
社員食堂や弁当支給の福利厚生を考えてるんですが、食事の非課税枠が少なすぎて…。あと、マイカー通勤の社員の通勤手当も非課税の上限が気になっています。
その悩み、令和8年度の税制改正で大きく改善されますよ!食事の非課税枠が月額3,500円から7,500円に倍増し、さらにマイカー通勤の非課税限度額も引き上げ&駐車場代が新たに非課税対象になりました。この記事で両方の改正内容と注意点をしっかり押さえましょう。
まずは、食事の非課税枠について解説し、その後でマイカー通勤の非課税限度額の解説をしていく形で進めていきます。
1 食事の非課税枠の拡大について
1-1 そもそも食事の非課税枠とは?
たとえば、会社が1食500円の弁当を従業員に支給し、従業員が300円を負担している場合、会社負担は200円です。この会社負担額が非課税の要件を満たしていれば、従業員に所得税はかかりません。
ただし、食事代を現金で支給する場合は、金額にかかわらず全額が給与課税の対象となります(深夜勤務の夜食代を除く)。あくまでも現物支給(食事そのものの提供)が原則です。
1-2 令和8年度改正で何が変わったか
令和8年度税制改正大綱において、食事の非課税枠について2つの引き上げが行われました。
【ポイント】2つの改正ポイント
今回の改正内容を一言でまとめると、以下の2点です。
- 「食事の支給に係る使用者負担額の上限引き上げ」
- 「深夜勤務の夜食代の上限引き上げ」
【理由】物価上昇への対応
月額3,500円という上限は長年据え置かれてきましたが、近年の物価上昇により実態と乖離が大きくなっていました。従業員の食事支援という福利厚生の実効性を維持するため、上限額が引き上げられました。
【具体例】改正前後の比較

| 項目 | 改正前 | 改正後 |
|---|---|---|
| 食事の支給に係る使用者負担額の上限 | 月額3,500円 | 月額7,500円 |
| 深夜勤務の夜食代(現金支給可) | 1回300円以下 | 1回650円以下 |
| 従業員の負担割合 | 食事代の50%以上 | 食事代の50%以上(変更なし) |
| 金額の判定基準 | 税抜 | 税抜(変更なし) |
月額7,500円まで非課税なら、1日あたり約340円(22営業日で計算)の会社負担ができるってことですね。これなら弁当支給もかなり現実的になりますね!
1-3 非課税になるための3つの要件
食事の支給が非課税になるためには、次の3つの要件をすべて満たす必要があります。
要件② 従業員が食事の価額の50%以上を負担していること
要件③ 使用者(会社)の負担額が月額7,500円以下(税抜)であること
この3つの要件のうち、1つでも満たさない場合は、使用者負担額の全額が給与として課税されます。特に要件①は見落としがちですが、現金や食事手当として支給した場合は金額にかかわらず全額が給与課税の対象です(国税庁 質疑応答事例)。一部だけ課税されるのではなく、全額が課税対象になる点に注意してください。
1-4 ケース別の具体例
ケース①:社員食堂で食事を提供する場合
自社の社員食堂で1食あたりの食事の価額が600円の場合を考えます。
従業員負担:350円(食事の価額の58%)
会社負担:250円/食 × 22日 = 月額5,500円
→ 従業員負担58%(50%以上)✓
→ 会社負担 月額5,500円(7,500円以下)✓
→ 非課税
ケース②:弁当を支給する場合
仕出し弁当(1食800円・税抜)を従業員に支給するケースです。
従業員負担:400円(食事の価額の50%)
会社負担:400円/食 × 22日 = 月額8,800円
→ 従業員負担50%(50%以上)✓
→ 会社負担 月額8,800円(7,500円超)✗
→ 会社負担8,800円の全額が給与課税
このように、1食あたりの会社負担が少額でも、月額の合計で7,500円を超えると全額が課税対象になります。月の営業日数を考慮した設計が重要です。
ケース③:深夜勤務の夜食代を現金で支給する場合
深夜勤務(午後10時~午前5時)に従事する従業員に、夜食の現物支給が困難なため現金で支給するケースです。
→ 650円以下 ✓
→ 非課税(現金支給でもOK)
※ 1回700円を支給した場合
→ 650円超 ✗
→ 700円の全額が給与課税
深夜勤務の夜食代は、食事の現物支給が困難な場合に限り例外的に現金での支給が認められている点がポイントです。ただし、1回あたり650円を超えると全額が課税されます。
1-5 実務上の注意点
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