勘定科目の「通信費」について、具体例をふんだんに使って簿記初心者にもわかりやすく解説します。
1「通信費」が使われる取引例
勘定科目の「通信費」で経理される主な取引例は以下のとおりです。
| 内容 | 具体例 |
|---|---|
| 固定電話や携帯電話の通話料や通信費用 |
電話料金、FAX料金、国際電話、NTT、ドコモ、au、ソフトバンク、iPhone、楽天モバイル、スマホ料金、プリペイド式携帯電話※1、テレホンカード※2など |
|
Wifiやインターネットを使用するためにかかるプロバイダ料金※3 |
プロバイダ料金、インターネット回線使用料、光回線、ポケット型WiFi、UQWIMAX、フレッツ光、NURO光、ビッグローブ、J:COM、So-net、@nifty、ワイモバイルなど |
|
切手やはがき代、速達や書留などにかかる郵便料金 |
切手代、はがき代、年賀状、速達、書留、簡易書留、特定記録など |
| 商品発送でない宅配便の利用※4 | 宅急便、宅配便、ゆうパック、レターパックなど |
| ドメインの取得 | ドメイン取得料金、ドメイン更新料金 |
| クラウドサービスやWebアプリのサブスクリプション費用※5 | クラウド会計ソフト、Microsoft(マイクロソフト)365、Slack(スラック)、Chatwork(チャットワーク)、Jobcan(ジョブカン)、クラウドサイン、楽々精算、全力法人税、マネーフォワード、弥生オンライン、ChatGPTなど |
| ECサイトや自社サイト運用に必要な支払い※5 | レンタルサーバー代、ドメイン使用料、AWS(アマゾン)、Microsoft Azure(アジュール)など |
| NHK受信料や動画配信サービスの利用料※5※6 | NHK受信料、BS、CS、ケーブルテレビ使用料、有料放送、音楽配信サービス、動画配信サービス利用料金、Amazonプライム、ディズニ―プラス、DMM、Netflix、YouTube Premium、Hulu、DAZN、U-NEXT、ABEMA、FOD、配信サービスに関するサブスクリプション費用 |
| 電報※7 | 祝電、弔電など |
※1 購入しただけなら、「前払費用」となる。(電子マネーのチャージと同様)
※2 目的が商品宣伝の配布用であるなら、「広告宣伝費」となる。
※3 契約開始に伴う設置工事やルーターなどの機器についての取扱いについて、4-5に別情報として追記
※4 目的が商品配送なら、「荷造運賃」となる。
※5 「支払手数料」も可能
※6 業務用ではなく、職員用なら「福利厚生費」
※7 社内用なら「福利厚生費」または「交際費」、取引先など社外用なら「交際費」
2「通信費」とは
「通信費」で経理されるものは、電話やインターネットを使用する際の通信料金やはがきや切手代などの郵便料金など、通信に要した費用です。
「通信費」の特徴は次のとおりです。
| グループ | 「費用」グループ |
|---|---|
| 決算書の表示 | 販売費及び一般管理費 |
| 類似科目 | 支払手数料、荷造運賃など |
| 税区分 | 課税仕入(または対象外) |
| インボイス有無の判定 | 必要 |
3「通信費」の仕訳例
電話料金9,900円が引き落とされたケース(税込経理方式)
| 借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 通信費 | 9,000 | 普通預金 | 9,900 |
税抜経理方式の場合(電気料金が税込9,900円税率10%)
| 借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 通信費 | 9,000 | 普通預金 | 9,900 |
| 仮払消費税等 | 900 |
4「通信費」処理上の注意点
4-1 期末に未使用の切手やはがきがある場合
切手やはがきは購入時には、「通信費」で処理しますが、決算期末に未使用のものがある場合は、「貯蔵品」に振り替える処理をします。
切手購入時の仕訳
| 借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 通信費 | 50,000 | 現金 | 50,000 |
決算期末に未使用分の切手15,000円を貯蔵品に振り替える仕訳
| 借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 貯蔵品 | 15,000 | 通信費 | 15,000 |
金額的に重要性が低いと判断される場合は、重要性の原則を適用して「貯蔵品」に振り替えるということを省略することができます。
いくらまでが少額かという明示的なものはありませんが、一般的には、「税引前当期純利益の5%」未満と言われています。
4-2 「通信費」をいつ計上するか?
「通信費」としていつ計上するのかについては、発生主義の見地からは、請求ベースで(ご利用明細や請求書を受け取ったら)経費として計上するのが本来の姿です。
しかしながら、実務では、金額が大きくない場合は、会計処理が煩雑になるだけなので、重要性の原則を適用して、引き落としが行われた時など支払ったときに経費として費用計上するのが一般的です。
ただし一度決めた方法は継続して経理し続ける必要があることに注意しましょう。