会計王の会計データを全力法人税へインポート(移行)する方法を解説します。
インポートした会計データを元に効率的に法人税の申告書を作成できるようになります。
会計王から全力法人税へ移行させることができるデータは、「勘定科目一覧表」、「仕訳日記帳」と「固定資産管理」の3種類です。
なお、会計王21以降のverで動作を確認しております。
インポート前の事前確認
会計データをインポートする前に次の記事を確認してください。
この注意事項が守られていないと申告を誤ることになります。
事前に確認をお願いします。
- 年度の途中で消費税を申告することになった
- 税抜経理方式を採用している

仕訳データのインポート(取り込み)
データの移行作業は次の流れで行っていきます。
会計王からデータをエクスポート(取り出し)する
エクスポートしたデータを全力法人税へインポート(取り込み)する
会計王の場合は、仕訳帳データをすべて完全な状態で移行させるためには「勘定科目一覧表」、「仕訳日記帳」と「開始残高」の3種類のデータを取り込む必要があります。
勘定科目データの取り込み
勘定科目一覧表データの取り込みの有無を決定
3種類のデータを取り込む必要があると言いましたが、勘定科目一覧表のインポートを行わない方法も選択可能です。
勘定科目データを取り込むことの意味は、勘定科目データを取り込むことでお使いの会計ソフトで作成する決算書とまったく同じ決算書を全力法人税で作成することができるようになるというところにあります。
勘定科目データをインポートしない場合には、仕訳帳データをインポートする際に、会計ソフトの方で全力法人税のデフォルトの勘定科目以外の勘定科目を使用している場合、その勘定科目については全力法人税側の勘定科目に変換する必要があります。そのため、会計ソフトが作成する決算書と全力法人税の決算書とでは勘定科目が変わってしまう可能性があります。
お使いの会計ソフトで決算書を出力できるにもかかわらず、決算書を作成する意味がどこにあるかというと、全力法人税で作成した申告書を電子申告する時に影響があります。
電子申告する場合には併せて決算書を添付して電子送信する必要があります。この決算書を電子申告に添付するためには、全力法人税で決算書を作成する必要があるのです。
電子申告をするつもりがなく、ご自身で決算書を用意する場合には、勘定科目一覧表をインポートせずに申告書類を作成することも可能です。
会計データをインポートする前に、勘定科目一覧表データを取り込むかどうかを決めてください。
取り込む場合は、以下の操作を続けていただき、取り込まない場合は、「仕訳日記帳データを取り込み」へジャンプしてください。
勘定科目一覧表データの取り込み
会計王で使用している勘定科目データを全力法人税に取り込む方法を解説します。
会計王で勘定科目の設定で、追加・変更を加えた場合のみ勘定科目データのインポートを行ってください。追加・変更されたもののみ追加でインポートされます。
まず会計王から勘定科目データをエクスポートします。
1 勘定科目データをエクスポート
⑴ 「勘定科目設定」を開く
会計王で次のように操作し、「勘定科目設定」画面を表示します。
❷ 「科目設定」をクリック❸ 「勘定科目設定」をクリック
⑵ 「Excel」出力
「勘定科目設定」画面が開いたら、次のように操作します。
❶ 「詳細表示」と「補助同時表示」にはチェックしない
❷「Excel」をクリック
❸ 出力形式は「可変長」を選択
❹ 区切り文字は「カンマ」を選択
❺ 項目の引用符は「”」を選択
❻出力項目は「全項目」を選択
❼ 出力先は、「ファイル」を選択し、「ファイル名」部分は出力したデータをすぐに使いますので、Desktopなどすぐわかる場所を指定しておくと便利です。
❽「実行」をクリック
2 勘定科目データのインポート
全力法人税の会計データ取込画面を表示します。(最初から「次へ」ボタンを押して進めていくとこの画面に移ります。またはメニューバー「インポート」>「会計データ取込」を選択。)
勘定科目データのインポート方法
⑴ 勘定科目データのアップロード
❶ 「勘定科目データインポート」タブをクリック
❷ 選択肢(ラジオボタン)から「会計王」を選択
❸ 「csv形式またはtxt形式のファイルをドラッグ&ドロップまたはクリックしてファイルを選択してください。」の箇所に前述の1でエクスポートしたファイルを説明文どおりにドラッグ&ドロップまたはファイルを選択してアップロードします。
❹ 「取り込み開始」ボタンをクリック
⑵ 正常に取り込みが行われた場合
正常に読み込みが行われた場合には、次の画面が表示されます。
「登録する」ボタンを押し、登録が完了します。
⑶ 不明な勘定科目がある場合
会計王のデフォルトのいくつかの科目と独自に設定した勘定科目(会計王のデフォルトの設定に追加した勘定科目)がある場合には、取り込みエラーとなり、次の画面が表示されます。
不明な勘定科目を全力法人税の勘定科目一覧に登録するために、「分類設定」の選択肢から「不明な勘定科目」に挙げらている勘定科目に対応する分類を選択します。
⑷ 不明な税区分がある場合
独自に設定した税区分(会計王のデフォルトの設定に追加した税区分)がある場合には、取り込みエラーとなり、次の画面が表示されます。
不明な税区分に対応するものを「変換する税区分」の選択肢から選択します。
⑶と⑷で選択肢からすべてを選択し終わったら、画面最下部の「登録する」ボタンを押すと取り込みが完了します。
⑸ 取込み結果の確認
取り込みが完了したら、「勘定科目一覧を確認する」ボタンを押して取り込み結果を確認します。
登録内容された内容と弥生会計の「科目設定」の内容と一致していることを確認し、問題がなければ「戻る」ボタンを押します。
編集ボタンを押すと次の画面が表示されます。
「小分類」は全力法人税のデフォルトの勘定科目以外がインポートされた場合のみ変更することができます。小分類を変更すると同時に中分類と大分類も変更されます。
「内訳書表示」欄は、選択肢は勘定科目内訳明細書になっており、選択された勘定科目内訳明細書に編集している勘定科目を表示させることができます。
勘定科目データのインポートをやり直す場合
勘定科目データのインポートをやり直す場合は、前述の勘定科目データのインポート方法と同じ操作をすることで、勘定科目データが上書き登録されます。
勘定科目データを削除する方法
勘定科目データを使わない方法に変更するなどの理由で取り込み済みの勘定科目データを削除したい場合は、「① 勘定科目データインポート」タブを開き、「取り込みデータ一括削除」ボタンを押します。
※全力会計をご利用の場合は、勘定科目データを削除することはできません。
補助科目の削除は「全力法人税」のメニューバー「設定」→「補助科目設定」画面から「一括削除」ボタンを押すことで、削除することができます。
仕訳日記帳データの取り込み
次に日々の仕訳の記録である仕訳日記帳のデータを会計王から全力法人税へ移行させます。
(勘定科目一覧データをインポートしない場合は、ここから操作を始めます。)
まずは、会計王から仕訳日記帳データをエクスポートしていきます。
1 仕訳日記帳データをエクスポート
仕訳日記帳を開く
❷ 「仕訳日記帳」をクリック
仕訳日記帳データ出力
「仕訳日記帳」画面の「Excel」ボタンをクリックする。
❶ 出力形式は「可変長」を選択
❷ 区切り文字は「カンマ」を選択
❸ 項目の引用符は「”」を選択
❹ 出力項目は「全項目」を選択
❺ 出力先は、「ファイル」を選択し、「ファイル名」部分は出力したデータをすぐに使いますので、Desktopなどすぐわかる場所を指定しておくと便利です。
❻「実行」をクリック
2 仕訳日記帳データのインポート
⑴ 仕訳日記帳データのアップロード
メニューバー「インポート」>「会計データ取込」画面を表示します。
❶ 「② 仕訳データインポート」タブをクリック
❷ 「会計王」にチェックを入れる
❸ 「仕訳ファイルの取り込み」ボックスの「csv形式またはtxt形式のファイルをドラッグ&ドロップまたはクリックしてファイルを選択してください。」の箇所に前述の1でエクスポートしたファイルを説明文どおりにドラッグ&ドロップ等してアップロードする
❹ 「取り込み開始」ボタンをクリック
⑵ データの取り込み
正常に取り込まれると次の画面が表示されますので「登録する」ボタンを押してください。
⑶ 不明な勘定科目の変換
【勘定科目データをインポートしていない場合のみの操作】
⑴の後、次のエラーが発生した場合には、メッセージのとおり対応する勘定科目または税区分を選択し、「登録する」ボタンを押してください。
「不明な勘定科目」として挙がった勘定科目に近い科目を「変換する勘定科目」から選択してください。
「税区分」についても、同じものだと思われるものを「変換する税区分」から選択してください。
会計王で独自の勘定科目を設定したときなどで全力法人税の勘定科目にない勘定科目がインポートされた場合にこのエラーが発生します。
どのように変換していいかわからない場合は、次の記事をご参照ください。

※ この画面は勘定科目データをインポートしている場合にはエラーとなることはありませんので、表示されることはありません。
これで仕訳日記帳のデータの取り込みが済みました。続いて開始残高のデータを取り込みます。
開始残高データの取り込み
会計王の場合は、仕訳日記帳データをすべて反映させるには開始残高データをインポートする必要があります。
まずは、弥生会計から開始残高のデータをエクスポートします。
1 開始残高のエクスポート
⑴ 合計残高試算表を表示する
メニュー「導入」>「合計残高試算表」をクリック
⑵ 合計残高試算表の設定
❶ 集計期間は最初の一月のみを選択
❷ 「貸借対照表」を選択
❸ 部門は「全事業所」を選択
❹「ゼロ非表示」にチェック
❺「補助同時表示」にチェック
❻「税込集計」にチェックしない
❼「表示切替」は「標準表示」を選択
❽「Excel」ボタンをクリック
合計残高試算表を出力する
❶ 出力形式は「可変長」を選択
❷ 区切り文字は「カンマ」を選択
❸ 項目の引用符は「”」を選択
❹ 出力項目は「全項目」を選択
❺ 出力先は、「ファイル」を選択し、「ファイル名」部分は出力したデータをすぐに使いますので、Desktopなどすぐわかる場所を指定しておくと便利です。
❻「実行」をクリック
3 全力法人税へ開始残高データをインポート
⑴ 全力法人税の会計データ取込画面を表示します。(メニューバー「インポート」>「会計データ取込」画面)
⑵ データをアップロードします。
❶ 「② 仕訳データインポート」タブをクリック
❷ 「会計王」にチェックを入れる
❸ 「開始残高取り込み」ボックスの「csv形式またはtxt形式のファイルをドラッグ&ドロップまたはクリックしてファイルを選択してください。」の箇所に前述の1でエクスポートしたファイルを説明文どおりにドラッグ&ドロップまたはファイル選択によりアップロードする
❹ 「取り込み開始」ボタンをクリック
⑶ 正常に取り込まれると次の画面になりますので、「登録する」ボタンを押してください。
⑷ 【勘定科目データをインポートしていない場合のみ操作】不明な勘定科目の変換
全力法人税の勘定科目に登録のない勘定科目がインポートされた場合に、不明な勘定科目があるとして次のようにエラーになります。
「不明な勘定科目」として挙がった勘定科目に近い科目を「変換する勘定科目」から選択してください。
❶ 変換する勘定科目を選択する
❷ 「登録する」をクリックする
これで不明な勘定科目として挙がった勘定科目は、「変換する勘定科目」で指定した勘定科目に変換されて登録されます。
※ この画面は勘定科目データをインポートしている場合にはエラーとなることはありませんので、表示されることはありません。
仕訳データと開始残高データのインポートが完了し、これで会計王の仕訳日記帳データを全力法人税へ移行することができました。
インポート結果と会計ソフトの内容との一致を確認する
会計データのインポートが完了したら、
全力法人税の残高試算表を確認する
「残高試算表を確認する」ボタンからインポート結果を必ずご確認ください。
または、メニューバー「インポート」>「残高試算表」をクリックすることで確認できます。
会計データのインポートをやり直す方法
会計王の仕訳日記帳を編集したなどの理由で会計データのインポートをやり直す場合は、次の点に注意してください。
取り込み済みデータの削除
次の方法で、取り込み済みのデータを削除してから前述のインポート作業をやり直してください。
❶ 「② 仕訳データインポート」タブをクリックする
❷ 「取り込みデータ一括削除」ボタンを押す
未払法人税等の仕訳の削除
全力法人税の操作終盤の画面であるメニューバー「申告書」>「法人税等に関する仕訳の表示」画面の未払法人税等を弥生会計の仕訳日記帳に登録している場合は、その仕訳を会計王の仕訳日記帳から一旦削除してから、前述のインポート作業をやり直してください。
(「法人税等に関する仕訳の表示」画面)
固定資産データのインポート
続いて固定資産を保有している場合は減価償却に関する申告書を作成するために、会計王の固定資産台帳のデータを全力法人税へインポートする必要があります。
会計王の固定資産データをエクスポート(取り出す)
1「減価償却資産登録」画面を表示
メニュー「管理」>「減価償却」>「減価償却資産登録」画面を表示する。
2「減価償却資産登録」画面の設定
「減価償却資産登録」画面で次のように操作します。
❶ 検索は、「コード順全表示」を選択
❷ 「Excel」ボタンを押す
3 固定資産台帳データを出力する
次のような画面が表示されるので、次の❶〜❻の操作を行います。
❶ 出力形式は「可変長」を選択
❷ 区切り文字は「カンマ」を選択
❸ 項目の引用符は「”」を選択
❹ 出力項目は「全項目」を選択
❺ 出力先は、「ファイル」を選択し、「ファイル名」部分は出力したデータをすぐに使いますので、Desktopなどすぐわかる場所を指定しておくと便利です。
❻「実行」をクリック
これで固定資産データをエクスポートすることができました。引き続き、全力法人税へエクスポートしたデータをインポートします。
全力法人税へ固定資産台帳データをインポート
全力法人税のインポート画面(メニューバー「インポート」>「会計データ取込」)を開きます。
1 固定資産台帳データをアップロード
❶ 「③ 固定資産データインポート」タブをクリックする
❷ 「会計王」を選択する
❸ 「csv形式またはtxt形式のファイルをドラッグ&ドロップまたはクリックしてファイルを選択してください。」にエクスポートした固定資産台帳ファイルをメッセージのとおりドラッグ&ドロップ等してアップロードする
❹ 「取り込み開始」ボタンをクリックする
2 正常に読み込まれると次の画面が表示されるので「登録する」ボタンを押してください。
3 不明な勘定科目の変換
固定資産台帳データの中に、全力法人税に登録されている勘定科目(固定資産と繰延資産)以外の科目がインポートされた場合、次のエラー画面が表示されます。
「不明な勘定科目」として挙がった勘定科目に近い科目を「変換する勘定科目」から選択してください。
勘定科目データをインポートしている場合は、通常エラーにはなりません。
❶ 変換する勘定科目を選択する
❷ 「登録する」をクリックする
この変換作業で不明な勘定科目として挙がった勘定科目は、「変換する勘定科目」で指定した勘定科目に変換されて登録されます。
登録が完了すると固定資産台帳画面(メニューバー「固定資産台帳」>「固定資産台帳」画面)に遷移します。
これで、固定資産に関するデータの取り込みが完了しました。
以上で会計王から全力法人税へのデータ移行作業はすべて完了です。
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