この記事は、専門家向けではなく、設立間もない会社や消費税を初めて申告する会社などの自分で消費税を理解したいという一般の方を対象としています。
すべての方のために向けて説明するといたずらに難しくなってしまうので、一般の方が消費税を自分で申告するために必要な情報に的を絞って元国税調査官がわかりやすく解説していきます。
今回取り上げるのは「特定課税仕入れ」です。
消費税法の規定により「特定課税仕入れ」を行った事業者は納税義務が発生するとされています。
国内において事業者が行った資産の譲渡等及び特定課税仕入れには、この法律により、消費税を課する。
「特定課税仕入れ」と聞くと仕入れを行っただけなのに、なぜ消費税の納税する義務が発生するのか?と疑問に思われる方も多いと思いますので、なぜこのような制度があるのか等、図や例を出しながら解説していきます。
それでは、誰でもわかる素人のための消費税シリーズの20回目「特定課税仕入れ」について始めていきましょう。
特定課税仕入れとは
先程、特定課税仕入れを行った事業者は消費税を納税する義務があると、説明しましたが、「特定課税仕入れ」とはどのよう取引のことでしょうか。
特定課税仕入れというのは、
- 事業者向け電子通信利用役務の提供による課税仕入れ
- 特定役務の提供による課税仕入れ
の二つを取引のことをいいます。
なお、事業者が、上記の「事業者向け電気通信利用役務の提供」や「特定役務の提供」を受けた場合であっても、以下の場合は「特定課税仕入れ」はなかったものとされるため、納税義務は発生しません。
- 簡易課税制度適用事業者
- 課税売上割合95%以上
⑴ 事業者向け電子通信利用役務の提供とは
事業者向け電子通信利用役務の提供というのは、外国法人や非居住者がインターネット等を介して行う電子書籍・広告の配信などのサービスのうち事業者のみに提供されるものをいいます。
「電気通信利用役務の提供」とは
「事業者向け電気通信利用役務の提供」というのは、具体的には、
等があります。
電子通信利用役務の提供は、国内取引なのか。
海外の事業者がインターネットを介して役務の提供を行うということは、一見、不課税である「国外取引」になりそうですが、平成27年の税制の改正により、国内取引の判定を役務の提供を行うもの居所、事務所ではなく、役務の提供を受ける者の住所等とするように見直されました。
課税方式(リバースチャージ方式)
そもそも、消費税において、課税取引を行った事業者が、消費税の申告や納税をするものですが、「電気通信利用役務の提供」については、国外事業者から役務の提供を受けた国内事業者が「特定課税仕入れを行った事業者」とされ、納税義務が発生し、申告・納税を行うことになっています。
これを「リバースチャージ方式」という課税方式といいます。
「国内において資産の譲渡等」を行った事業者の課税方式のイメージ図
「特定課税仕入れを行った事業者」の課税方式「リバースチャージ方式」のイメージ図
事業者が「電気通信利用役務の提供」を受けた際の課税方法をリバースチャージ方式とする意味
なぜ、国外事業者から当該役務の提供を受けた国内事業者が申告・納税を行う「リバースチャージ方式」による課税方式が採用されているかというと、従来の方法により、国内の事業者が行う場合は「国内取引」として課税し、国外の事業者が行う場合は「国外取引」として課税しないとした場合、いずれも同様の取引であり、日本国内で消費されるものであるにもかかわらず、片方のみ課税される制度であるのは、課税上のバランスが取れていないため、採用された制度です。
⑵ 特定役務の提供による課税仕入れ
特定役務の提供とは
特定役務の提供というのは外国法人や非居住者が映画や演劇の俳優、音楽家その他の芸能人又は職業運動家の役務の提供を主たる内容として行うサービスのうち、他の事業者に対して行うものをいいます。
簡単に言いますと、国外にいる映画等の俳優や音楽アーティスト、スポーツ選手、芸能人などが、日本の事業者に対して、役務の提供を行うことを「特定役務の提供」とされています。
具体例としては、
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