食事・通勤手当の非課税枠が倍増!知るだけで従業員の手取りが変わる

会社員 新米社長

社員食堂や弁当支給の福利厚生を考えてるんですが、食事の非課税枠が少なすぎて…。あと、マイカー通勤の社員の通勤手当も非課税の上限が気になっています。

その悩み、令和8年度の税制改正で大きく改善されますよ!食事の非課税枠が月額3,500円から7,500円に倍増し、さらにマイカー通勤の非課税限度額も引き上げ&駐車場代が新たに非課税対象になりました。この記事で両方の改正内容と注意点をしっかり押さえましょう。

弁護士 元国税税理士
この記事の特徴
本記事は、税理士に頼らず自力で法人の経理処理から確定申告までを攻略したいという方向けの記事です。
中小企業向けに初心者にもわかりやすく元国税調査官で税理士が実務で必要となる知識に絞って可能な限り簡単に解説していきます。

まずは、食事の非課税枠について解説し、その後でマイカー通勤の非課税限度額の解説をしていく形で進めていきます。


1 食事の非課税枠の拡大について

1-1 そもそも食事の非課税枠とは?

食事の非課税枠(所得税基本通達36-38の2)
会社(使用者)が従業員に食事を支給した場合、一定の要件を満たせば給与として課税されないという制度です。社員食堂での食事提供や弁当の支給などが対象となります。要件を満たさない場合は、会社負担分が従業員の給与として所得税がかかります。

たとえば、会社が1食500円の弁当を従業員に支給し、従業員が300円を負担している場合、会社負担は200円です。この会社負担額が非課税の要件を満たしていれば、従業員に所得税はかかりません。

ただし、食事代を現金で支給する場合は、金額にかかわらず全額が給与課税の対象となります(深夜勤務の夜食代を除く)。あくまでも現物支給(食事そのものの提供)が原則です。

1-2 令和8年度改正で何が変わったか

令和8年度税制改正大綱において、食事の非課税枠について2つの引き上げが行われました。

【ポイント】2つの改正ポイント

今回の改正内容を一言でまとめると、以下の2点です。

テキストを選択して上書き編集してください
  • 「食事の支給に係る使用者負担額の上限引き上げ」
  • 「深夜勤務の夜食代の上限引き上げ」

【理由】物価上昇への対応

月額3,500円という上限は長年据え置かれてきましたが、近年の物価上昇により実態と乖離が大きくなっていました。従業員の食事支援という福利厚生の実効性を維持するため、上限額が引き上げられました。

【具体例】改正前後の比較

食事の非課税枠 改正前後の比較

項目改正前改正後
食事の支給に係る使用者負担額の上限月額3,500円月額7,500円
深夜勤務の夜食代(現金支給可)1回300円以下1回650円以下
従業員の負担割合食事代の50%以上食事代の50%以上(変更なし)
金額の判定基準税抜税抜(変更なし)
会社員 新米社長

月額7,500円まで非課税なら、1日あたり約340円(22営業日で計算)の会社負担ができるってことですね。これなら弁当支給もかなり現実的になりますね!

1-3 非課税になるための3つの要件

食事の支給が非課税になるためには、次の3つの要件をすべて満たす必要があります。

非課税の3要件(すべてを満たすこと)
要件① 食事の現物を支給していること(現金での支給は対象外)
要件② 従業員が食事の価額の50%以上を負担していること
要件③ 使用者(会社)の負担額が月額7,500円以下(税抜)であること

この3つの要件のうち、1つでも満たさない場合は、使用者負担額の全額が給与として課税されます。特に要件①は見落としがちですが、現金や食事手当として支給した場合は金額にかかわらず全額が給与課税の対象です(国税庁 質疑応答事例)。一部だけ課税されるのではなく、全額が課税対象になる点に注意してください。

1-4 ケース別の具体例

ケース①:社員食堂で食事を提供する場合

自社の社員食堂で1食あたりの食事の価額が600円の場合を考えます。

社員食堂の具体例
食事の価額:600円(税抜)/食
従業員負担:350円(食事の価額の58%)
会社負担:250円/食 × 22日 = 月額5,500円

→ 従業員負担58%(50%以上)✓
→ 会社負担 月額5,500円(7,500円以下)✓
非課税

ケース②:弁当を支給する場合

仕出し弁当(1食800円・税抜)を従業員に支給するケースです。

弁当支給の具体例
弁当の価額:800円(税抜)/食
従業員負担:400円(食事の価額の50%)
会社負担:400円/食 × 22日 = 月額8,800円

→ 従業員負担50%(50%以上)✓
→ 会社負担 月額8,800円(7,500円)✗
会社負担8,800円の全額が給与課税

このように、1食あたりの会社負担が少額でも、月額の合計で7,500円を超えると全額が課税対象になります。月の営業日数を考慮した設計が重要です。

ケース③:深夜勤務の夜食代を現金で支給する場合

深夜勤務(午後10時~午前5時)に従事する従業員に、夜食の現物支給が困難なため現金で支給するケースです。

深夜勤務の夜食代
支給額:1回650円

→ 650円以下 ✓
非課税(現金支給でもOK)

※ 1回700円を支給した場合
→ 650円超 ✗
700円の全額が給与課税

深夜勤務の夜食代は、食事の現物支給が困難な場合に限り例外的に現金での支給が認められている点がポイントです。ただし、1回あたり650円を超えると全額が課税されます。

1-5 実務上の注意点

続きを読むには全力法人税のアカウントが必要です。
全力法人税に無料登録またはログインするとこの記事の全文をお読みいただけます。

知識0でも自分でできる!法人税申告書作成ソフト「全力法人税」

中小企業向け法人税申告書作成ソフトの特徴

元国税・税理士が作った
・登録ユーザー35,000社を突破
・クラウド法人税ソフトで最安値
・法人税の知識不要で誰でもできる
無料でほぼすべての機能を利用できる
 (一部の申告書類の出力を除く)

クラウド税務ソフトで初めて自力申告を可能にした元祖「全力法人税」であなたも税理士なしで法人税の申告書をかんたんに作成できます!

続きを読むには全力法人税のアカウントが必要です。
全力法人税に無料登録またはログインするとこの記事の全文をお読みいただけます。

コメント