勘定科目の「旅費交通費」について、具体例をふんだんに使って簿記初心者にもわかりやすく解説します。
1「旅費交通費」が使われる取引例
勘定科目の「旅費交通費」で経理される主な取引例は以下のとおりです。
| 内容 | 具体例 |
|---|---|
| 旅費 |
|
| 交通費 |
|
2「旅費交通費」とは
勘定科目の「旅費交通費」とは
企業活動を行う中で、業務のために要した交通費や出張に対して支払った費用を処理するための会計項目。
「旅費交通費」で経理されるものは、交通費やホテル代など出張や通勤に要した費用です。
2-1 旅費交通費の特徴
「旅費交通費」の会計上おあさえておくべき特徴は次のとおりです。
| グループ | 「費用」グループ |
|---|---|
| 決算書の表示 | 販売費及び一般管理費 |
| 類似科目 | 交通費、通勤費、車両費 |
| 税区分 | 課税仕入※1 |
| インボイス有無の判定 | 必要(一部免除※2) |
※1 海外で支払った費用は「対象外」
※2 3万円未満の公共交通機関による旅客の運送費用については免除
、3「旅費交通費」の仕訳例
出張のために、タクシー代税込5,500円(税率10%)を現金で支払ったケース
【税込経理方式】
| 借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 旅費交通費 | 5,500 | 現金 | 5,500 |
【税抜経理方式】
| 借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 旅費交通費 | 5,000 | 現金 | 5,500 |
| 仮払消費税等 | 500 |
4「旅費交通費」処理上のその他の注意点
4-1 交通費、通勤費との違い
「交通費」や「通勤費」と区分して、会計処理を行うケースもありますが、「旅費交通費」としてまとめて処理しても問題ありません。
会社のルールに従って、計上する必要があります。
4-2 所得税の注意点
4-2-1 旅費交通費は原則所得税は課税されない
所得税法では、旅費交通費に関する部分について、次のようなケースでは、その費用を受け取った従業員等に対して所得税が課されないこととなっています。
所得税法第9条の非課税所得の規定
給与所得を有する者が、以下の旅行をした場合に必要な支出に充てるため支給される金品で、その旅行について通常必要であると認められるものは、その金品を受領したものには所得税はかからない。
- 勤務する場所を離れてその職務を遂行するため旅行
- 転任に伴う転居のための旅行
- 就職をした者、退職をした者、死亡による退職をした者の遺族が、これらに伴う転居のための旅行
これらの旅行で使用者から、通常必要と認められる範囲内の金額であれば、それを受けた者に対してその金額には所得税は課されないことになっています。
したがって、基本的には、旅費交通費に該当する費用については、それを受け取った従業員等に所得税が課されることはありません。
4-2-2 旅費交通費でも所得税が課税されるケース
前述の4-2-1に該当する旅費交通費は、それを受け取った従業員等に対して所得税を課さないこととしていますが、非課税となるのは、「通常必要であると認められる範囲内」であると規定しています。
それでは、「通常必要であると認められる範囲内」とはどのように判断すればいいのでしょうか。
所得税基本通達の9-3に以下のように判断するよう規定されています。