1 仕訳日記帳機能の概要
「仕訳日記帳」画面では、次のことができます。
・登録した仕訳の閲覧
・仕訳の修正
・仕訳の削除
1-1 仕訳日記帳の役割
法人が行ったすべての取引を仕訳という形で記録するのが簿記の基本です。
その仕訳が記録される帳簿を「仕訳日記帳」と呼びます。
簿記の目的は、決算書を完成させることです。
それではその目的のために簿記は何をするものなのかというと、日々の取引を仕訳日記帳に仕訳として記録していくことです。
この仕訳日記帳の仕訳を集計して「総勘定元帳」や「残高試算表」、「決算書」が作られます。
上の図から仕訳日記帳がすべての元になっていることを理解していただけると思います。
つまり、
なのです。
これさえできれば、後は
ここまでを要約しますと、経理の実務でまず第一にすべきことは、
1-2 仕訳入力の決まりごと
仕訳日記帳へ仕訳を登録するにあたり、仕訳の基本的な約束事がありますので、最初に確認します。
・借方と貸方の金額は同じになる
借方に勘定科目が2つのあるような複数行の仕訳もありますが、借方と貸方の合計金額は同じになります。
・勘定科目は取引の内容を表す会計特有の科目
・補助科目は入力しなくてもよい(勘定科目を細かく分類でき便利)
補助科目に取引先などを入力しておくと、補助科目ごとに集計できたり、仕訳内容がわかりやすくなるため、入力すると業務改善や業務の効率化につながります。ただし、補助科目を設定しなくても特に会計ルール的には問題ありません。
・一度設定した勘定科目は会計期間の途中で変更しない
例えば、車のガソリン代を「車両費」として計上していたが、途中で「燃料費」として計上することは認められません。
・勘定科目が借方と貸方どちらに仕訳するかにはルールがある
勘定科目を入力する場所(借方or貸方)も決まりがあります。
勘定科目は種類別に「資産」「負債」「純資産」「収益」「費用」のグループに分類されており、分類されたグループごとに「金額が増えたら「借方」に入力、減ったら「貸方」に入力する」といった決まりがあります。
各分類ごとの決まりは次のようになっています。
資産:増えたら「借方」、減ったら「貸方」
費用:増えたら「借方」、減ったら「貸方」
負債:増えたら「貸方」、減ったら「借方」
収益:増えたら「貸方」、減ったら「借方」
純資産:増えたら「貸方」、減ったら「借方」
各グループについての詳細は次の記事で詳しく説明していますのでご確認ください。

1-3 取引の勘定科目がわからないときは
仕訳入力をしていると、「この取引はどの勘定科目を使用すればよいかわからない」「勘定科目の分類がわからない」といった疑問が生じるかと思います。
そんな時は、「勘定科目辞書」をご活用ください。
画面中央の「取引内容をキーワードで入力してください」に勘定科目名や取引内容を入力すると、関連するページが一覧で表示されます。
例えば、会計ソフトの利用料の勘定科目がわからないとします。
「会計ソフト」というキーワードで検索すると「通信費」「支払手数料」という候補がヒットするという要領です。
ここまで簿記の超基本について説明してきました。
簿記について詳しく知りたいという方は、初心者向けに0から簿記の実務を学べる記事を用意していますので、そちらをご覧いただけると簿記を0から体系的に学ぶことができます。

2 仕訳の入力方法
全力会計での「仕訳日記帳」への仕訳の入力手順について説明します。
1つの項目の入力が完了したら「タブ」「エンター」キーを押すと、次の項目にカーソルが移っていきます。
そして次の仕訳行にカーソルが移ると仕訳が保存されます。
2-1 入力手順
1 日付を入力します
2 仕訳辞書を登録していて、利用する場合は「∨」マークをクリックし、プルダウンより利用したい仕訳辞書名を選択します(使用しない場合は、3に進みます)
3 借方勘定科目を選択します
(ラベルを登録してる場合は、ラベルを選択することもできます)
4 補助科目(取引先)を選択します(補助科目がない場合は、5に進みます)
(参考)全力会計の補助科目と取引先の関係

5 タグを選択します(タグを設定しない場合は、6に進みます)
6 借方金額を入力します
(消費税額は「事業所管理」で選択した経理方式及び「税区分」に基づき、自動で計算されます)
7 税区分を選択します
(選択した勘定科目が一般的に使用する税区分が自動で表示されていますので、変更がある場合は、プルダウンより選択してください)
税区分がよくわからない方は、次の記事で詳しく解説しています。

8 貸方勘定科目を選択します
(ラベルを登録してる場合は、ラベルを選択することもできます)
9 補助科目を選択します(補助科目がない場合は、10へ進みます)
10 タグを選択します(タグを設定しない場合は、11に進みます)
11 貸方金額を入力します
(消費税額は「事業所管理」で選択した経理方式及び「税区分」に基づき、自動で計算されます)
12 税区分を選択します
(選択した勘定科目が一般的に使用する税区分が自動で表示されていますので、変更がある場合は、プルダウンより選択してください)
13 取引内容を入力します
(青色申告の法人は、仕訳帳に記載しなければならない事項が決まっています。取引先と取引内容は原則どの仕訳にも入力する必要があります。)
(参考)青色申告法人が保存する国税関係帳簿書類とは

14 メモを入力します
(紙のマークをクリックすると、入力画面に移動します。100文字以内で入力してください。
入力されている場合は、紙マークが青色に変化します。メモを仕訳日記帳の検索機能で検索できますので、後で見直したい事項などがあればメモ欄に入力します。)
15 別の仕訳行をクリックして入力した仕訳を保存します
(画面右下に「会計データを保存されました」のメッセージが表示されます。タブやエンターで入力を進めていた場合は、次の仕訳行に移った段階で保存されます。)
※入力内容に不備がある場合は、入力内容に不備がある場合は、メモ欄にメッセージが表示され、該当箇所が赤枠で表示されます。
2-2 仕訳の検索方法
「仕訳日記帳」に登録されている仕訳の検索方法は次のとおりです。
1 「検索」ボタンを押します。
2 検索したい項目を入力して、「検索」ボタンを押すと、該当する仕訳が表示されます。
3 別の項目で再検索した場合は、「クリア」ボタンを押すと、入力内容が削除され初期状態に戻ります。
2-3 仕訳日記帳画面説明
「仕訳日記帳」画面について説明します。
❷検索:ボタンを押すと、検索フォームが表示されます。
❸ラベル表示:ラベルの表示・非表示を選択できます。
❹PDF出力:表示されている仕訳をPDF出力します。
❺仕訳:保存されている仕訳が表示されています。
❻削除:ボタンを押すと、登録されいてる仕訳を削除することができます。
2-4 仕訳の修正
登録されている仕訳を修正する方法は次のとおりです。
1 修正したい仕訳の欄をクリックして、修正してください。
※複数仕訳の場合は、削除したい行の左端にある「-」を押すことで、行ごと削除することができます。
2 仕訳を修正後、別の行をクリックすると、修正した内容が「保存」されます。
(保存されると画面右下に「会計データを保存しました」のメッセージが表示されます)
※入力内容に不備がある場合は、メモ欄にメッセージが表示され、該当箇所が赤枠で表示されます。
2-5 仕訳の削除
登録されている仕訳を削除する方法は次のとおりです。
1 削除したい仕訳の右端にある「ごみ箱」マークをクリックしてください。
2 「本当に削除してもよろしいですか?」と確認メッセージが表示されますので、「OK」を押してください。
2-6 仕訳入力の便利機能
全力会計では、「ラベル機能」や「仕訳辞書」という機能があります。
ラベル機能:勘定科目や取引先を「ラベル」として登録でき、勘定科目選択時に呼び出すことができる機能。ラベルを選択すると、勘定科目、取引先、税区分、インボイス有無という4つの事項を1つの選択できます。
例えば、ガソリンをいれる取引に「ガソリン」というラベルをつけます。そしてこのラベルに「車両費」「取引先名」「課対仕入10%」「インボイス有無」を関連づけておけば、ガソリンがどの勘定科目かを2度と考えなくて良くなります。
仕訳辞書:仕訳内容を登録でき、仕訳入力時に呼び出すことができる機能。給与の支払いなど、複数仕訳になるような仕訳をテンプレートとして登録することで、複雑な仕訳をワンクリックで仕訳日記帳に表示させることができます。あとは金額を修正すればよいので仕訳登録が効率的に行えます。
これらの機能を活用することで、仕訳時にこの取引の勘定科目が何だったか確認する手間が減り、誤った入力を防ぐことができます。
また仕訳入力する手間を減らすことができるので、入力作業の効率化につながります、ぜひご活用ください。
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