全力会計の「取引先」と「補助科目」の取り扱いについて詳しく解説

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従来型の会計ソフトに親しんでいる方にとって、全力会計の「補助科目」と「取引先」の棲み分けがどうなっているのか疑問に思う場面があるかもしれません。

または、簿記に親しんでいない方が、仕訳日記帳を見たときに「補助科目とは何だろう?」と疑問に思うかもしれません。

簿記が得意でない方は、「補助科目」自体知らなくても特に困ることはないかと思います。

一方で、簿記が得意な方は、「補助科目」を知っているがゆえに「取引先」との関係を理解したいと思うのではないかと思います。

ここではそれらの疑問に答えていきます。

全力会計における「取引先」欄と「補助科目」欄についての解説に入る前に以下のことを頭の片隅に置いてもらいたいと思います。

全力会計には、「簿記が得意でない方でも使いやすい」というコンセプトがあり、また同時に「簿記の知識がある方でも使いやすい」というコンセプトも共存しています。

こういうコンセプトがあるために全力会計における「取引先」欄と「補助科目」欄が以下のように取り扱いがされています。

補助科目を知らない方は無理に知る必要はありませんので、この先を読む必要は基本的にはありません。興味のある方だけ先にお進みください。

 

1 全力会計の補助科目と取引先の関係の大原則

全力会計における「取引先」欄と「補助科目」欄の取り扱いの大原則は次のとおりです。

全力会計  「補助科目 = 取引先」

これはつまりどういうことか?

インボイス制度の開始に伴い、多くの会計ソフトの仕訳の入力欄に「取引先」が、「補助科目」とは別に登場した経緯があります。

補助科目で取引先を管理してきた歴史があるので、このような「取引先」欄と「補助科目」欄が別々にあるシステムでは

「補助科目欄と取引先欄の両方に取引先を入力するの?」
「貸借科目は補助科目に、損益科目は取引先欄に入れればいいの?」

という煩雑さや混乱は避けられません。

全力会計では、シンプルな操作性を追求していますので、2度手間や混乱を生むようなことは基本的に採用されることはありません。

その結果「補助科目 = 取引先」という取り扱いに至っています。

ここで、論点になっている「補助科目」と「取引先」が何かわからないと理解が進みませんので、それぞれについて説明します。

 

2 「補助科目」とは何か?

補助科目とは、勘定科目をより細かく分類して取引を管理するものです。
具体的に見ていきましょう。
例えば次のような給与の仕訳を考えてみましょう。
  • 給料手当:500,000(「給料手当」)
  • 天引き所得税:15,000(「預り金」)
  • 天引き住民税:25,000(「預り金」)
  • 天引き社会保険料:70,000(「預り金」)
  • 手取り額:390,000(「未払費用」)

これを補助科目なしで仕訳すると次のようになります。

借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
給料手当 500,000 預り金 110,000
未払費用 390,000

これでは、翌月に所得税と住民税、社会保険料を支払うときに、給与明細で確認を取らないとそれぞれいくら納付すればよいかわかりません。

一方で、補助科目を使った仕訳は次のようになります。

借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方補助科目 貸方金額
給料手当 500,000 預り金 所得税 15,000
預り金 住民税 25,000
預り金 社会保険 70,000
未払費用 全力太郎 390,000
「預り金」という勘定科目に対して「所得税」「住民税」「社会保険料」という補助科目を、未払費用に対して「全力太郎」という補助科目を設定しています。
これにより、わざわざ給与明細を見なくても納付額を把握することができます。
このように、勘定科目だけで管理するよりも、その勘定科目に対して補助科目を設けた方が、事務効率性が圧倒的に良くなるのです。
次のように月別の補助科目の残高の推移表を確認すると、その補助科目の月毎の残高の増減を確認することができ、分析や誤りの発見に役立ちます。
全力会計 推移表

 

3 会計ソフトで入力が求められる「取引先」とは何か

インボイス制度導入以降、様々な会計ソフトで入力が求められるようになった「取引先」とは何か。

 

3-1 「取引先」欄が設けられるようになった経緯

昔ながらの(従来型の)会計ソフトでは、預金や売掛金、買掛金、未払金などの資産と負債の勘定科目については、取引先と結び易いことから、取引先を補助科目に登録して管理してきた歴史があります。

インボイス制度が始まったことにより、損益科目でも取引先を管理した方が効率的な面が出てきました。

なぜなら、取引先がインボイス登録業者かどうかを取引先データに紐づけていれば、仕訳帳登録画面で取引先を選択しただけでインボイスのありなしが自動で判定され、入力の都度、「この会社はインボイス発行業者だったか?」と悩む必要が金輪際なくなるからです。


(全力会計の例)

さらに、消費税法では、仕入税額控除の要件で帳簿に取引先を記載する必要があり、これまで摘要欄に取引先名を入力していたものが、選択式になったと考えれば手間は増えていないのです。

そういう意味でも損益科目においても取引先を管理するというのは合理的です。

 

3-2 「取引先」欄はどう管理すべきか(私見)

では、この取引先をどう管理すべきなのか?

それは、資産・負債科目同様、補助科目で管理すればよいのです。
補助科目と取引先の管理場所をわざわざ分ける必要はありません。

両者を分ける理由は、「取引先を補助科目に入れてください」というメッセージをユーザに伝えにくいという点、補助科目は取引先以外も入力されるから混同してしまうかもしれない。とこのくらいの理由ではないでしょうか。

全力会計では、これらの理由をすべて解消しつつ、補助科目と取引先を分けずに、取引先は補助科目として管理します。

しかしながら、全力会計では、ユーザが、取引先が補助科目として管理されていることを感じることは稀です。

取引先と補助科目が直接結びつかないのは、「仕訳日記帳」「振替伝票」「仕訳辞書」の各画面で直接仕訳を入力するときだけです。

それ以外の金融機関連携で取得した明細データを使って仕訳登録する画面などでは、ある取引で取引先を選択して保存した時点で、その取引先は補助科目としてその勘定科目に紐づいて登録されます。(後述)

「仕訳日記帳」「振替伝票」画面で仕訳を直接入力する玄人は、これまでどおり補助科目を使ってもらえますし、損益科目に取引先を入れたい場合は、補助科目に登録すれば事足ります。

取引先以外に補助科目に何か入れたい場合は、ラベル機能やタグ機能を使えば目的は達せられます。

こういう経緯で全力会計は、いたずらに取引先という新たな入力項目を増やさず、取引先は補助科目で管理することになっています。

簿記が得意でない方は、補助科目のことなど考えず、取引先を新規登録し、金融機関連携で取得した明細データを使って仕訳登録する画面などで、その登録した取引先を選択して仕訳登録を行うと、勝手にある勘定科目の補助科目として取引先が登録されていきます。

簿記が得意でない方は、仕訳日記帳や振替伝票以外では補助科目について意識することはありません。

以上は、全力会計での「取引先」と「補助科目」の取り扱いについての概要です。
全力会計での「取引先」と「補助科目」の関係を全力会計を使用していく上でどのように注意すればいいかという観点からより具体的に理解を深めていきたいと思います。

 

4 「取引先」と「補助科目」を入力する際の注意点

全力会計には、仕訳日記帳に登録する方法として2つのパターンがあります。

  1. 仕訳日記帳に直接仕訳を入力するパターン
  2. 仕訳日記帳に仕訳を意識せず登録するパターン

全力会計の画面がいずれに分類されるかを整理すると次のとおりです。

❶仕訳帳に直接入力する ❷仕訳を意識せずに登録する
  • 仕訳日記帳
  • 振替伝票
  • 仕訳辞書
  • 金融機関連携した明細データから仕訳登録
  • 領収書等のデータから仕訳登録(開発中)

「❶仕訳帳に直接入力する」画面では、簿記の知識が必要で仕訳に精通している必要があります。
一方「❷仕訳を意識せずに登録する」画面では、簿記の知識がなくても画面の案内どおりに入力していると結果仕訳の形で登録されているものです。

❶と❷とで入力の際の注意点が異なりますので、それぞれの注意点について説明します。
❷の方がわかりやすいため、こちらから説明していきます。

 

4-1 仕訳を意識せずに登録するパターンの注意点

仕訳を意識せずに登録するパターンの画面で注意が必要な点は2つあります。

 

4-1-1 「取引先」として入力したものが「補助科目」としても登録される

注意点の一つ目は、

取引先として入力したものが、補助科目としても登録されている

金融機関連携をして明細データを取得し、その明細データを使って仕訳登録する例でご説明します。

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