勘定科目の「外注費」について、具体例をふんだんに使って簿記初心者にもわかりやすく解説します。
1「外注費」が使われる取引例
勘定科目の「外注費」で経理される主な取引例は以下のとおりです。
| 内容 | 具体例 |
|---|---|
| 請負契約や業務委託契約で仕事を依頼 |
|
2「外注費」とは
「外注費」で経理されるものは、業務の一部を外部委託したときに要した費用です。ただし、雇用契約に該当するものは給与になります。
自社の人手が足りない時や自社の技術が足りない時に、必要な成果物の完成を約して外部に出した場合のその費用をいいます。
2-1 外注費の特徴
「外注費」の会計上おさえておくべき特徴は次のとおりです。
| グループ | 「費用」グループ |
|---|---|
| 決算書の表示 | 販売費及び一般管理費 |
| 類似科目 | 給与、支払手数料、支払報酬料 |
| 税区分 | 課税仕入 |
| インボイス有無の判定 | 必要 |
3「外注費」の仕訳例
システム開発費用をフリーランスのエンジニアに依頼し、330,000円(税込10%)を振り込みで支払ったケース
【税込経理方式】
| 借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 外注費 | 330,000 | 普通預金 | 330,000 |
【税抜経理方式】
| 借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 外注費 | 330,000 | 普通預金 | 330,000 |
| 仮払消費税等 | 30,000 |
4「外注費」処理上のその他の注意点
4-1 外注費(請負契約)と給与(雇用契約)との違い
外注費と給与との判断基準は、「請負契約」や「業務委託契約」を結んでいるか、「雇用契約」を結んでいるかで判断されます。
しかしながら、請負契約書を交わしていたとしても業務の実態により、税務調査の際に給与と判断されてしまうケースもあります。
主な判断事項は次の5つで、これらを総合的に判断して請負契約か雇用契約を判断することになります。
❶ その契約の役務提供の内容が他人が代わって行っても問題ないかどうか
請負契約(外注費)は代替ができます。
請負契約の場合は、成果物が引き渡されれば良いので、この業務をさらに外注に出すこともできます。
他の人では替えが効かず、当人しか遂行できない場合は雇用契約(給与)と判断されます。雇用契約はその人が働くことを約しているため、他の人に勤務されても困ってしまいます。
❷ 対価の請求を請求書を差し入れて自ら行えるか
請負契約(外注費)の場合は、契約の金額があるにしろ、それを前提として自社の計算の下に報酬または成果物の対価の請求を自ら行います。
雇用契約(給与)の場合は、勤務時間に対して、対価が支払われます。
したがって、相手方が出来高を計算して金額を決定される場合には、自ら請求しているには当たりません。
❸ 役務の提供にあたり事業者の指揮監督を受けているか
請負契約(外注費)の場合は、成果物の引き渡しが目的になりますので、原則として指揮監督を受けず、その目的物の完成に向けて自由に業務が行えます。
業務の内容や時間が指定されていると独立して業務を行う請負契約とは言えず、雇用契約(給与)と判断されます。
❹ まだ引渡していない完成品が不可抗力のため滅失した場合でも、既に提供した役務の対価を請求できるか
請負契約の場合は、成果物の引き渡しが目的であるため、不可抗力による場合でも、成果物が納品されなければがなければ対価の請求ができません。
雇用契約(給与)の場合は、労働の対価として報酬が支払われますので、完成品が滅失してもその対価は支払われます。
❺ 役務の提供に必要な材料などが提供されているか
請負契約(外注費)の場合は、独立して仕事を行いますので、材料は自分で用意します。