勘定科目の「消耗品費」について、具体例をふんだんに使って簿記初心者にもわかりやすく解説します。
1「消耗品費」が使われる取引例
勘定科目の「消耗品費」で経理される主な取引例は以下のとおりです。
ただし、以下の例のうち、次の2つのいずれにも該当しない場合は、「消耗品費」という費用ではなく、資産に計上する必要があることに注意しましょう。(詳しくは後述)
- 購入代金が10万円未満であるもの
- 使用可能期間が1年未満であるもの
| 内容 | 具体例 |
|---|---|
| 事務用消耗品 |
文房具、筆記用具(ボールペン、ペン、鉛筆) |
| 備品 (電子機器) |
パソコン、タブレット(ipad・アイパッド) |
| 備品 (家具・家庭用品) |
机(デスク)、椅子(いす・チェア) キャビネット、応接セット、ベッド 陳列棚、テレビ、冷蔵庫 加湿器、除湿機、オイルヒーター 扇風機、掃除機、冷房機器 暖房機器、エアコン、冷暖房機器 空調機器、洗濯機、カーテン ソファ、ブラインド、ロールスクリーン じゅうたん、寝具、布団 枕、毛布、膝掛け、収納ケース 収納ボックス、テーブル、時計 金庫、浄水器、コーヒーマシーン ポット、水筒、スポンジ、ドライバー ロッカー、本棚、チェスト ホワイトボード、炭酸メーカー、ゴミ箱 パーテーション、非常用食料品、延長コード ドライヤー、カウンター |
| 日用品 |
ティッシュペーパー、トイレットペーパー |
| 工場用消耗品 | 工具、油、釘、包装用材料 サンドペーパー、ロープ、ニス ノコギリ、スパナ、圧力計、ネジ ナット、安全靴、軍手 |
| その他 | ソフトウェア、ソフトのライセンス料、 商品券 |
2「消耗品費」とは
「消耗品費」で経理されるものは、上記具体例を見てもわかるとおり、多岐にわたります。
オフィスや自宅で仕事をするとなれば、パソコンは不可欠でしょう。紙に打ち出す必要があれば、プリンタが必要になります。プリンタがあればインクやコピー用紙が必要になります。メモを取るならペンが必要になります。荷物が届けばカッターが必要でしょう。オフィスであれば、給湯室があるでしょう。であれば洗剤が必要になります。
このように人が経済活動をするとなれば、色々な消耗品や備品が必要になります。それらを広く受け止めてくれるのが「消耗品費」という科目です。
実務では、Amazon(アマゾン)や楽天、yahoo shopping(ヤフーショッピング)、ヨドバシカメラ、Askul、モノタロウ、ヤマダ電機、ノジマ電気、ビックカメラなどのECサイトで購入するものの多くが「消耗品費」で経理されると言っていいでしょう。(書籍は除きます。)
「消耗品費」の特徴は次のとおりです。
| グループ | 「費用」グループ |
|---|---|
| 決算書の表示 | 販売費及び一般管理費 |
| 類似科目 | 雑費、器具及び備品(資産)、工具(資産) |
| 税区分 | 課税仕入 |
| インボイス有無の判定 | 必要 |
3「消耗品費」の仕訳例
3,300円のコピー用紙をアマゾンで購入したケース
| 借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 消耗品費 | 3,300 | 未払金 | 3,300 |
4「消耗品費」処理上の注意点
4-1 10万円以上は「資産」計上
「消耗品費」で経理する例の中にパソコンがありますが、パソコンを消耗品費で経理するためには、次のいずれかに該当する必要があります。
- 購入代金が10万円未満であるもの
- 使用可能期間が1年未満であるもの
上記2つのいずれにも該当しない場合は、「費用」科目の「消耗品費」ではなく、「資産」科目の「器具備品」※で経理する必要があります。
※購入費用が20万円未満の場合は「一括償却資産」という勘定科目も可
| 借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 200,000 | 未払金 | 200,000 |
| 借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 器具備品 | 200,000 | 未払金 | 200,000 |
資産にしなければならない理由は、費用として購入したときに全額費用とするのではなく、数年にわたって経済活動の役に経つのだから、その数年にわたって減価償却をして費用にしていってね、という費用収益対応の原則に基づいています。
4-2 購入費用が30万円未満なら300万円までは資産にしなくていいという特例あり
前述の4-1のルールがありますが、税法に「少額減価償却資産の特例」があります。
購入費用が30万円未満のものであれば、1会計期間につき300万円までは
資産にせずにそのまま費用にしてよい。
- 青色申告を提出していること
- 資本金1億円以下または従業員数500人以下
- 確定申告時で一定の手続きが必要
つまり、この特例を適用できれば、1会計期間につき300万円を限度に、購入費用10万円以上の消耗品や備品を「消耗品費」として経理できます。
| 借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 消耗品費 | 200,000 | 未払金 | 200,000 |
この特例の詳細についてはこちらをご覧ください。
これまで、10万円未満や30万円未満と説明してきましたが、この金額の判定は、次のようにすることに注意してください。
税込経理方式 税込金額で判断
税抜経理方式 税抜金額で判断
5 消耗品費と雑費の違い
よく「消耗品費」と「雑費」の区別がわからないという質問をうけることがありますが、全然違うものです。
これまでの解説と次の解説を見ればはっきりと区分できると思います。
5-1 勘定科目「雑費」とは
雑費とは、次のいずれにも該当する取引を記録するための会計項目。
- 会社が設定しているどの勘定科目にも分類できない
- まれにしか発生しない取引
- 金額的にも重要でないもの
雑費の例としてよく挙げられる例として、次のものが挙げられたりします。
- クレジットカードの年会費
- 引越し費用
- 振込手数料
- 不用品処理費用
- クリーニング代
クレジットカードの年会費の多くは1年に1回支払うので、「支払手数料」が妥当でしょう。
引越し費用は少額とはいえない金額がかかることが多くなりますので、「支払手数料」が妥当でしょう。
振込手数料はまれな取引ではないので、こちらも「支払手数料」が妥当でしょう。
このように「雑費」で経理するものは、通常ほとんどないといってよいでしょう。
5-2 勘定科目で「雑費」は使用すべきでない
そもそも勘定科目を設定する理由は、どのような取引をどのくらいの金額しているのかを把握し、会社の経営成績を判断するためにあります。
「雑費」を使って経理する量が多くなれば、どのような取引をしたかわかりにくくなります。
例えば、融資のために決算書を提出したときに「雑費」の金額が多額の場合、融資担当者はこの支出について判断できません。
したがって、可能な限り他の勘定科目に分類して、有意義な決算書を作成することが賢明です。
5-3 消耗品費と雑費の違い
消耗品費と雑費の違いは、これまで解説してきた「消耗品費」がどうのような勘定科目で、雑費がどのような勘定科目かがわかれば、迷うことはないはずです。
それぞれの科目をまとめてみてその違いを確認しておきましょう。
| 消耗品費とは | 雑費とは |
|---|---|
| 事務用品や日用品などのように消耗品として消費されるものや、少額のパソコンのような備品や器具、工具の購入費用を記録するための科目 |
雑費とは、次のいずれにも該当する取引を記録するための科目。
|
6 消耗品費と事務用品費の違い
事務用品費とは、消耗品費のうち事務関係の消耗品費を経理するための科目です。
冒頭の「1消耗品費が使われる具体例」の表の中の「事務用消耗品」に分類されるものが、事務用品費の具体例になります。
したがって消耗品費の中に事務用品費があるイメージです。
経理自由の原則から、必ずこの取引にはこの勘定科目を使用しなければいけないということはありません。
事務用品費と消耗品費を分けずに事務用の消耗品費を「消耗品費」に含めて経理してもなんら問題ありません。
事務関係の消耗品費の金額が大きい場合は、分けた方が、より経営成績を把握するにはよいでしょう。
逆に事務関係の消耗品費の金額がそれほど多くなければ分ける意味も薄くなるでしょう。
「消耗品費」に関する解説は以上です。
この取引がどの勘定科目に当てはまるかわからない、教えてほしいということがあったらコメントくださいね。
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