この記事でいう買換え特例とは不動産の譲渡に関する租税特別措置法第36条の2の特例を指します。
特定の居住用財産の買換え特例(措36の2)がどのような制度かわからない場合は、次の記事をご確認ください。
特例適用のための手続き
買換え特例を適用するために必要な手続きは次のとおりです。
- 譲渡した年分の確定申告書を提出する
- 「確定申告書(分離課税用)第三表」の特例適用条文欄に「措法36条の2」と記入する
- 譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算書)を提出する
- 申告書に必要な添付書類を併せて提出する
確定申告書を提出する
買換え特例を適用するためには何よりもまず確定申告書を提出する必要があります。
計算すると利益が出ないからといって申告しない、というのは誤りです。そもそも確定申告が要件なので申告をしていなければこの特例の恩恵を受けられません。
なお、この特例は確定申告の期限内でなければ受けられないというわけではありませんので期限後に提出する場合でも適用が可能です。
「確定申告書(分離課税用)第三表」の特例適用条文を記入する
「確定申告書(分離課税用)第三表」の特例適用条文欄に「措法36条の2」と記入します。
譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算書)を提出する
譲渡所得の内訳書のサンプルはこちらをクリック
譲渡所得の内訳書にこれらの特例を適用して計算した譲渡所得の金額等を記載します。
不動産譲渡に関する申告で最も重要な書類がこの書類になります。
この書類を作成する便利ツールがあります。
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添付書類を提出する
譲渡資産に関する添付書類
1 譲渡資産の登記事項証明書(その他これに類するもので所有期間が10年を超えるものであることを明らかにするもの、閉鎖登記に係るものを含む)
2 譲渡に関する売買契約書の写し(その他の書類で、譲渡対価の額が1億円以下であることを明らかにするもの)
※売却したマイホームの売買契約日の前日においてそのマイホームを売った人の住民票に記載されていた住所とそのマイホームの所在地とが異なる場合には、戸籍の附票の写し、消除された戸籍の附票の写しその他これらに類する書類でそのマイホームを売った人がそのマイホームを居住の用に供していたことを明らかにするもの
買換資産に関する添付書類
買換え資産を取得済みの場合
1 買換資産の登記事項証明書
2 買換資産の取得に関する売買契約書、工事請負契約書、領収書等(で取得価額を明らかにするもの)
(3 買い換えた家屋が建築後使用されたことのある耐火建築物で25年以内に建築されたものでない場合は、買換資産の耐震基準適合証明書、建設住宅性能評価書の写し又は既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約が締結されていることを証する書類)
買換え資産を取得する見込みの場合
取得後に上述の「取得済の場合」に記載の書類の提出が必要になります。
まとめ
3000万円特別控除と比べるとかなり添付書類は多くなりますので、一つ一つ確認して漏れのないようにしましょう。
執筆者 ジャパンネクス株式会社代表 元国税調査官 税理士 海野 耕作
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