定分の税額の記載方法です。
次の画像をご覧ください。
道府県民税の計算で、第6号様式の「この申告により納付すべき法人税額(14)」欄がマイナスとなる場合、「差引(21)」欄は(14)欄が0として計算されるため「(14) + (21)」という計算をして差し引きの金額を別表5(2)の14行目「確定」の②列に記載します。
事業税及び特別法人事業税は、「当期分」>「確定」行がありません。原則申告書を提出した事業年度で損金に算入することになっているという理由です。(次の年の前期分に記載します。次の画像参照)
「当期分」>「確定」行を書く必要があるのは、「法人税・地方法人税」「道府県民税」「市町村民税」の3つです。
事業税及び特別法人事業税は、当期分の税額は、翌年度の別表5(2)の前期分の行の「当期発生税額②」の列に転記します。
⑷ 「期末現在未納税額⑥」欄を書く
続いて各税目の各行の「期末現在未納税額⑥」の値を計算します。
各行について、「① + ② – ③ – ④ – ⑤」の計算を行なっていきます。
この例でいえば2行目の①の値が1,158,100で③の値が1,158,100なので1,158,100 – 1,158,100 = 0となり、⑥には「0」を記載します。
これをすべての行に対して行います。
⑸ 各税目の「計」欄を書く
続いて各税目の各列の「計」(5)、(10)、(15)、(19)の行を計算していきます。同じ列の値を合計します。
例えば①列の5行目の「計」欄は①列の1行、2行を合計します。この例では1行目の①は空欄で2行目の①が1,158,100なので5行目の①は1,158,100になります。
道府県民税と市町村民税の②の列にマイナスがある場合は、次の画像のように「計」欄はマイナスを上段に別立てにします。
これで、還付の場合の法人税、道府県民税、市町村民税、事業税の欄は終了です。
続いて下段の「納税充当金の計算」の枠に入ります。
【ケース3】「納税充当金の計算」欄を書く
最後に「納税充当金の計算」の枠を完成させます。
「納税充当金」は、「未払法人税等」と同じ意味であることはすでに触れました。
「納税充当金の計算」の枠で使われている用語について確認していきましょう。
用語 | 意味 |
---|---|
❶期首納税充当金 | 期首未払法人税等(決算期首時点の未払法人税等の開始残高) |
❷(納税充当金)繰入額 | 未払法人税等が増えた金額※1 |
❸(納税充当金)取崩額 | 未払法人税等が減った金額※2 |
❹期末納税充当金 | 期末未払法人税等(決算期末時点の未払法人税等の残高) |
※1:「未払法人税等が増えた金額」とは、次のように貸方に未払法人税等の金額が仕訳された金額の合計
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|
法人税、住民税及び事業税 | 272,800 | 未払法人税等 | 272,800 |
※2:「未払法人税等が減った金額」とは、次のように貸方に未払法人税等の金額が仕訳された金額の合計
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|
未払法人税等 | 1,705,300 | 現金預金 | 1,705,300 |
それでは実際に今回のケースの別表5(2)の「納税充当金の計算」部分を書いていきましょう。
⑴ 期首納税充当金(30)欄を書く
期首納税充当金は、期首時点の未払法人税等のことですので、次のいずれかを見て確認します。
- 前期の別表5(2)の期末納税充当金(41)の値
- 前期末の貸借対照表の未払法人税等の値
- 当期の未払法人税等の開始残高(会計ソフトの仕訳帳等で確認)
⑵ 「損金経理をした納税充当金(31)」欄と「計(32)」欄を書く
ここで「損金経理をした納税充当金」欄を埋める前に、別表5(2)作成の大原則をご紹介します。
【難解な法人税の申告書を単純に作成するポイント】
つまり、決算期末の日付で次のように仕訳を登録するということを意味します。
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|
法人税、住民税及び事業税 | 272,800 | 未払法人税等 | 272,800 |
今回のケースでは、当期の法人税等の明細は次のとおりでした。272,800円の内訳です。
税目 | 確定分の納付すべき金額 |
---|---|
法人税及び地方法人税 | 124,400 |
道府県民税 | 12,800 |
市町村民税 | 42,600 |
事業税及び特別法人事業税 | 93,000 |
合計 | 272,800 |
このように仕訳を登録した場合、未払法人税等が貸方に経理され、増えていますので、納税充当金の繰入額を意味し、相手科目は費用科目の「法人税、住民税及び事業税」であるので、損金経理されています。
したがって「損金経理した納税充当金」欄に確定申告書で計算した当期分の納付すべき税額の合計額(272,800)を記載します。
「繰入額」の「計(33)」欄は(31) + (32)で計算します。
今回の例では、(32)は空欄ですので、(31)の値がそのまま(33)欄に下りてきます。
⑶「取崩額」欄(34)〜(39)
取崩額は前述のとおり次の仕訳のように未払法人税等が借方(左側)にある場合に記載します。
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|
未払法人税等 | 1,295700 | 現金預金 | 1,295700 |
(34)〜(39)の各欄の具体的な書き方は次のとおりです。
① 法人税額等(34)欄
別表5(2)の5行目の③の値と10行目の③の値と15行目の③の値の合計を記載します。
② 事業税及び特別法人事業税(35)欄
別表5(2)の19行目の③の値を転記します。
③ 損金算入のもの(36)と損金不算入のもの(37)欄
- 別表5(2)の20行目から23行目の③列の値を合計して36欄に記載します。
- 別表5(2)の24行目から29行目の③列の値を合計して37欄に記載します。
この欄にはあまり書くことはありません。あらかじめ未払法人税等を計上しておいてそれを取り崩して納付するということがほとんどない税目であるため空欄になることが多い欄です。
④ その他の取崩額
仮払税金消却(39)欄…前期以前に納付した税金を仮払金等として経理していた金額があった場合に、その金額のうち当期に納税充当金を取り崩して消却した(=減額した)金額を記載します。
(38)欄は、①から③で説明した内容と(39)欄以外で未払法人税等を減少させた場合(納税充当金を取り崩した場合)に記載します。
(38)と(39)欄については、(36)(37)欄よりもさらに使用頻度はなく、中小企業では使われることはほぼないでしょう。
⑤ 取崩額「計」(40)欄
別表5(2)の(34)から(39)欄を合計して(40)欄に記載します。
今回の例では、1,295,700(34) + 409,600(35) = 1,705,300(40)
⑷「期末納税充当金(41)」欄
(30)+(33)-(40)で計算します。
今回のケースでは「1,705,300 (30)+272,800(33) – 1,705,300(40) = 272,800(41)」となります。
これで設立2期目以降のケースの別表5(2)が完成しました。
最後に全体の記載例を確認しておきましょう。納付の場合と還付の場合の2種類をお示しします。
設立2期目以降で納付のケースの別表5(2) 記載例
設立2期目以降で還付のケースの別表5(2) 記載例
ここまで別表5(2)の書き方を解説してきました。
この書き方にしたがって書いていけばそんなに難しいということなく別表5(2)を書き上げられることと思います。しかしながら実は法人税の確定申告を考えると別表5(2)を書き上げるだけでは十分ではありません。別表5(2)は、別表4、そして別表5(1)と密接に関わってきます。別表4、別表5(1)と別表5(2)はワンセットの別表です。この3つの別表同士で多くの転記が行われるという意味でワンセットと言えるのです。
それでは、これからは別表5(2)を中心に据えて、別表4と別表5(2)とのつながり、そして別表5(1)と別表5(2)とのつながりがどのようなものか、どのように転記をしていくかを解説していきます。
3 別表4と別表5(2)のつながり
別表4と別表5(2)の関係は、別表5(2)が出来上がったら、別表5(2)に記載された一定の欄の値を別表4に転記するという関係にあります。
別表5(2)から別表4へ転記すべき値を次のとおりです。
【転記先】別表4 | 【転記元】別表5(2) | |
---|---|---|
❶ | 損金経理をした法人税及び地方法人税(2) | 5行目ー⑤列 |
❷ | 損金経理をした道府県民税及び市町村民税(3) | 10行目ー⑤列の値 + 15行目ー⑤列の値 |
❸ | 損金経理をした附帯税及び過怠税(4) | 24行目〜29行目の⑤列の値の合計 |
❹ | 納税充当金から支出した事業税等の金額(13) | 19行目ー③の値 |
❺ | 法人税額から控除される所得税(29) | 「その他」>「損金不算入のもの」(28)または(29)欄に「源泉所得税等」があった場合②列の値 |
❻ | 損金経理をした納税充当金(4) | 「繰入額」>「損金経理をした納税充当金(31)」欄 |
別表4と別表5(2)のつながりを図解すると次のようになります。
別表5(2)が完成したら、別表4にこのように転記していきます。
続いて別表5(2)と別表5(1)とのつながりをみていきましょう。
4 別表5(1)と別表5(2)とのつながり
別表5(1)と別表5(2)の関係は、別表5(2)が出来上がったら、別表5(2)に記載された一定の欄の値を別表5(1)に転記するという関係にあります。
別表5(2)から別表5(1)へ転記すべき値を次のとおりです。
【転記元】別表5(2) | 【転記先】別表5(1) | |
---|---|---|
❶ | 2行目ー①列 | 28行目ー① |
❷ | 7行目ー①列 | 29行目ー① |
❸ | 12行目ー①列 | 30行目ー① |
❹ | 3行目ー②列 | 28行目「中間」ー③ |
❺ | 8行目ー②列 | 29行目「中間」ー③ |
❻ | 13行目ー②列 | 30行目「中間」ー③ |
❼ | 4行目ー②列 | 28行目「確定」ー③ |
❽ | 9行目ー②列 | 29行目「確定」ー③ |
❾ | 14行目ー②列 | 30行目「確定」ー③ |
➓ | (30)欄 | 27行目ー① |
(11) | (41)欄 | 27行目ー③ |
別表5(1)と別表5(2)のつながりを図解すると次のようになります。
別表5(2)が完成してしまえば、単純な転記作業で別表5(1)の半分以上が埋まってしまうことがわかります。
ここまでで別表5(2)の書き方周辺の解説は終了です。
ここまでの解説で別表5(2)を書き上げることも、他の別表への転記についても理解でき、実際にこの記事を見ながらであれば自社の申告書別表5(2)を書き上げることができたと思います。そして思ったより簡単だ。難しくないかもしれない。と思った方もいるかと思います。
しかしながら一方でこう思う方がいるかもしれない。
確かにこの記事を見ながらなら書ける気がする。
でも転記の数が多かったり思ったより面倒だ。正直自分でやりたくないなぁ。
このように思う方には別表5(2)やその他の別表4や別表5(1)を含めて、10倍くらい早く簡単に正確に作成する方法がありますので、最後にその方法を紹介します。
5 別表5(2)をもっと簡単にもっと早く正確に作成する方法
別表5(2)やその他の別表4や別表5(1)を10倍くらい早く簡単に正確に作成する方法、それは無料で使える法人税の知識不要のクラウド税務ソフト「全力法人税」を使う方法です。
実は、これまで解説で使っていた記載例はすべて全力法人税を使って簡単に量産していました。
全力法人税がどのくらい簡単に申告書を作成できるかについては、例を出して説明した方がわかりやすいと思いますので、全力法人税の入力画面を紹介しながらその効率性を解説していきたいと思います。
入力画面は次のようになっています。
この画面では次のような順序で入力していきます。
❶ 期首現在未納となっている税額を入力。(前期も全力法人税を使っている場合は、自動で反映されています。)
❷ ❶の未納税額をどのように納付したかを入力する。
❸ 中間税額がある場合に、納付状況を入力する。
❹ 該当するその他の税目があれば入力する。
❶〜❹を入力すると当期の税額や納税充当金の計算部分、別表4や別表5(1)に転記すべきものもすべて記載されたものが一発で出力されます。
出力例を次にお示しします。
別表5(2)作成例
別表4作成例
別表5(1)作成例
このように面倒な転記や、別表1で法人税の計算をし、第6号様式と第20号様式で地方税の計算をしてから別表5(2)に戻ってくるといったことなしに、そのような計算は全て自動で行われるため、1発で別表4、別表5(1)、別表5(2)が作成できてしまいます。
なお、この別表5(2)の入力画面までに次のように、基本情報の登録や、当期の決算の状況を入力する必要があります。
❶ 基本情報を入力後「保存」して「次へ」を選択する
法人名や決算期等の法人の基本的な情報を入力してください。
❷ 「申告情報」を入力後「保存」して「次へ」を選択する
作成を行う申告書の情報を入力してください。
❸ 「決算情報」の会計データのインポートもしくは、入力を行う。
全力法人税で申告書の作成を行うには、「決算情報」を会計ソフトから出力した会計データをインポートするか、または入力する必要があります。
弥生会計(弥生オンライン含む)、MFクラウド会計、freee、会計王の会計データを全力法人税に取り込むことができます。
またその他の会計ソフトの場合は会計データを全力法人税に取り込める形に整形することでインポートすることも可能です。
全力法人税へインポートするマニュアルを参考までに以下に挙げておきます。
弥生会計からデータをインポートする方法
Freee(フリー)の会計データをインポートする方法
マネーフォワードの会計データをインポートする方法
弥生会計オンラインの会計データをインポートする方法
会計王の会計データをインポートする方法
あらゆる会計ソフトの会計データをインポートする方法
今回はイメージがしやすい会計ソフトのデータを読み込まずに申告書を作成する方法をご紹介します。
その場合は、次の画面で「その他の方法で作成する」を選択します。
手入力が増えますが、それでも簡単に申告書を作成することができます。
法人税の申告書を作成するのに必要な決算情報を入力します。
このデータだけで法人税の確定申告に必要な別表を簡単に作成できます。
入力が終わったら「登録」ボタンを押します。
このように法人税の申告に必要な法人の状況や決算の状況を入力し、そして先ほどの別表5(2)の入力画面で必要事項を入力すれば、面倒な別表5(2)ができ、別表4と別表5(1)への必要な転記も完了しているのです。
全力法人税は、法人税の知識がなくても誰でもかんたんに法人税の申告書が作成できるをコンセプトとしたソフトです。
かなりの高機能にもかかわらず一部の申告書の出力を除いてすべての機能を無料で利用できます。これほど高機能で無料で利用できるものを他に知りません。
実績は、これまでアカウントの登録数は18,000を超えています。
元国税調査官・税理士が監修しており、お客様レビューでの高評価数550件越えで信用できます。
レビューの詳細をご覧になりたい方は次のボタンをクリックしてください。
別表5(2)を手書きで作成、そして別表5(1)や別表4に転記した場合と、全力法人税を使って別表5(2)の作成と別表5(1)や別表4への転記をした場合の比較をしてみます。
別表5(2)の作成を手書きでした場合と全力法人税でした場合の比較表
手書き | 全力法人税 | |
---|---|---|
申告書の書き方の知識 | いる | いらない |
作成時間(別表4 別表5(1)転記含む)※ | 約60分 | 最短5分 |
転記ミスの可能性 | あり | なし |
申告書の見た目 | 字による | 印字 → 整然としている |
価格 | 無料 | 無料 ただしすべての申告書類を出力したい場合 年間10,000円+税(初年度19,620円+税) |
電子申告 | できない | できる |
全力法人税は、一部の申告書の出力を除いてすべての機能を無料で利用できますが、別表4と別表5(1)、別表5(2)は有料版でないと出力はできません。(有料版と無料版の違い)
ただし、無料版でも画面上で多くの部分を確認することができますので、無料版の全力法人税の画面を見ながら別表を書くことで何倍も早く正確に別表4と別表5(1)、別表5(2)を作成することに役立てることができます。
全力法人税で無料で確認できる別表5(2)、別表5(1)、別表4の画面を確認してみましょう。
全力法人税「納税充当金の計算」画面
全力法人税「別表4」画面
全力法人税「別表5(1)」画面
このように全力法人税は、無料版でも法人税の確定申告書作成にかなり貢献してくれます。
アカウント登録は、全部の書類を印刷したい場合にのみ有料会員となる必要があるだけで、それ以外の機能をすべて無料で利用することができますので、どんな感じで作成されるかをしっかり確認した上で、購入することが出来るので、ご安心ください。
法人税の知識不要で法人税の申告書類一式が作成でくるクラウドソフト「全力法人税」を試してみたい方は次のボタンをクリックして詳細を確認してみてください。
6 別表5(2)のまとめ
いかがだったでしょうか。
別表5(2)とは何の目的で作成し、どのように書いていくのかということを確認してきました。
中小企業に絞ったことで書き方がシンプルでわかりやすかったと思います。
また3つのケースを使ってその書き方をわかりやすく解説しましたので、自社のケースに合わせて順を追って書いていくことで初心者の方でも別表5(2)を難なく書き上げられたことと思います。
また別表5(2)を完成させたら別表4と別表5(1)に転記する事項がたくさんありました。
その転記の仕方も図解で解説してきました。
この図を参考にすれば、誰でも簡単に転記ができたと思います。
別表5(2)の作成や別表4や別表5(1)の転記が面倒な場合は、全力法人税という税務ソフトを使えば何倍ものスピードで完成させることができました。
今回は、大企業を含めたすべての会社を対象に解説すると複雑になって難解になってしまう別表5(2)について、中小企業に的を絞ることによって誰にでも書けるやさしい書き方の解説となったと思います。
このように「全力経理部」では、中小企業に対象を絞って誰でも簡単に法人税の申告書を作成できる記事を多数掲載しています。よかったら別の申告書類の書き方も参照していただければと思います。
はじめまして。
ものすごくわかり易かったです。
先生のおかげで、法人税申告等に関する色々な疑問が溶けました。
実は、第1期目の法人確定申告の準備をしていたのですが、頭から煙が出るような状態が続き、急遽決算を税理士さんにお願いする寸前でした。
大変ありがとうございました。感謝に耐えません。