勘定科目の「雑費」について、具体例をふんだんに使って簿記初心者にもわかりやすく解説します。
1「雑費」が使われる取引例
勘定科目の「雑費」で経理される主な取引例は以下のとおりです。
| 内容 | 具体例 | 
|---|---|
| その他 | 
  | 
2「雑費」とは
- 他の勘定科目に当てはまらない
 - まれにしか発生しない
 - 金額的に重要でない
 
「雑費」で経理されるものは、ほかの勘定科目にあてはまらないもの、または独立して勘定科目をもちいるほど重要でない少額の費用です。
「雑費」という勘定科目は可能な限り使わないようにしましょう!
なぜなら「雑費」という勘定科目を見ても何に使われたかがわからないからです。
振込手数料や書籍代を「雑費」に計上するということを聞いたことがありますが、振込手数料なら「支払手数料」を、書籍代なら「新聞図書費」に計上するというように分類できる勘定科目があるなら「雑費」を使用せず、他の当てはまる勘定科目を使用するようにしましょう!
2-1 雑費の特徴
「雑費」の会計上おさえておくべき特徴は次のとおりです。
| グループ | 「費用」グループ | 
|---|---|
| 決算書の表示 | 販売費及び一般管理費 | 
| 類似科目 | なし | 
| 税区分 | 課税仕入 | 
| インボイス有無の判定 | 必要・不要(取引内容によって変わる) | 
3「雑費」の仕訳例
引越しの際のゴミ処分費用22,000円(税込10 %)を現金で支払ったケース
【税込経理方式】
| 借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 
|---|---|---|---|
| 雑費 | 22,000 | 現金 | 22,000 | 
【税抜経理方式】
| 借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 
|---|---|---|---|
| 雑費 | 20,000 | 現金 | 22,000 | 
| 仮払消費税等 | 2,000 | 
4「雑費」処理上のその他の注意点
4-1 雑費はどのような時に計上するのか
「雑費」は他の勘定科目にあてはまらないものや一時的な費用に使用します。
そして基本的には少額の費用に用います。
目安としては、経費の1~3%程度に抑えるようにしましょう。
雑費を使いすぎると、決算書を見ても経費の種類ごとにいくらかかっているのかわからなくなりますので、勘定科目を見直すなどして雑費の使い過ぎに注意してください。
また税務署や金融機関など第三者が決算書を見て雑費が経費総額の10%以上あったら「ん?んん?」となると思ってもらって差し支えありません。
つまり信用が基本的には下がると思ってもらって良いでしょう。そのような不必要な不審を招かないよう手を抜かずに他の勘定科目に振り分けるようにしましょう。
一般的な勘定科目に当てはまらないケースでも繰り返し使用する経費であれば、新しい勘定科目を作成するという方法で対応しましょう。
4-2 雑費と消耗品費の違い
消耗品費は、一般的には耐用年数が1年未満で10万円未満の物品を購入したときに使用する勘定科目になります。
一方、雑費は他の勘定科目にあてはまらないものや金額的に重要でない費用に使用しますので、雑費の範囲は会社によって異なります。
それぞれの科目の違いは次のようになります。
| 消耗品費とは | 雑費とは | 
|---|---|
| 事務用品や日用品などのように消耗品として消費されるものや、少額のパソコンのような備品や器具、工具の購入費用を記録するための科目 | 
 雑費とは、次のいずれにも該当する取引を記録するための科目。 
  | 
もしどちらの勘定科目を使用するか迷った場合は、法人で仕訳ルールを決めて、この取引は消耗品費、この取引は雑費というように継続的に分類して勘定科目を使用していれば問題ありません。
4-3 雑費と雑損失の違い
雑費と似た科目に「雑損失」という勘定科目があります。
「雑損失」とは、本業の売上に貢献する支出でないもののうち、少額で重要性が低く、他の勘定科目に当てはまらないものをいいます。
雑費と雑損失の違いは以下のとおりです。
| 雑費 | 雑損失 | |
|---|---|---|
| 内容 | 本業の売上を上げるために発生する費用のうち、他の勘定科目に当てはまらないもの | 本業の売上に貢献する支出ではなく、他の勘定科目に当てはまらないもの | 
| 決算書の表示 | 販売費及び一般管理費 | 営業外費用 | 
「雑費」も「雑損失」も他の勘定科目にあてはまらないものや金額的に重要でない費用に用いる勘定科目です。
違いは、その費用が事業の売上に貢献する支出するかどうかにあります。
売上に貢献するものは「雑費」、そうでないものは「雑損失」として計上します。
雑損失で計上される取引は、例えば以下のようなものです。
- 現金過不足
 - 損害賠償金
 - 違約金
 - 盗難による損失
 - 自然災害の被害
 
「雑費」に関する解説は以上です。
この取引がどの勘定科目に当てはまるかわからない、教えてほしいということがあったらコメントくださいね。
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