1「(接待)交際費」が使われる取引例
勘定科目の「交際費」で経理される主な取引例は以下のとおりです。
| 内容 | 具体例 |
|---|---|
| 接待費用 | 飲食代(居酒屋、バー、スナック、キャバクラ、クラブ、ラウンジ、焼肉、鉄板焼き、寿司屋、料亭、屋形船、レストラン、車内交際費)、ゴルフ、ゴルフコンペ、スポーツ観戦、カラオケ、ボーリング、麻雀 |
| 贈答費用 | 手土産、贈答品、お中元、お歳暮、花束、スタンド花(スタンドフラワー)、ギフトカード(ギフト券)、商品券、プリペードカード、図書カード(図書券)、記念品、お祝い金 |
| 慰安費用 (接待のために支出した場合) |
ホテル代、旅行代、温泉旅館、歓送迎会、送別会、懇親会 |
| 移動費用 (接待のために支出した場合) |
タクシー代、電車代 |
2「(接待)交際費」とは
「交際費」で経理されるものは、接待費、贈答費、慰安費、それらのために要した移動費、機密費など事業に関係のある者への接待や贈答などのために支払う費用です。
法人の役員・従業員やその家族への支出(いわゆる車内交際費)も交際費となりえますが、代表者とその家族だけ、ある役員とその家族だけという支出は、会社の費用計上自体認められませんので、交際費にもならないことに注意しましょう。
2-1 (接待)交際費の特徴
「交際費」の会計上おさえておくべき特徴は次のとおりです。
| グループ | 「費用」グループ |
|---|---|
| 決算書の表示 | 販売費及び一般管理費 |
| 類似科目 | 福利厚生費、会議費 |
| 税区分 | 課対仕入 |
| インボイス有無の判定 | 必要 |
2-2 (接待)交際費とする要件
交際費として計上すべきものの要件は以下の2つが挙げられます。
- 得意先、仕入先、法人の役員・従業員(その家族を含む)その他の事業に関係ある者に対するものである(代表者だけや代表者と家族だけは×)
- 接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために要した費用である
2-2-1 【要件1】誰に支出したか
事業を円滑に進めるためなどを目的として、得意先、仕入先や特定の従業員(全社員でないという意味で)など基本的に事業に関係する者に対する支出である必要があります。
社長や個人事業主一人のためやその家族だけのために支出したものは、個人的な支出であり、会社の費用になりえませんので、交際費になることもありません。
2-2-2 【要件2】接待等の目的のためであるか
交際費として計上するには、接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のための支出である必要があります。
ただし、以下のものに該当する場合は、交際費とはならないので注意しましょう。(後述)
- 寄附金
- 値引き及び割戻し
- 広告宣伝費
- 福利厚生費
- 給与等
3「(接待)交際費」の仕訳例
得意先を料亭で接待したケース
| 借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 交際費(課対仕入10%) | 110,000 | 現金(対象外) | 110,000 |
4「(接待)交際費」処理上の注意点
交際費として経理する上で以下の点に注意しましょう。
4-1 法人は交際費の全額が損金(法人税法上の費用)になるわけではない
資本金の額によって取り扱いが違いますので、資本金ごとに解説します。
4-1-1 資本金が1億円以下の法人
期末の資本金が1億円以下の法人(資本金の額または出資金の額が5億円以上の法人の100%子会社を除く)は、以下のいずれか多い金額を損金※1にできます。
資本金が1億円以下の法人が交際費で損金にできる範囲
- 支出した交際費の金額のうち年間800万円までの金額
- 支出した交際費のうち接待飲食費※2の50%相当額
※1:損金とは、法人税固有の用語で、会社計算で費用計上しているすべてが法人税の計算上所得金額から差し引けるわけではなく、損金として認められる金額が所得金額から差し引くことができます。損金については、以下の記事で詳しく解説しています。
※2:接待飲食費とは、交際費のうち、飲食に要する費用又は飲食に類する行為のことを指します。そして1人あたりの接待飲食費が10,000円以下である必要があります。
多くの中小企業は、年間800万円を上限に交際費を損金にします。
なぜなら接待飲食費を年間1,600万円支出するようなケースでないと接待飲食費の半額を損金にする方が特になることはありません。そんな会社ほとんどないですよね。
だから中小企業は、交際費の場合は、年間800万円は法人税でも費用になると覚えておけばいいということになります!
法人の交際費の取り扱いについては、次のページで詳しく解説しています。
4-1-2 資本金が1億円超かつ100億円以下の法人
期末の資本金の額が1億円を超え、かつ100億円以下の法人は、接待飲食費の50%相当額を超える金額は、損金にすることができません。
つまり、交際費として費用計上していたとしても、接待交際費以外は全額法人の損金にはできないのです。
4-1-3 資本金が100億円超の法人
期末の資本金の額が100億円を超える法人は、支出した交際費の全額が損金に認められません。
つまり、交際費として費用計上していたとしても、法人税額の計算上その全額が損金にはならないのです。
4-2 交際費と給与との区分
交際費として費用計上していたとしても、次のようなものは、交際費ではなく、給与として源泉所得税がかかることに注意しましょう。
- 常時給与される昼食等の費用
- 自社の製品、商品等を原価以下で従業員等に販売した場合の原価に達するまでの費用
- 機密費、接待費、交際費、旅費等の名義で支給したもののうち、その法人の業務のために使用したことが明らかでないもの
4-3 交際費と寄附金との区分
寄附金とは、寄附金、拠出金、見舞金その他いずれの名義をもってするかを問わず、会社が行った金銭その他の資産または経済的利益の贈与または無償の供与をいいます。
例えば、社会事業団体、政治団体に対する拠金や神社の祭礼等の寄贈金などのように、事業に直接関係ない者に対する金銭でした贈与は、原則として寄附金として取り扱われます。
4-4 交際費と広告宣伝費との区分
不特定多数の者に対する宣伝的効果を意図するものは広告宣伝費で経理し、次のようなものは交際費に含まれないとされています。
- 製造業者又は卸売業者が、抽選により、一般消費者に対し金品を交付するために要する費用又は一般消費者を旅行、観劇等に招待するために要する費用
- 製造業者又は卸売業者が、金品引換券付販売に伴い、一般消費者に対し金品を交付するために要する費用
- 製造業者又は販売業者が、一定の商品等を購入する一般消費者を旅行、観劇等に招待することをあらかじめ広告宣伝し、その購入した者を旅行、観劇等に招待する場合のその招待のために要する費用
- 小売業者が商品の購入をした一般消費者に対し景品を交付するために要する費用
- 一般の工場見学者等に製品の試飲、試食をさせる費用(これらの者に対する通常の茶菓等の接待に要する費用を含む。)
- 得意先等に対する見本品、試用品の供与に通常要する費用
- 製造業者又は卸売業者が、自己の製品又はその取扱商品に関し、これらの者の依頼に基づき、継続的に試用を行った一般消費者又は消費動向調査に協力した一般消費者に対しその謝礼として金品を交付するために通常要する費用
4-5 交際費と福利厚生費との区分
福利厚生費は、以下の2つの要件を満たす従業員の生活の質を向上させたり、働きやすい環境を提供するために支出する費用をいいます。
- 従業員のおおむねすべてを対象とし、機会が平等にあること
- 支出金額が社会通念上妥当であること
これらの支出は福利厚生費となり、交際費とはなりません。

