「全力電子帳簿」に電子保存した電子取引データをバックアップする方法を解説します。
全力電子帳簿のバックアップ機能
全力電子帳簿では、電子保存した次のデータをバックアップすることが可能です。
- 受領書類一覧と交付書類一覧のデータ
- 削除申請履歴データ
- 電子保存した領収書等のファイル
さらに上記1の受領書類一覧と交付書類一覧のデータは、それ自体で表計算ソフトのフィルタ機能を使うことで電子帳簿保存法の検索要件を満たすことができます。
つまり
バックアップする方法
1 バックアップ画面にアクセスする
画面右上の「👤」マークをクリックすると表示されるメニューの「バックアップ」をクリックし、バックアップ画面にアクセスします。
2 バックアップデータをダウンロードする
❶ 「集計期間」を決定する。
❷ 「出力内容」から必要なデータを次の3つから選択する。
❸ 「準備完了報告メールをする」にチェックを付すか決める。
チェックを付すとダウンロードが完了したときに、アカウント登録で使用しているメールアドレス宛に完了した旨をメールでお伝えします。
データ容量が多い場合は、ダウンロードに時間がかかりますので、そのようなときにこの機能を使用すると便利です。画面から離れて別の作業をしながら、メールの受信を待って都合の良いときにダウンロードすることが可能となります。
❹ 「ダウンロード」ボタンを押す。
❶ バックアップ対象のファイル数とファイルサイズが計算されるので確認する
❷「ダウンロード」ボタンを押す
PC上に出力内容でチェックしたファイルが保存されます。
「uploadfiles」フォルダの中に電子保存されたファイルが格納されています。
このリンクが表示されている間は何度でもダウンロード可能です。
「ダウンロード」ボタンを押してからバックアップ画面から離脱した場合は、こちらのリンクからダウンロードを実行してください。
検索要件を満たす索引簿として活用する方法
まず領収書等のデータをオンラインでやりとりした場合に必要な検索要件を確認しておきましょう。
電子取引データの電子保存の検索機能保持要件の概要
電子帳簿保存法では、領収書等をオンラインでやり取りした場合で、基準期間※の売上高が1,000万円を超える場合は、次の3つの検索機能を保持することが要件となっています。(基準期間の売上高が1,000万円以下の場合は、検索要件が不要です。)
- 取引年月日その他の日付、取引金額及び取引先を検索できる
- 日付又は金額については、その範囲を指定して検索できる
- 2以上の任意の項目を組み合わせて検索できる
※基準期間とは
個人事業主 | 電子取引が行われた日の属する年の前々年の1月1日から12月31日までの期間 |
---|---|
法 人 | 電子取引が行われた日の属する事業年度の前々事業年度 |
電子帳簿保存法の電子取引データの検索要件について詳しく知りたい場合は、次の記事をご参照ください。
次に全力電子帳簿のバックアップファイルでどのように検索要件を満たすのかを解説します。
全力電子帳簿保存のバックアップファイルで検索要件を満たす方法
全力電子帳簿のバックアップファイルの一つ受領書類一覧と交付書類一覧のデータ(e-book-files-list.csv)は、次のように出力されます。
「取引年月日」、「取引金額」と「取引先」が出力されているので、表計算ソフトのフィルタ機能を用いれば、❶この3つでの検索、❷日付と金額の範囲指定、❸2以上の項目を組み合わせての検索が可能となります。
検索でヒットした行の「対応ファイル名」の値と一致する名称の電子データを「uploadfiles」フォルダから探し出すことで、検索対象のファイルを特定することが可能です。
表計算ソフトでの検索の詳しいやり方については次のページをご参照ください。
したがって、会計期間1年分ずつ出力するなどの方法を取ると管理がしやすくなると思われます。
また、容量が多いため1年分出力できない場合は、集計期間を6ヶ月ずつ2回に分けて出力するなどで対応し、ダウンロードしたファイルを1つのファイルにコピーペーストするなどの方法で会計期間を通じて検索できるようにする必要があります。
このように全力電子帳簿は、保存したデータをバックアップできるだけでなく、バックアップファイル自体が電子帳簿保存法の検索要件を満たす形で出力されます。
そのため、全力電子帳簿の使用をやめることになっても、次の要件を満たすことでバックアップファイルそれ自体で電子帳簿保存法の要件にあった状態を保持できるのです。
- 決算期を通じたバックアップデータが出力できている。(バックアップの「集計期間」を決算期1年分を指定して出力できている。)
- 全力電子帳簿の事務処理規程を出力している。
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