消費税の非課税取引とは|誰でもわかる素人のための消費税9

非課税取引とは

元国税調査官・税理士による、消費税についてよく知らない、専門家でない一般の方に向けた記事です。

すべての方に向けて網羅的に説明すると市販の参考書のようにわかりにくいものになりますので、中小企業向け、一般の方向けに的を絞ってわかりやすく解説します。

この記事を書いた人

税理士(元国税調査官)

税務署に12年間勤務。主に法人税の調査に従事。

現在は、クラウド税務ソフト「全力法人税」、「全力消費税」や「全力電子帳簿」等を提供するジャパンネクス株式会社の代表を務める。

税務署側の視点を交えながら、主に法人税・消費税について一般の方に向けて実務に直結した税務情報を分かりやすく解説します。

ジャパンネクス株式会社

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非課税取引の位置づけ

消費税がかかるかからないの判定(以後「消費税の課否判定」といいます。)をする際に、判定を要する取引について次のように分類するのが一般的です。

  • 課税取引
  • 非課税取引
  • 免税取引(輸出等)
  • 不課税取引

それぞれの用語が消費税の課否判定を考える上でどのような位置付けになるかを図解でお示しします。

消費税の課否判定の概要(図解)

消費税課税の対象図解

今回は、図解のうち左側の輸入取引以外の取引について解説します。

図の1段目は「事業者が行う取引」から始まっていますが、そもそも事業者が行う取引でないと、消費税はかかりません。例えばサラリーマンの方が生活用の資産を売ったとしても消費税はかかりません。

2段目)事業者が行う取引のうち、国外の取引は消費税のかからない取引(不課税取引)になります。

3段目)事業者が行う国内の取引のうち、有償で行われる商品の売買、サービスの提供、資産の貸付け以外のものは不課税取引になります。例えばある資産の無償でもらい受けたとしても有償でないので消費税はかかりません。

4段目)事業者が行う国内の取引のうち、有償で行われる商品の売買、サービスの提供、資産の貸付けのうち、非課税取引に該当するもの以外で、さらに免税取引(輸出等)にも該当しないものに消費税がかかります。その消費税がかかる取引を課税取引といいます。

つまり、課税取引というのは消去法で判定されるものであることがわかります。

それでは本題である、この非課税取引について解説していきます。

(参考)

国内取引か国外取引かの判定に関する記事

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有償で行われる商品の売買、サービスの提供、資産の貸付けに関する記事

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消費税の非課税取引とは

上記の図解でわかるとおり、消費税の非課税取引とは、課税取引となる可能性のあるものから特別に除外される位置付けにあります。

非課税取引にあたる15項目

この非課税取引とされる取引は、以下の項目に限定されています。

(各項目に貼られているリンク先の記事では、その項目について実務上重要な点を解説しています。)

  1. 土地の売買・貸付け
  2. 有価証券、支払手段の取引
  3. 利子、保証料、保険料等
  4. 郵便切手類、印紙、証紙の取引
  5. 物品切手等(商品券、プリペイドカード等)の取引
  6. 国、地方公共団体等の行政サービス(住民票の手数料等)
  7. 外国為替に関するサービス
  8. 社会保険医療等
  9. 介護保険サービス、社会福祉事業等のサービス
  10. 助産
  11. 埋葬料、火葬料
  12. 一定の身体障害者用物品の売買、貸付け等
  13. 各種学校等の授業料、入学金、施設設備費等
  14. 教科用図書の売買
  15. 住宅の貸付け

以上の項目に該当する取引である場合は、非課税取引として、消費税が課されません。

なぜ消費税が課されないのか

なぜこの15項目が特別に課税されないのでしょうか。

1〜7までの取引は、消費税は消費に対して課税する性格から、その性質になじまないもの(要するに消費されるものでないもの)と言われており、8〜15については、社会政策的な配慮から課税しないものと言われています。

まとめ

非課税取引として限定列挙されている取引は、消費税という消費に広く負担を求めるという性格上特別に除外されているものです。したがって、上記15項目に該当するものは自動的に非課税取引として消費税がかからないと判断することができます。

非課税項目として挙げられている15項目のうち、実務上重要な項目について解説している記事にリンクを貼っていますので、詳しくお知りになりたい場合は、ご覧ください。

 

執筆者 ジャパンネクス株式会社代表 元国税調査官 税理士 海野 耕作

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