消費税は事業として対価を得ていなければかからない|素人のための消費税2

消費税についてよく知らない、専門家でない一般の方に向けた記事です。

すべての方に向けて網羅的に説明すると市販の参考書のようにわかりにくいものになります。中小企業向け、一般の方向けに的を絞ってわかりやすく解説します。

事業として

はじめに

消費税は、国内において事業者が行なった取引に課すことになっていますので、ある取引に消費税がかかるかどうかを考えるときに、その取引が「事業者が行った」取引に該当するかどうかを判定する必要があります。

事業者が行った取引でなければ消費税がかからない取引ということになります。

事業者が行った取引 とは

事業者が行った取引とは、

事業者が事業として対価を得て行う取引が反復、継続、独立して行われること

をいいます。

事業として とは

法人がする取引はすべて「事業として」に該当します。
個人事業主が行う取引も、対価を得て反復、継続、独立して行われる場合は「事業として」に該当しますが、生活のために使用していた資産を売却する場合は「事業として」に該当しません。

サラリーマンがメルカリなどで自分の持ち物を売るような行為は事業としてには該当しないことになります。したがって消費税はかかりません。

対価を得て とは

対価を得てとは、モノを売ったり、提供したサービスに対して金銭などの反対給付を受けることをいうので、無償による取引には原則消費税はかからないことになります。

当たり前のことのようですが、タダで何かをしてあげた場合や物をあげた場合は事業としてに該当しないので、消費税はかかりません。(対価性がないと表現します。)

例えば、国又は地方公共団体等から受ける奨励金若しくは助成金等又は補助金等は対価性がなく、消費税がかかりません。保険事故により支払われる保険金なども対価性がありません。

ただし、個人事業主が行う商品や事業用資産のいわゆる家事消費や家事使用、法人がその役員に贈与した場合は対価を得て行ったものとみなされますので注意が必要です。

また次の行為は対価を得て行われた取引として扱われます。

  • 代物弁済(例えば、借金の返済の代わりに土地を引き渡す行為)
  • 負担付き贈与(例えば、借金の返済を肩代わりしてもらうことを条件に土地を贈与する行為)
  • 現物出資

勘定科目での消費税可否判定

それでは、これまでの原則に基づいて消費税がかからないと判断できる勘定科目について考えてみます。

給与手当、役員報酬、賞与等の給与の支払い

給与所得者は、雇用契約に基づき、役務の提供をする者であり、独立して事業を行う者に該当しないため「事業として」に当たらず課税の対象外(消費税はかからない。以下同様)になります。

法人税、住民税及び事業税等の国や地方公共団体に支払う税金

税金を納めるという行為は、取引に対する直接的な反対給付ではないため、対価を得て行う取引に当たらず課税の対象外になります。

寄付金

寄付は対価を求めませんので、対価を得て行う取引に当たらず課税の対象外です。

会費の支払い

一概には言えませんが原則対価を得て行う取引に当たらず課税の対象外です。

同業者団体、組合等がその団体としての通常の業務運営のために経常的に要する費用をその構成員に分担させ、その団体の存立を図るというようないわゆる通常会費については、資産の譲渡等の対価に該当しないものとして取り扱って差し支えない。(消費税基本通達5-5-3)

ただし

名目が会費等とされている場合であっても、それが実質的に出版物の購読料、映画・演劇等の入場料、職員研修の受講料又は施設の利用料等と認められるときは、その会費等は、事業の対価に該当することとする。(消費税基本通達5-5-3)

注意点

ちょっと専門的な話になってしまいますが、次のケースはどうなるでしょう。

例えば、事業を行っていない一般の方から物を仕入れるリサイクルショップや中古車販売などは、仕入れとして支払った金額を課税仕入れとして消費税を引くこと(仕入税額控除)ができないのかという疑問を消費税に詳しい方は思うかもしれません。

結論は、事業を行っていない方が売る行為には消費税はかかりませんが、仕入れ側では課税仕入れとすることができます。

免税事業者から仕入れた場合や事業者ではない消費者から仕入れた場合も、仕入税額控除の対象となります。

国税庁タックスアンサー

まとめ

今回は「事業者が行った」というポイントにスポットを当てました。

事業者が事業として行っていなければ消費税がかからないし、対価を得て行っていなければ基本的には消費税はかからないというところがポイントでした。

消費税がかかるかどうかを考えるときにこの事業の対価として行う取引かどうかを考えることで、課税の対象からはじかれる感覚が養われます。

例に挙げたように、慣れてしまえば給与や税金、寄付金などは事業の対価でないことはすぐわかるようになるかと思います。

執筆者 ジャパンネクス株式会社代表 元国税調査官 税理士 海野 耕作

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