勘定科目の「雑損失」について、具体例をふんだんに使って簿記初心者にもわかりやすく解説します。
1「雑損失」が使われる取引例
勘定科目の「雑損失」で経理される主な取引例は以下のとおりです。
| 内容 | 具体例 | 
|---|---|
| その他 | 
  | 
2「雑損失」とは
2-1 勘定科目の「雑損失」とは
「雑損失」で経理されるものは、本業の売上に貢献する支出でないもののうち、少額で重要性が低く、他の勘定科目に当てはまらないものをいいます。
2-2 雑損失の特徴
「雑損失」の会計上おさえておくべき特徴は次のとおりです。
| グループ | 「費用」グループ | 
|---|---|
| 決算書の表示 | 営業外費用 | 
| 類似科目 | 雑費 | 
| 税区分 | 対象外または課税仕入 | 
| インボイス有無の判定 | 不要(課税仕入れの場合は必要) | 
3「雑損失」の仕訳例
1,000円の現金不足があり、原因不明であるケース
| 借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 
|---|---|---|---|
| 雑損失 | 1,000 | 現金 | 1,000 | 
4「雑損失」処理上のその他の注意点
4-1 「雑損失」に上限はあるのか
雑損失に計上できる金額に決まりはありませんが、一般的には営業外費用全体の10分の1以下にとどめるのが適当であるとされています。
その会社にとって相対的に少額でない金額の損失については、独立科目を設定して内容がわかるものとして計上するべきでしょう。
4-2 「雑損失」の消費税は
消費税のかからない取引が多い傾向にあります。
現金過不足や災害等による損失、損害賠償金など、対価性のないものには消費税がかかりません。
反則金等の行政への支払いには原則消費税がかかりません。
少額な解体費用や廃材の処分費用などはサービスに対して支払うので、原則消費税がかかってきます。
請求書や領収書があるものには、消費税が課されているかをチェックしましょう。
4-3 「雑損失」と「雑費」との違いは
雑損失と似た科目に「雑費」という勘定科目があります。
「雑費」とは、本業の売上に貢献する支出のうち、少額で重要性が低く、他の勘定科目に当てはまらないものをいいます。
雑費と雑損失の違いは以下のとおりです。
| 雑費 | 雑損失 | |
|---|---|---|
| 内容 | 本業の売上を上げるために発生する費用のうち、他の勘定科目に当てはまらないもの | 本業の売上に貢献する支出ではなく、他の勘定科目に当てはまらないもの | 
| 決算書の表示 | 販売費及び一般管理費 | 営業外費用 | 
「雑費」も「雑損失」も他の勘定科目にあてはまらないものや金額的に重要でない費用に用いる勘定科目です。
違いは、その費用が事業の売上に貢献する支出するかどうかにあります。
売上に貢献するものは「雑費」、そうでないものは「雑損失」として計上します。
雑費で計上される取引は、例えば以下のようなものです。
- ごみ処理代
 - 引っ越し代
 - クリーニング代、清掃代
 - キャンセル料
 - お茶・コーヒー・茶菓子代
 - 講演会の講師に対する謝礼
 - お守り代、お札代
など 
4-4 行政罰は法人税法上損金に算入できない
行政が課す罰則的な意味合いを持つ、例えば交通反則金などのような罰金や科料、過料は法人税法上損金に算入できません。
損金に算入できないとは、会社計算上は費用にしていても、法人税の申告のときには、費用として所得から差し引きませんよという意味です。
簡単に言うと、たとえ経費にしていても確定申告では認めませんという意味です。
法人税の申告書類である別表4で所得金額に加算する必要があります。

4-5 勘定科目内訳明細書への記入
雑損失に計上したものは、法人税の申告書類の一つ勘定科目内訳明細書に記入する必要がある場合があります。
16種類ある勘定科目内訳明細書のうちの1つに「雑益、雑損失等の内訳書」というものがあり、雑収入、雑益(損失)、固定資産売却益(損)、税金の還付金、貸倒損失等について、科目別かつ相手先別の金額が10万円以上のものがある場合に記入が求められます。
雑損失は少額であることが多いので10万円を超えないケースが多いと考えられますが、相手先別で10万円以上の支出を雑損失で計上している場合には記載するようにしましょう。
(雑損失の勘定科目内訳明細書記載例)
「雑損失」に関する解説は以上です。
この取引がどの勘定科目に当てはまるかわからない、教えてほしいということがあったらコメントくださいね。
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