住居の賃貸と消費税|素人のための消費税5

住居の賃貸と消費税

元国税調査官による、消費税についてよく知らない、専門家でない一般の方に向けた記事です。

すべての方に向けて網羅的に説明すると市販の参考書のようにわかりにくいものになりますので、中小企業向け、一般の方向けに的を絞ってわかりやすく解説します。

住宅の賃貸の消費税の取り扱い

住宅の賃貸には、消費税はかかりません。

消費税法上は、非課税取引に分類されます。

しかしながら、住宅の賃貸であればすべてが消費税がかからないというわけではありません。

住宅の賃貸が非課税となるには、次の条件があります。

非課税となる最も重要な条件

契約書で居住用である旨明記している

それは、賃貸借の契約において、居住用であることが明らかにされている必要があります。

契約書の中で、物件の用途が居住用であることが明記されていない場合は、非課税になりません。つまり消費税がかかることになります。

これは、実態は関係ありませんので、消費税の申告をしている場合で、ある物件を実態は事務所で使用していたとしても、契約が居住用であれば、課税仕入れにすることはできません。

貸付期間が1ヶ月以上

非課税とするには、契約期間が1ヶ月以上である必要があります。

契約の段階で1ヶ月に満たない期間で賃貸することを約している場合は、消費税がかかります。

一般的にいうマンスリーマンションは、契約が1ヶ月単位で行われていれば消費税はかからないということになります。

旅館業法第2条第1項に規定する旅館業に該当しない

旅館業法第2条第1項に規定する旅館業に係る施設の貸付けに該当する場合は、非課税とはならず、消費税がかかります。

上記の例で、対象のマンスリーマンションが、旅館業に該当している場合は、消費税はかかることになります。

マンスリーマンションの形態によっては、旅館業に該当する場合も該当しない場合もあるようです。

その他の注意点

店舗等併設住宅の取り扱い

住宅と店舗又は事務所などの事業用施設が併設されている建物を一括して賃貸する場合には、住宅として貸し付けた部分だけが非課税となります。

(注) この場合は、家賃を住宅の貸付け部分の金額と事業用の施設の貸付け部分の額とに合理的に区分することになります。

消費税基本通達6-13-6

家賃の範囲

家賃には、月決め等の家賃のほか、敷金、保証金、一時金等のうち返還しない部分やいわゆる共益費も含まれます

消費税基本通達6-13-9

まとめ

住居の賃貸に関して、重要な部分をまとめました。

住居の賃貸の消費税の取り扱いで注意を要する点は、契約書に居住用、住居用、住宅用など、居住用であることが明記されている場合のみ消費税がかからないという点です。

賃貸する大家さん側では、消費税をかからないようにするには、契約書に居住用である旨明記する必要がありますし、消費税を申告する事業者の方は、賃借するときに契約書に居住用の文言があれば課税仕入れになりませんし、なければ課税仕入れにすることができます。(他の条件を満たして入れば)

執筆者 ジャパンネクス株式会社代表 元国税調査官 税理士 海野 耕作

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