勘定科目の「受取利息」について、具体例をふんだんに使って簿記初心者にもわかりやすく解説します。
1「受取利息」が使われる取引例
勘定科目の「受取利息」で経理される主な取引例は以下のとおりです。
| 内容 | 具体例 |
|---|---|
| 利息の受け取り |
など |
2「受取利息」とは
2-1 勘定科目の「受取利息」とは
「受取利息」で経理されるものは、金融機関の預金や貸付金から受け取る利息です。
2-2 受取利息の特徴
「受取利息」の会計上おさえておくべき特徴は次のとおりです。
| グループ | 「収益」グループ |
|---|---|
| 決算書の表示 | 営業外収益 |
| 類似科目 | なし |
| 税区分 | 非課税売上 |
| インボイス有無の判定 | 不要 |
3「受取利息」の仕訳例
貸付金の利息10,000円を受け取ったケース
| 借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 普通預金 | 10,000 | 受取利息 | 10,000 |
4「受取利息」処理上のその他の注意点
4-1 受取利息の決算仕訳について(未収と前受けの経過勘定項目)
受取利息は実際にもらったとき以外にも、利息を受け取ってはいないが、貸付は行われている場合など、受け取った時以外にも収益を計上する必要があるケースが2パターンあります。
パターン1 未収収益を計上するケース
受取利息は、利息として収受したときに計上しますが、実際に利息を受け取っていなくても、当期に貸し付けていた期間に対応する収益の金額は当期に計上する必要があります。
まだ利息を受け取っていないが、当期の収益として計上すべきものは、「未収収益」という勘定科目を使って経理します。
❶例えば、当期中に9か月間貸し付けているが、まだ受け取っていない1,800円分の利息がある場合には、決算時に次の仕訳をします。
| 借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 未収収益 | 1,800 | 受取利息 | 1,800 |
❷翌期首に期末に計上した「未収収益」を振替えます。(反対に仕訳します)
| 借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 受取利息 | 1,800 | 未収収益 | 1,800 |
❷の仕訳で❶の仕訳と相殺しあって未収収益をないことにしていますので、実際に利息を受け取ったときに❶の仕訳をすればOKです。
ステップ2 前受収益を計上するケース
次に、未収収益とは反対に、すでに利息を前払いで受け取ってしまっているが、実際は翌期分の利息である部分の金額は、「前受収益」(負債科目)を計上します。
例えば3月決算の法人が、7月に1年分の利息2,400円を受け取った場合、最初に次の仕訳をします。
| 借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 現金 | 2,400 | 受取利息 | 2,400 |
決算時に3か月分(4~6月分)の利子600円については、まだ実際には貸付けが行われていないので、次の仕訳をして、収益を翌期以降に繰り延べます。
| 借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 受取利息 | 600 | 前受収益 | 600 |
翌期になったら、期末の計上した「前受利息」を振替します。
| 借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 前受収益 | 600 | 受取利息 | 600 |
この後はこの取引に関しては特に仕訳をする必要はなく完結です。
4-2 受取利息の消費税について
受取利息は非課税取引のため、消費税は課税されません。
税区分でいうと「非課税売上」に分類されます。
非課税取引の収入は、課税売上割合の計算に関係があるので、税区分は「対象外」ではなく、しっかり「非課税売上」として経理するよう注意しましょう!
支払利息の場合は、税区分を「対象外」で経理しても「非課税仕入」で経理しても消費税の税額計算に影響を与えませんが、収入の方はしっかり分類して経理する必要があります!
4-3 受取利息にかかる税金計算の方法と仕訳の方法
預貯金の口座に振り込まれた利息は、税金が差し引かれた金額となります。
15.315%の源泉所得税及び復興特別所得税が源泉徴収された金額を受け取ることになります。
預貯金の利息を仕訳する際には、2つの方法があります。
【法人税等を明記して控除する方法】
原則としては、入金された利息と源泉徴収された金額の両方を仕訳します。
天引きされた税金は、一般的には勘定科目「法人税等(法人税、住民税及び事業税)」で処理します。
金融機関によっては、利息の金額の他、徴収された源泉所得税が記載されているのものありますが、基本的に徴収された源泉所得税は計算して確認することになります。
❷ ❶で算出された金額 ー 入金された預貯金の利息の金額 = 徴収された源泉所得税
※ 「0.84685」は1から15.315%(税率)を差し引いた金額
【計算例】 利息の入金額:100円