全力会計マニュアル16 ー仕訳日記帳ー

1 仕訳日記帳機能の概要

全力会計メニュー「仕訳登録」>「仕訳日記帳」画面

 

「仕訳日記帳」画面では、次のことができます。

・仕訳の登録
・登録した仕訳の閲覧

・仕訳の修正
・仕訳の削除

 

1-1 仕訳日記帳の役割

法人が行ったすべての取引を仕訳という形で記録するのが簿記の基本です。

その仕訳が記録される帳簿を「仕訳日記帳」と呼びます。

簿記の目的は、決算書を完成させることです。

それではその目的のために簿記は何をするものなのかというと、日々の取引を仕訳日記帳に仕訳として記録していくことです。

この仕訳日記帳の仕訳を集計して「総勘定元帳」や「残高試算表」、「決算書」が作られます。

仕訳帳がすべての中心イメージ

上の図から仕訳日記帳がすべての元になっていることを理解していただけると思います。

つまり、

経理の実務は、日々の取引を仕訳日記帳に登録すること!

なのです。

これさえできれば、後は

会計ソフト(全力会計)が残高試算表や決算書などの帳簿書類を自動で集計して作成します。

 

ここまでを要約しますと、経理の実務でまず第一にすべきことは、

会社の全ての取引を仕訳日記帳に仕訳にして記録すること!
これが何よりも重要なことです!

 

1-2 仕訳入力の決まりごと

仕訳日記帳へ仕訳を登録するにあたり、仕訳の基本的な約束事がありますので、最初に確認します。

・借方と貸方の金額は同じになる

借方に勘定科目が2つのあるような複数行の仕訳もありますが、借方と貸方の合計金額は同じになります。

・勘定科目は取引の内容を表す会計特有の科目

勘定科目とは

・補助科目は入力しなくてもよい(勘定科目を細かく分類でき便利)

補助科目に取引先などを入力しておくと、補助科目ごとに集計できたり、仕訳内容がわかりやすくなるため、入力すると業務改善や業務の効率化につながります。ただし、補助科目を設定しなくても特に会計ルール的には問題ありません。

補助科目とは

・一度設定した勘定科目は会計期間の途中で変更しない

例えば、車のガソリン代を「車両費」として計上していたが、途中で「燃料費」として計上することは認められません。

・勘定科目が借方と貸方どちらに仕訳するかにはルールがある

勘定科目を入力する場所(借方or貸方)も決まりがあります。

勘定科目は種類別に「資産」「負債」「純資産」「収益」「費用」のグループに分類されており、分類されたグループごとに「金額が増えたら「借方」に入力、減ったら「貸方」に入力する」といった決まりがあります。

各分類ごとの決まりは次のようになっています。

資産:増えたら「借方」、減ったら「貸方」

費用:増えたら「借方」、減ったら「貸方」

負債:増えたら「貸方」、減ったら「借方」

収益:増えたら「貸方」、減ったら「借方」

純資産:増えたら「貸方」、減ったら「借方」

各グループについての詳細は次の記事で詳しく説明していますのでご確認ください。

実務で使える簿記と仕訳の基本を0から習得!税理士がわかりやすく解説
簿記のことが全然知らなけど経理をしなければいけなくなったという初心者に向けに税理士が「簿記とは」「仕訳とは」という簿記の基本をわかりやすく解説する簿記入門講座です。簿記の全体の流れを確認して、仕訳の仕方、読み方を理解して決算書の作成までわか...

1-3 取引の勘定科目がわからないときは

仕訳入力をしていると、「この取引はどの勘定科目を使用すればよいかわからない」「勘定科目の分類がわからない」といった疑問が生じるかと思います。

そんな時は、「勘定科目辞書」をご活用ください。

勘定科目辞書

画面中央の「取引内容をキーワードで入力してください」に勘定科目名や取引内容を入力すると、関連するページが一覧で表示されます。

例えば、会計ソフトの利用料の勘定科目がわからないとします。
「会計ソフト」というキーワードで検索すると「通信費」「支払手数料」という候補がヒットするという要領です。

会計ソフトの勘定科目検索例(勘定科目辞書)

ここまで簿記の超基本について説明してきました。

簿記について詳しく知りたいという方は、初心者向けに0から簿記の実務を学べる記事を用意していますので、そちらをご覧いただけると簿記を0から体系的に学ぶことができます。

実務で使える簿記と仕訳の基本を0から習得!税理士がわかりやすく解説
簿記のことが全然知らなけど経理をしなければいけなくなったという初心者に向けに税理士が「簿記とは」「仕訳とは」という簿記の基本をわかりやすく解説する簿記入門講座です。簿記の全体の流れを確認して、仕訳の仕方、読み方を理解して決算書の作成までわか...

 

2 仕訳の入力方法

全力会計での「仕訳日記帳」への仕訳の入力手順について説明します。

1つの項目の入力が完了したら「タブ」「エンター」キーを押すと、次の項目にカーソルが移っていきます。

そして、仕訳に必要な項目※がすべて揃った後、別の仕訳行をクリックするか、タブやエンターで入力を進めていた場合は、次の仕訳行に移った段階で入力した仕訳が保存されます。
※日付と借方貸方の勘定科目、金額と税区分

入力項目にエラーがあると、メモ欄にエラー内容が表示され保存されません。

保存されると画面右下に「会計データを保存しました」のメッセージが表示されます。

すでに入力済みの仕訳を編集する場合は、次のルールで保存されます。

仕訳の編集の場合の保存について

「勘定科目」「補助科目」「税区分」等、プルダウンで項目を選択する欄は、選択肢を変更した時点で、保存されます。

「日付」「金額」「取引内容」等、文字を入する欄は、文字や数字を入力後、仕訳の中の別のフォームを選択(クリック)すると、保存されます。

 

2-1 入力手順

1 日付を入力します

2 仕訳辞書を登録していて、利用する場合は「∨」マークをクリックし、プルダウンより利用したい仕訳辞書名を選択します(使用しない場合は、3に進みます)

3 借方勘定科目を選択します
ラベルを登録してる場合は、ラベルを選択することもできます)

4 補助科目(取引先)を選択します(補助科目がない場合は、5に進みます)

(参考)全力会計の補助科目と取引先の関係

全力会計の「取引先」と「補助科目」の取り扱いについて詳しく解説
従来型の会計ソフトに親しんでいる方にとって、全力会計の「補助科目」と「取引先」の棲み分けがどうなっているのか疑問に思う場面があるかもしれません。または、簿記に親しんでいない方が、仕訳日記帳を見たときに「補助科目とは何だろう?」と疑問に思うか...

5 タグを選択します(タグを設定しない場合は、6に進みます)

6 借方金額を入力します
(消費税額は「事業所管理」で選択した経理方式及び「税区分」に基づき、自動で計算されます)

7 税区分を選択します(※インボイスの有無も確認します
(選択した勘定科目が一般的に使用する税区分が自動で表示されていますので、変更がある場合は、プルダウンより選択してください)

税区分がよくわからない方は、次の記事で詳しく解説しています。

会計ソフトの消費税の税区分とは?その意味と選び方を元国税・税理士が徹底解説
会計ソフトで仕訳を登録していると、登録された「勘定科目」に合わせて自動で消費税の「税区分」が登録されていることに気づくと思います。消費税を申告して納税する義務があるにもかかわらず、この事実に気付いていない場合はたいへん危険です。正確な申告書...

※インボイス発行事業者からの課税対象仕入の場合は、チェックをつけ、そうでない場合は、チェックを外します。

なお、インボイス制度の少額特例に該当する場合は、自動でチェックがつき、チェックを外すことはできません。

詳しくはこちらをご覧ください。

全力会計のインボイス制度への対応について
令和5年(2023年)10月1日以降の取引において、確定申告で消費税額を計算する際に仕入税額控除を行うにあたり、原則適格請求書(以下インボイスという。)の保存が要件になりました。つまり、支払い時にインボイスの交付を受けない場合は、その支払っ...

8 貸方勘定科目を選択します
(ラベルを登録してる場合は、ラベルを選択することもできます)

9 補助科目を選択します(補助科目がない場合は、10へ進みます)

10 タグを選択します(タグを設定しない場合は、11に進みます)

11 貸方金額を入力します
(消費税額は「事業所管理」で選択した経理方式及び「税区分」に基づき、自動で計算されます)

12 税区分を選択します(※インボイスの有無も確認します
(選択した勘定科目が一般的に使用する税区分が自動で表示されていますので、変更がある場合は、プルダウンより選択してください)

※インボイス発行事業者からの課税対象仕入の場合は、チェックをつけ、そうでない場合は、チェックを外します。

なお、インボイス制度の少額特例に該当する場合は、自動でチェックがつき、チェックを外すことはできません。

13 取引内容を入力します
(青色申告の法人は、仕訳帳に記載しなければならない事項が決まっています。取引先と取引内容は原則どの仕訳にも入力する必要があります。)

(参考)青色申告法人が保存する国税関係帳簿書類とは

法人に保存義務がある国税関係帳簿書類とは?元国税・税理士が解説
法人税法で保存が義務付けられている国税関係帳簿書類について解説します。保存する帳簿書類の内容が、青色申告法人と白色申告法人で異なりますので、それぞれ区別して解説していきたいと思います。なお、連結申告法人については、対象外としています。まずは...

14 メモを入力します
(紙のマークをクリックすると、入力画面に移動します。100文字以内で入力してください。
入力されている場合は、紙マークが青色に変化します。メモを仕訳日記帳の検索機能で検索できますので、後で見直したい事項などがあればメモ欄に入力します。)

15 別の仕訳行をクリックして入力した仕訳を保存します
(画面右下に「会計データを保存しました」のメッセージが表示されます。タブやエンターで入力を進めていた場合は、次の仕訳行に移った段階で保存されます。)

※入力内容に不備がある場合は、入力内容に不備がある場合は、メモ欄にメッセージが表示され、該当箇所が赤枠で表示されます。

 

2-2 仕訳入力のコピー機能

仕訳日記帳で仕訳を登録する際に、1つ前に仕訳がある場合は、入力しようとした欄に、1つ前に仕訳の同じ箇所の値がコピーされます。

例えば1つ前の仕訳の「借方勘定科目」が「仕入高」であった場合、新規登録しようとしている仕訳の「借方勘定科目」欄がアクティブになると「仕入高」という値がコピーされます。

入力しようとしている欄はアクティブ状態になりますので、そのまま上書きできますので、修正する手間はなく、空欄であるのと違いはありません。つまり、コピーされるのが煩わしいということはありません。

同じ仕訳を連続して入力する際に便利です。

 

2-3 複数行の仕訳の入力方法

複数行の仕訳を登録する場合は、「日付」欄にある「+」をクリックすると、新しい行が追加されます。

全力会計 行の追加

全力会計 複数行

登録が済むと、同じ伝票No.で複数行の仕訳が登録されます。

 

2-4 仕訳日記帳画面説明

「仕訳日記帳」画面について説明します。

❶月:選択した月の仕訳が表示されます。左端の「〇〇年度」を選択するとすべての仕訳が表示されます。
❷検索:ボタンを押すと、検索フォームが表示されます。
❸ラベル表示:ラベルの表示・非表示を選択できます。
❹未収・未払等一覧:クリックすると未収債権・未払債務一覧を表示します。
❺エクスポート:表示されている仕訳をPDF及びcsv出力します。
❻仕訳:保存されている仕訳が表示されています。
❼削除:ごみ箱マークを押すと、登録されている仕訳を削除することができます。

 

2-5 ログ機能

仕訳日記帳には、誰がいつどのような操作をしたかを確認することができるログ機能があります。

ログを表示させる方法は次のとおりです。

1 仕訳のメモ欄にある右端の人型のマークをクリックします。

2 「変更履歴」画面が開き、その仕訳のログが表示されます。

 

2-6 仕訳入力の便利機能

全力会計では、「ラベル機能」や「仕訳辞書」という機能があります。

ラベル機能:勘定科目や取引先を「ラベル」として登録でき、勘定科目選択時に呼び出すことができる機能。ラベルを選択すると、勘定科目、取引先、税区分、インボイス有無という4つの事項を1つの選択できます。
例えば、ガソリンをいれる取引に「ガソリン」というラベルをつけます。そしてこのラベルに「車両費」「取引先名」「課対仕入10%」「インボイス有無」を関連づけておけば、ガソリンがどの勘定科目かを2度と考えなくて良くなります。

仕訳辞書:仕訳内容を登録でき、仕訳入力時に呼び出すことができる機能。給与の支払いなど、複数仕訳になるような仕訳をテンプレートとして登録することで、複雑な仕訳をワンクリックで仕訳日記帳に表示させることができます。あとは金額を修正すればよいので仕訳登録が効率的に行えます。

これらの機能を活用することで、仕訳時にこの取引の勘定科目が何だったか確認する手間が減り、誤った入力を防ぐことができます。

また仕訳入力する手間を減らすことができるので、入力作業の効率化につながります、ぜひご活用ください。

 

3 仕訳の検索

「仕訳日記帳」に登録されている仕訳の件数が増えていくと、以前に登録した仕訳を確認したいときに、探すのに大変な手間がかかってしまいます。

そんな時は、「検索」機能を利用すると、該当の仕訳を探す手間を減らすことができます。

 

3-1 検索手順

「検索」機能を用いて、検索する方法は次のとおりです。

1 「検索」ボタンを押すと、詳細な検索条件を設定できる検索フォームがひらきます。

 

2 検索したい項目を入力して、「検索」ボタンを押すと、該当する仕訳が表示されます。

 

3 別の項目で再検索した場合は、「クリア」ボタンを押すと、入力内容が削除され初期状態に戻ります。

 

3-2 検索画面の説明

検索フォーム画面について説明します。

❶検索期間:選択した月の仕訳を検索します、「○○年度」を選択すると、年度内のすべての仕訳から検索します。
❷日付:日付から検索します、カレンダーから検索したい最初の日付と最後の日付をクリックしてください。
❸伝票:伝票番号から検索します。
❹金額:金額から検索します。
❺担当者:担当者をプルダウンより選択し、選択した担当者が登録や変更した仕訳を検索できます。
❻変更履歴あり:チェックすると変更履歴があるものを検索します。
❼削除済み:チェックすると削除済みの仕訳を検索します。
❽借方勘定科目(補助科目):プルダウンより選択した借方の勘定科目で登録した仕訳を検索します、補助科目も指定することができます。
❾借方税区分:プルダウンより選択した借方の税区分で登録した仕訳を検索します。
➓借方タグ:プルダウンより選択した借方のタグを登録した仕訳を検索します。
⓫貸方勘定科目(補助科目):プルダウンより選択した貸方の勘定科目で登録した仕訳を検索します、補助科目も指定することができます。
⓬貸方税区分:プルダウンより選択した貸方の税区分で登録した仕訳を検索します。
⓭貸方タグ:プルダウンより選択した貸方のタグを登録した仕訳を検索します。
⓮登録日:仕訳を登録した日から検索します。
⓯借方ラベル:プルダウンより選択した借方のラベルを登録した仕訳を検索します。
⓰貸方ラベル:プルダウンより選択した貸方のラベルを登録した仕訳を検索します。
⓱取引内容:入力した取引内容から検索します。
⓲メモ:入力したメモから検索します。
⓳クリア:入力した検索条件をリセットします。
⓴検索:入力した検索条件で検索を実行します。

 

4 仕訳の修正

登録されている仕訳は修正することができます。

修正する方法は次のとおりです。

1 修正したい仕訳の欄をクリックして、修正してください。

※複数仕訳の場合は、削除したい行の左端にある「-」を押すことで、行ごと削除することができます。

仕訳日記帳に行ごとに削除ボタン追加

 

2 仕訳を修正後、以下の条件で仕訳内容が自動保存されます。

  • 「勘定科目」「補助科目」「税区分」等、プルダウンで項目を選択する欄は、選択肢を選んだ時点で、保存されます。
  • 「日付」「金額」「取引内容」等、文字を入する欄は、文字や数字を入力後、仕訳の中の別のフォームを選択(クリック)すると、保存されます。

保存されると画面右下に「会計データを保存しました」のメッセージが表示されます。

※入力内容に不備がある場合は、メモ欄にメッセージが表示され、該当箇所が赤枠で表示されます。

 

5 仕訳の削除

登録されている仕訳は削除することができます。

※削除したデータは「検索」機能を使うと確認することができます。

削除する方法は次のとおりです。

1 削除したい仕訳の右端にある「ごみ箱」マークをクリックしてください。

 

2 「本当に削除してもよろしいですか?」と確認メッセージが表示されますので、「OK」を押してください。

 

6 仕訳日記帳のエクスポート機能

全力会計の仕訳日記帳データを全力会計形式(csv形式)と弥生インポート形式(txt形式)を選んでエクスポートすることが可能です。

全力会計 仕訳帳データエクスポート

「仕訳日記帳」画面右上の「エクポート」>「仕訳日記帳データ出力」ボタンをクリックすることで可能です。

詳しい出力方法や、そのデータのインポートの方法について以下のページで詳しく説明しています。

全力会計の仕訳日記帳データをエクスポート・インポートする方法
全力会計では、仕訳日記帳データを「全力会計形式」と「弥生インポート形式」でエクスポートすることができます。ここでは、仕訳日記帳データのエクスポート及びエクスポートした仕訳日記帳データをインポートする方法を解説していきます。1 仕訳日記帳デー...

 

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