ChatGPTで作った請求書そのまま送って大丈夫?インボイスと電子帳簿保存法の落とし穴|元国税調査官・税理士監修

「ChatGPTに頼んだら、それらしい請求書ができた。でも、このまま取引先に送って大丈夫?」

「PDFにしてメールで送ったけれど、控えはどう残しておけばいいの?」

結論から言うと、ChatGPTで作った請求書は、送る前に3つのことを確かめないと危ないです。一方で、外部のAIを契約しなくても、インボイスと電子帳簿保存法に対応した形でAIで請求書を作る方法があります。

理由は、請求書がインボイス制度と電子帳簿保存法のルールが適用される書類だからです。ChatGPTのような生成AIを使えば、請求書の文面や表はすぐに作れます。ただ、見た目が整っていても、記載事項が足りなかったり、控えの残し方が法律の求める形になっていなかったりすることがあります。

ChatGPTで作った請求書を送る前に確かめたい3つのこと

  1. インボイスの記載事項がそろっているか(6つの項目・登録番号・税率ごとの消費税額)
  2. メールで送るなら、電子帳簿保存法の保存に対応できているか(控えはデータのまま保存する義務がある)
  3. 番号と控えを、あとから説明できる形で残しているか(税務調査で見られる点)

この記事では、この3つを東京国税局で法人の税務調査に携わってきた元国税調査官・税理士の視点で解説します。あわせて、外部のAIを契約しなくても、インボイスと電子帳簿保存法に対応した形でAIで請求書を作る方法も紹介します。

※この記事は、請求書作成ソフト「全力請求書」を提供するジャパンネクス株式会社が作成しています。

この記事を監修した人

税理士(元国税調査官)

税務署に12年間勤務。主に法人税の調査に従事。

現在は、クラウド税務ソフト「全力法人税」、「全力消費税」や「全力電子帳簿」等を提供するジャパンネクス株式会社の代表を務める。

税務署側の視点を交えながら、主に法人税・消費税について一般の方に向けて実務に直結した税務情報を分かりやすく解説します。

ジャパンネクス株式会社

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1.確かめること(1)インボイスの記載事項がそろっているか

ChatGPTで作った請求書は、送る前に、インボイスの記載事項がそろっているかを確かめてください。

理由は、取引先が消費税の仕入税額控除を受けるには、次の記載事項を満たした適格請求書(インボイス)が必要だからです(消費税法57条の4第1項)。

  1. 適格請求書発行事業者の氏名または名称と、登録番号
  2. 取引年月日
  3. 取引の内容(軽減税率の対象品目であれば、その旨)
  4. 税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜または税込)と、適用税率
  5. 税率ごとに区分した消費税額等
  6. 書類の交付を受ける事業者の氏名または名称

ところが、ChatGPTで作ると、特に次の点で抜けや誤りが起きやすくなります。

  • 登録番号:自社の登録番号(T+13桁)が入っていない、または1桁違っている
  • 税率ごとの書き分け:10%と8%が混ざる請求書で、税率ごとの合計や消費税額が分かれていない
  • 消費税の端数処理:消費税額の端数処理は「1枚の適格請求書につき、税率ごとに1回」と決まっています(消費税法施行令70条の10)。明細ごとに端数を処理して合計すると、ルールに合いません
  • 計算と社名:生成AIは、桁の多い計算や、取引先の正式な社名の表記(「株式会社」の位置など)を間違えることがあります

記載事項に誤りがあった場合は、修正した適格請求書を取引先に交付し直す必要があります。送る前に、6つの項目と金額を自分で確かめてください。

2.確かめること(2)メールで送るなら、電子帳簿保存法の保存に対応できているか

ChatGPTで作った請求書をメールで送るなら、電子帳簿保存法の保存に対応できているかを確かめてください。

理由は、ChatGPTで作った請求書をPDFにしてメールで送ると、その取引は「電子取引」にあたるからです(電子帳簿保存法2条5号)。電子取引で送った請求書の控えは、データのまま保存することが法律で義務づけられています(電子帳簿保存法7条)。紙に印刷して保存することを認めていた宥恕措置は2023年12月で終わり、2024年1月以後の取引では、印刷して綴じておくだけでは足りません。

データで保存するときは、次のことが求められます。

求められること 内容
改ざんを防ぐ措置(どれか1つ) タイムスタンプを付ける/訂正・削除ができない(または記録が残る)システムで送付と保存を行う/訂正削除の防止に関する事務処理規程を定めて運用する(電子帳簿保存法施行規則4条1項)
検索できる状態 取引年月日・金額・取引先で検索でき、日付と金額は範囲指定、2つ以上の項目の組み合わせもできる(同2条6項5号)。売上高が5,000万円以下で、税務職員からのデータの提示・提出の求めに応じられる場合などは不要
画面と紙で見られる状態 パソコンやプリンタで、すぐに表示・印刷できる(同2条2項2号)

ChatGPTで作ってメールで送るやり方では、これを全部自分で整えることになります。たとえば、事務処理規程を作って社内で運用し、PDFのファイル名を「日付_取引先_金額」にそろえてフォルダに保存する、といった作業です。

その対応、できていますか? 送った請求書の控えがメールの送信履歴にしか残っていない、という状態は少なくありません。メールで送るなら、送る前に、控えをデータのまま求められる形で保存できるかを確かめてください。

3.確かめること(3)番号と控えを、あとから説明できる形で残しているか

ChatGPTで請求書を作るなら、番号と控えを、あとから説明できる形で残しておきましょう。

理由は、税務調査で控えが見られるからです。元国税調査官の立場からお伝えすると、税務調査では、発行した請求書の控えを帳簿の売上と突き合わせて、売上の計上漏れや計上時期のずれがないかを確かめます。

請求書をChatGPTで作ったかどうかは問われませんが、次のような点は説明を求められやすくなります。

  • 請求書の番号が飛んでいる、または同じ番号で内容の違う控えがある
  • 取り消した請求書や、修正する前の請求書の控えが残っていない
  • 取引先に送った請求書と、手元の控えの内容が違う

ChatGPTで毎回請求書を作り直していると、番号の管理や「最終的にどれを送ったか」があいまいになりがちです。

あとから説明できるように、番号の付け方と、送ったものそのものの控えを残すルールを決めておきましょう。

4.AIで請求書を作る方法は3つある

AIで請求書を作る方法は、ChatGPTで文面を作るほかにもあります。3つの方法のうち、準備も追加の費用もいらないのは、請求書ソフトにAIが入っているタイプです。

理由は、AIが請求書ソフトに最初から入っていれば、AIサービスを別に契約したり、請求書ソフトとつなぐ設定をしたりしなくて済むからです。

3つの方法を比べると、次のようになります。

  ChatGPTなどで文面を作る 外部のAIを請求書ソフトにつなぐ 請求書ソフトに入っているAIを使う
準備 AIサービスのアカウント AIサービスの契約と、請求書ソフトとの接続の設定 不要
費用 無料から(有料版あり) AIサービスの料金+請求書ソフトの料金(AI連携は有料プランだけのことも) 請求書ソフトの料金だけ
インボイスの様式 自分で確かめる 請求書ソフトの様式 請求書ソフトの様式
電子帳簿保存法の保存 自分で整える 請求書ソフトの仕組みによる 請求書ソフトの仕組みによる

ChatGPTで文面を作る方法は手軽ですが、インボイスの確認と電子帳簿保存法の保存は自分の仕事として残ります。外部のAIを請求書ソフトにつなぐ方法は、大手の請求書ソフトでも提供が始まっていますが、AIサービスの契約と接続の設定が必要です(2026年10月 当社調べ)。

つまり、準備も追加の費用もいらないのは、請求書ソフトにAIが入っているタイプです。

5.全力請求書なら、インボイスも電子帳簿保存法も心配いらない

ジャパンネクス株式会社の全力請求書から送った請求書なら、インボイスも電子帳簿保存法も心配いりません(全力請求書の外で送った場合は、5-3の注記をご覧ください)。

理由は、ChatGPTで作るときに自分で確かめていたことを、ソフトが引き受けるからです。全力請求書は、AIが最初から入っている法人向けのクラウド請求書作成ソフトです。

5-1.外部のAIの契約も、接続の設定もいらない

全力請求書を使うのに、外部のAIの契約も、接続の設定もいりません。

理由は、AIが最初から入っているからです。

トップ画面に「A社に9月分のコンサル料30万円を請求」と一文を入れるか、声で話すだけで、取引先・件名・明細・金額の入った請求書の下書きができます。入力した内容は、下書きを作るために当社が契約するAI事業者に送られますが、AIの学習には使われません。

外部のAIサービスを契約する必要も、複雑な接続を設定する必要もありません。外部のAIサービスを他の請求書ソフトに接続する一般的なやり方は次の記事で紹介しています。これができるでしょうか。 https://japanex.jp/book/?p=14323&preview=true#toc4

5-2.インボイスに対応。金額はシステムが計算し直す

全力請求書はインボイスに対応していて、金額はシステムが計算し直します。

理由は、1章で挙げた抜けや誤りが起きやすい点を、AIに任せずにソフトの仕組みで処理するからです。

  • 適格請求書の記載事項を満たした様式で出力します
  • 取引先は、社名や登録番号から国税庁の公表サイトに照会して入力します
  • AIが読み取るのは品目・数量・単価まで。小計・消費税・合計はシステムが明細から計算し直し、消費税の端数処理も税率ごとに1回で行います
  • 明細がマイナスになると、返還インボイス(適格返還請求書)の様式に切り替わります
  • 発行する前に、画面で確かめて、気になるところだけ直せます

インボイスの様式も金額の計算も、ソフトが引き受けます。

5-3.電子帳簿保存法に対応。全力請求書から送れば、控えは自動で残る

全力請求書は電子帳簿保存法に対応しています。全力請求書から送れば、控えは自動で残ります。

理由は、請求書を送るところから控えを残すところまで、全力請求書の中で行うからです。全力請求書では、メール送付やパスワード付きの共有リンクで請求書を送れます。そして、送った請求書の控えは次のように残ります。

  • 発行した内容は書き換えられません。取り消しても記録は残ります
  • 誰がいつどの帳票に何をしたかの操作履歴と、送付・開封の記録が残ります
  • 取引年月日・金額・取引先で検索でき、範囲指定や組み合わせもできます

このため、全力請求書から送った請求書の控えは、電子帳簿保存法の改ざん防止と検索の要件を満たす形で保存されます。事務処理規程を作ったり、ファイル名をそろえてフォルダに保存したりする必要はありません。

全力請求書から送れば、メールで請求書を送るたびに保存方法を気にする心配は、いらなくなります。

※帳票をPDFでダウンロードし、全力請求書の外で送った場合は、この仕組みの対象外です。別途、訂正削除の防止に関する事務処理規程の備え付けなどが必要です。

5-4.番号と控えも、あとから説明できる形で残る

全力請求書なら、番号と控えも、あとから説明できる形で残ります。

理由は、帳票番号は会社ごとの連番で、振り直しや詰め直しをしないからです。

取り消した請求書も透かし入りのPDFで内容を確認できます。

税務調査で「この番号の請求書は?」と聞かれても、すぐに見せられます。

5-5.料金は0円

全力請求書の料金は0円です。

AIが最初から入っているので、AIの利用料が別にかかることもありません。

全力会計のお試し期間(1年間)中と、全力会計の有料会員(年払いで月900円+税)は、請求書を無制限に作成できます。全力請求書だけで使う場合は、累計10件まで作成できます。法人専用のサービスです。

AIの分も含めて、全力請求書の料金は0円です。

このように、ChatGPTで作るときに自分で確かめていた3つのこと(記載事項・保存・番号と控え)を、全力請求書が引き受けます。全力請求書から送った請求書なら、インボイスも電子帳簿保存法も心配いりません。

6.税理士・元国税調査官が設計・監修

全力請求書は、税理士・元国税調査官が設計・監修しています。

理由は、請求書がインボイス制度と電子帳簿保存法のルールがかかる書類だからです。

全力請求書は、全力法人税を作ったチームが、判断基準の設計から内容の監修までを担当しています。3名とも、東京国税局で法人の税務調査に携わってきた元国税調査官です。

監修者 肩書き 経歴
海野 耕作 ジャパンネクス株式会社 代表取締役/税理士/元国税調査官 東京国税局に入局し、税務署で12年間、法人税の調査を担当
濱名 柾明 税理士/元国税調査官 東京国税局で13年間、法人税務に従事。税務署で中小企業の税務調査と審理事務、国税局調査部で大企業の税務調査を担当
伊藤 佑馬 元国税調査官 税務署と東京国税局で14年間、特別調査などの調査事務を担当。東京国税局査察部では査察調査も担当

全力請求書は、東京国税局で法人の税務調査に携わってきた税理士・元国税調査官が設計・監修しています。

ChatGPTで請求書を作るときによくある質問

Q1.ChatGPTで作った請求書は、インボイスとして有効ですか?

記載事項を満たしていれば、有効です。作り方は問われません。適格請求書発行事業者が、記載事項(消費税法57条の4第1項)を満たした書類やデータを交付すれば、適格請求書になります。記載事項がそろっているかは、送る前に自分で確かめる必要があります。

Q2.メールで送った請求書の控えは、印刷して保存すればいいですか?

印刷だけでは足りません。メールで送った請求書は電子取引にあたり、控えはデータのまま保存することが法律で義務づけられています(電子帳簿保存法7条)。改ざんを防ぐ措置と、検索できる状態も必要です。

Q3.ChatGPTに取引先名や金額を入力しても大丈夫ですか?

使っているAIサービスの設定で、入力した内容がAIの学習に使われるかどうかを確かめてください。全力請求書では、入力した内容は下書きを作るために当社が契約するAI事業者に送られますが、AIの学習には使われません。

Q4.全力請求書を使うのに、外部のAIサービスの契約は必要ですか?

必要ありません。全力請求書にはAIが最初から入っています。外部のAIサービスの契約も、接続の設定もいらず、AIの利用料が別にかかることもありません。

Q5.紙で郵送する請求書でも、電子帳簿保存法の対応は必要ですか?

紙で渡した請求書の控えは、紙で保存できます。データのまま保存しなければならないのは、メールや共有リンクなど、データで送った請求書です。

ChatGPTで請求書を作って不安になったら、インボイスと電子帳簿保存法に対応した全力請求書へ。

ChatGPTで作った請求書は、送る前に3つのこと(インボイスの記載事項・メールで送ったときの電子帳簿保存法の保存・番号と控え)を確かめないと危ないです。 全力請求書なら、外部のAIを契約しなくても、インボイスと電子帳簿保存法に対応した形でAIで請求書を作れます。全力請求書から送った請求書なら、控えも電子帳簿保存法の改ざん防止と検索の要件を満たす形で自動で残ります。

全力請求書は、ジャパンネクス株式会社(2015年設立・神奈川県鎌倉市)が提供する法人向けのクラウド請求書作成ソフトです。同社は2016年から法人税申告ソフト「全力法人税」を提供しており、全力シリーズ(全力法人税・全力会計・全力電子帳簿など)の累計利用社数は40,000社+(2026年9月時点)です。全力請求書の判断基準の設計と内容の監修は、東京国税局で法人の税務調査に携わってきた元国税調査官3名(うち2名は税理士)が担当しています。

全力請求書のページでは、一文を入れてから請求書の下書きができるまでの流れを、その場で試せます。

全力請求書の機能一覧 / 監修者

参考:国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」問18・問19・問30・問39/国税庁「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」

 

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