勘定科目の「水道光熱費」について、具体例をふんだんに使って簿記初心者にもわかりやすく解説します。
1「水道光熱費」が使われる取引例
勘定科目の「水道光熱費」で経理される主な取引例は以下のとおりです。
| 内容 | 具体例 | 
|---|---|
| 水道料金(水道代) | 水道料金、下水道料金など | 
| 電気料金(電気代) | 東京電力、関西電力、中部電力、東北電力、九州電力、中国電力、四国電力、北海道電力、北陸電力、沖縄電力など | 
| ガス料金(ガス代) | 都市ガス、プロパンガスなど | 
| 暖房を稼働するための燃料にかかる費用 | 灯油、薪(まき)など | 
2「水道光熱費」とは
水道光熱費全体の金額が高額になる場合は、「水道料」「電気料」と勘定科目を独立させたり、灯油などの燃料は「燃料費」といった勘定科目を設定する場合もあります。
「水道光熱費」の特徴は次のとおりです。
| グループ | 「費用」グループ | 
|---|---|
| 決算書の表示 | 販売費及び一般管理費 | 
| 類似科目 | 燃料費 | 
| 税区分 | 課税仕入 | 
| インボイス有無の判定 | 必要 | 
3「水道光熱費」の仕訳例
電気料金22,000円が普通預金で引き落としされたケース(税込経理方式)
| 借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 
|---|---|---|---|
| 水道光熱費 | 22,000 | 普通預金 | 22,000 | 
税抜経理方式の場合(電気料金が税込22,000円税率10%)
| 借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 
|---|---|---|---|
| 水道光熱費 | 20,000 | 普通預金 | 22,000 | 
| 仮払消費税等 | 2,000 | 
4「水道光熱費」処理上の注意点
4-1 「水道光熱費」をいつ計上するか?
電気代や、水道代、ガス代は、使用量のお知らせなどからいつからいつまでの使用分でいくらということがわかります。
発生主義の見地からは、請求ベースで(お知らせを受け取ったら)経費として計上するのが本来の姿です。
しかしながら、実務では、金額も大きくなく、会計処理が煩雑になるだけなので、重要性の原則を適用して、支払ったときに経費として費用計上するのが一般的です。
4-2 決算月の取り扱い
4-1で解説したとおり「水道光熱費」は、支払った時に費用計上で良いのですが、電気ガス水道料金は、使用月の翌月に支払を行うことが一般的であるため、決算月の電気ガス水道料金は決算期末時点で支払っていなかったとしても「未払費用」として12月の費用にすることも可能です。
金額が大きい場合は、このような処理をするとその分節税になります。
12月決算にあたり、12月分の水道料金3万円を未払計上した時の仕訳
| 借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 
|---|---|---|---|
| 水道光熱費 | 30,000 | 未払費用 | 30,000 | 
1月に、水道料金を支払ったとき12月分の水道料金3万円を支払った時の仕訳
| 借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 
|---|---|---|---|
| 未払費用 | 30,000 | 普通預金 | 30,000 | 
12月決算で、12月分の使用量が12月10日から1月9日といったように12月を過ぎている日がある場合は、その分は除く必要があります。
これが面倒な場合は、4-1の処理でよいでしょう。
4-3 製造業や建設業の水道光熱費
本社の営業や事務部門の場合は、「販売費及び一般管理費」に分類されます。
製造部門の工場などの水道光熱費は、「製造原価」で製造経費として処理し、建設部門の現場などでの水道光熱費は、「完成工事原価」で経費処理することになります。
4-4 個人事業主が自宅で仕事をしている場合
個人事業主が、住居兼事務所の水道光熱費を処理する場合には、事務所分は事業の経費となりますが、自宅分は経費とはなりません。
したがって、事業処分を経費とする場合は、なんらかの合理的な判断基準で、按分して計算します。
例えば、電気代を面積按分したとしましょう。
総2階建て(1階と2階の面積が同じ)で1階が職場で2階が自宅だとしましょう。
それぞれ按分すると職場が50%、自宅50%と按分できます。
電気代20,000円をこの割合で按分したとすると次のような仕訳となります。
| 借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 
|---|---|---|---|
| 水道光熱費 | 10,000 | 普通預金 | 20,000 | 
| 事業主貸 | 10,000 | 
勘定科目「水道光熱費」の解説は以上です。
この取引がどの勘定科目に当てはまるかわからない、教えてほしいということがあったらコメントくださいね。
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