消費税の申告のためには消費税集計表が必要|全力消費税マニュアル

 

消費税申告書作成ソフト「全力消費税」

 

誰でも消費税の申告書が作成できるクラウド税務ソフト「全力消費税」の「税区分別集計表」の作成方法を解説します。

全力消費税では、消費税の確定申告書の作成にあたって、消費税の税区分の集計表を完成させる必要があります。

会計データをインポートしている場合はワンクリックで一瞬にして完成させることができますが、会計データをインポートしていない場合は、消費税のことをよく知らない方にとってはその作成が容易ではないと思われますので、この記事でフォローします。

消費税の税区分が何かわからないという場合は、次の記事で詳しく解説しています。

会計データのインポートが行われている場合の税区分別集計表の作成

全力消費税では、会計ソフトの会計データをインポートしていれば、「会計データ取込」ボタンをワンクリックで次のように「税区分別集計表」に値が挿入されるので、会計ソフトで「課税売上」や「非課税売上」、「課税仕入れ」等の税区分が正しく行われていれば一瞬で終わります。

全力消費税 売上集計表

ただし、簡易課税制度を選択している場合は、「売上高」や「雑収入」等の収入系を経理するときに簡易課税の税区分を仕訳帳に登録していないと読み込みことができません。
例えば、次のように収入の税区分を簡易課税用の税区分で経理していないと、
借方科目 借方税区分 借方金額 貸方科目 貸方税区分 貸方金額
現金預金 対象外 200,000 雑収入 課売10%四種 200,000

簡易課税は次のように事業区分ごとに売上高を集計する必要あるので、単に仕訳帳の税区分を「課税売上10%」としていても簡易課税用の税区分集計表には集計されませんので、注意が必要です。

全力消費税 簡易課税の場合の税区分集計表入力例
上の例では、課売10%四種と区分しているので、税区分別集計表の「第四種事業」に分類されて、集計されています。

 

また一方で会計データをインポートしていない場合には、手入力する必要がありますので、ある程度の消費税の税区分に関する知識が必要になります。

「税区分」という言葉を知らないという場合は、次の記事でご確認ください。

会計ソフトの消費税の税区分とは?その意味と選び方を元国税・税理士が徹底解説
会計ソフトで仕訳を登録していると、登録された「勘定科目」に合わせて自動で消費税の「税区分」が登録されていることに気づくと思います。 消費税を申告して納税する義務があるにもかかわらず、この事実に気付いていない場合はたいへん危険です。正確な申告...

会計データのない場合の税区分別集計表の作成方法

全力消費税の「税区分別集計表」を消費税の知識が多くない方が完成させるためには、会計ソフトから出力した消費税の税区分別集計表が不可欠と言えます。

消費税の税区分別集計表とは

では消費税の税区分別集計表とはどのようなものなのか。

会計王21を例に見ていくことにしましょう。

❶ メニューバーから「消費税」を選択します。

❷ メニューの中から「消費税集計一覧表」をクリックします。

会計王21消費税メニュー

会計王の税区分別集計表はこのように表示されます。

売上の消費税集計表

会計王21消費税集計表売上

(会計王の消費税集計表「売上」の画像)

❶の部分のタブで「売上」「仕入」「貸倒・その他」と区分しています。

❶のタブで「売上」が選択されている画像がこれです。

❷の部分が売上の税区分です。

具体的には「課税売上」「非課税売上」「免税売上」「有価証券」「非課税資産」「課売返還」「非課売返」「免売返還」に区分されています。

❸でこの税区分のうちの10%を適用している数字を表示しています。(8%軽減税率が適用されている取引があれば、10%を転記した後に改めて軽減8%も表示させ、転記してください。)

この値を全力消費税の「税区分別集計表」に転記していきます。

全力消費税の「税区分別集計表」に転記する上で重要なのが税込金額を入力する必要があるというところです。

会計王の消費税集計表「売上」の画像は税抜表示なので、会計王では画面の一番右側の「消費税」の列の値を足す必要があります。

例1)(課税売上)81,818,184 + (消費税)8,181,816 = 90,000,000(税込金額)

例2)(課売返還)-2,727,273 + (消費税)-272,727 = -3,000,000(税込金額)

会計王21でPDF出力すると次のように表示されます。

会計王21 消費税集計表売上

この内容を全力消費税の「税区分別集計表」に転記すると次のようになります。

全力消費税 売上集計表

仕入の消費税集計表

会計王21に消費税集計表一覧の「仕入」を選択すると次のような表示になります。「適用消費税率」欄は「10%適用分」を選択しています。

会計王 消費税集計表仕入

会計王 消費税集計表仕入2

(会計王の消費税集計表「仕入」の画像)

仕入れの方の「税区分」は売上の方の「税区分」よりもかなり多くなっています。

会計王にある税区分がどのように全力法人税の税区分に対応するかを表にすると次のようになります。

会計王 税区分 全力法人税 税区分
課売仕入 課税売上対応 仕入
非売仕入 非課税売上対応 仕入
共課仕入 課税非課税共通 仕入
非課仕入 対応なし(消費税の計算に不要)
輸課売仕 対応なし(消費税の計算に不要)
輸非売仕 対応なし(消費税の計算に不要)
輸共売仕 対応なし(消費税の計算に不要)
輸課仕本 の消費税 課税売上対応 課税輸入 消費税 ※1
輸非仕本 の消費税 非課税売上対応 課税輸入消費税 ※1
輸共仕本 の消費税 課税非課税共通 課税輸入消費税 ※1
課輸仕返 課税売上対応 仕入 対価の返還
非課仕返 非課税売上対応 仕入 対価の返還
共輸仕返 課税非課税共通 仕入 対価の返還
課輸仕返 対応なし(消費税の計算に不要)
非輸仕返 対応なし(消費税の計算に不要)
共輸仕返 対応なし(消費税の計算に不要)
課輸返本 対応なし(消費税の計算に不要)
非輸返本 対応なし(消費税の計算に不要)
共輸返本 対応なし(消費税の計算に不要)

※1 輸入の本体価格は消費税の申告計算には必要なデータではなく、輸入にかかった消費税が消費税の申告計算に必要。(会計王の場合は、これが個別に税区分として用意されていない。画面右端の消費税の金額から取ってくることになる。)

会計王21に消費税集計表一覧の「仕入」を全力消費税に転記すると次のようになります。

全力消費税 仕入集計表

全力消費税の仕入集計表にはやはり税込金額を入力します。会計ソフトの方で税抜経理方式を採用している場合で消費税の集計表の方で税込金額が表示されない場合は、一旦会計ソフトの設定で消費税の経理方式を税込にしてから集計表を開いて、全力法人税に転記して、そしてまた会計ソフトの設定で税抜経理方式に戻す方法を取るという方法も考えられます。

会計王21で税込経理方式に変更して、消費税集計一覧表を出力すると次の画像のように税込で表示されます。これで全力消費税への転記が楽になりました。

会計王21 消費税集計表仕入

貸倒れ等の消費税集計表

会計王21で「貸倒・その他」タブを開くと次のように「貸倒損失」と「貸倒回収」が集計されています。

会計王21 貸倒れ等の消費税集計表

この値を全力消費税の「税区分別集計表」に転記していきます。

上の例では貸倒損失の10%に転記することになります。

全力消費税税区分集計表貸倒れ

 

会計ソフトのデータを全力法人税にインポートしていない場合は、このように会計ソフトから消費税の税区分ごとの集計表を出力して全力消費税の「税区分別集計表」に転記していきます。

税区分別集計表は勘定科目別の消費税の集計表ではない

最後に会計ソフトから出力するのは税区分別の消費税の集計表であると繰り返し言ってきましたが、会計ソフトには必ずそれとは別の勘定科目別の消費税の集計表があります。

会計王21を例にして説明します。

「消費税集計表」を選択すると次のような画面が表示されます。

会計王21勘定科目別消費税集計表画面

これは勘定科目別にどのように消費税が計算されているかに焦点を当てて表示されているので、全力消費税の「税区分別集計表」に転記するのには適していません。

全力消費税の「税区分別集計表」に転記するのに必要なのは、「税区分別」の集計表です。

「税区分」というのは「課税売上」や「課税仕入」等の消費税の区分になります。

 

全力消費税の「税区分別集計表」を完成させるためには、会計ソフトから税区分別の集計表を出力して、それを参考に入力していくことが肝要です。

全力消費税の「税区分別集計表」の入力が正しく行われてないと正しい消費税の確定申告書が作成できませんので、会計データをインポートしていない場合は、この部分は特に注意して入力を進めてください。

 

この記事を読んでも「税区分別集計表」の入力の仕方がわからない場合は、全力法人税のメニューバー「設定」>「お問い合わせ」からサポートにお問い合わせください。

 

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