年度の途中で本店移転した場合の全力法人税の入力方法

 

年度の途中で市区町村をまたいで、本店を移転した場合は、地方税の計算上、事業所を複数持っている場合と同じ扱いになり、計算(申告書の作成)が複雑になります。

 

市区町村をまたいで本店を移転した場合の申告の違い

本店のみの事業所が1つしかない法人と、本店移転したことにより複数の事業所を持っている扱いとなる法人との申告の違いはどこにあるのでしょうか?

税務署に提出する国税の申告については、両者に違いはありません。

県税事務所や市区町村に提出する法人事業税、法人住民税の法人税割そして均等割の申告の仕方に違いがでてきます。

法人事業税と法人住民税法人税割の分割

法人事業税と法人住民税法人税割については、複数の都道府県・市区町村に事業所を持っている場合、一定の基準で税金を分配(山分け)して納めることになります。

したがって、本店を都道府県をまたいで移転した場合は、移転前と移転後の両方の都道府県と市区町村にそれぞれ一定の基準で税金を分けて納めます。

法人住民税均等割

法人住民税均等割は移転前の自治体と移転後の自治体の両方に課されます。

したがって、本店を都道府県をまたいで移転した場合は、移転前と移転後の両方の都道府県と市区町村にそれぞれ、月割り計算して均等割を納付することになります。

例えば北海道に3ヶ月分の均等割、神奈川県に9ヶ月分の均等割を納付するという形になります。

同じ都道府県・市区町村での移転は分ける必要なし

都道府県をまたいで本店を移転した場合は、移転前と移転後のそれぞれの都道府県に申告する必要がありますが、同じ都道府県内で本店を移転した場合は、県税事務所へ申告する書類は移転先の1箇所で済みます。

市区町村をまたいで本店移転した場合は、移転前と移転後のそれぞれの市区町村に申告する必要がありますが、同じ市区町村で本店を移転した場合は、市区町村へ申告する書類は移転先の自治体へ1箇所になります。

全力法人税で本店移転の申告書を作成する

それでは、全力法人税で本店移転した際にどのように入力するのかを見ていきましょう。

1 基本情報を移転先のものに変更する

メニューバー「基本情報登録」>「基本情報登録」画面の「郵便番号」「住所」「電話番号」を移転先のものに編集し、保存します。

本店移転基本情報入力画面

2 申告情報画面で複数事業所申告のスイッチを入れる

メニューバー「基本情報登録」>「申告情報」画面の「事業所の数」欄で「2箇所以上」を選択します。

申告情報画面

これで全力法人税に、複数事業所の申告書作成のスイッチが入ります。

「次へ」ボタンを押します。

なお、複数事業所の申告書をすべて出力するには、6,980円+税のオプション料金がかかります。

3 本店の開設年月日を編集

メニューバー「基本情報登録」>「事業所等一覧」画面に移ると本店はすでに表示されています

本店が登録される

編集ボタンを押して、開設年月日を編集します。

本店で事業を開始した日を入力します。

開設年月日編集

4 旧本店を登録する

「事業所等一覧」画面の「新規登録」ボタンを押します。

事業所一覧新規登録

「支店新規登録」画面でフォームに旧本店に関する必要事項を入力して保存します。

旧本店の入力

 旧本店が登録されます。

旧本店登録完了

次に、「従業者数」欄に「Push!」と表示されている電卓マークをクリックします。

4 従業者数等を登録

「分割基準算出」画面に移ります。

表示されている年月に対応する従業者数を入力し、保存します。

従業者登録

税金を分配するための分割基準の計算が自動で行われます。

ちなみに今回のケースでは、ソフトウェア業を例にしています。その場合は、従業者数事業所等の数を分割の基準として税金計算を行います。

なお、業種が倉庫業の場合は、従業者数の他に「当事業所が保有する有形固定資産の価額の合計額」についても入力を求められます。

旧本店について入力が済んだら同様に本店についても「従業者数」欄にの電卓マークをクリックして、入力を行います。

それぞれ「分割基準算出」画面の入力が終わると次のように、従業者数と事業所数の計算結果が表示されていますので、この画面の登録は完了となります。

分割基準登録完了

5 地方税の税率を登録する

「次へ」ボタンを押していき、各画面の案内どおりに通常の申告と変わらず操作を進めていくと次の画面(メニューバー「申告書」>「地方税税率登録」画面)が表示されます。

地方税税率設定画面

資本金や従業者の数から一般的に適用される地方税の税率が表示されます。

地方税については、その自治体によって税率が異なる場合はがあるので、必要があれば税率を編集します。

例えば、今回の例では、横浜市の均等割率は54,500円になるので、変更が必要になります。

東京都の中で本店移転が行われた場合

東京都の中で本店移転が行われた場合は、「主たる事務所を移転した」ボタンをクリックします。

主たる事務所を移転した

そして表示されるフォームの「移転前の主たる事務所」を選択し、移転した日付を入力し、「登録」ボタンをクリックします。

主たる事務所を移転したフォーム

これで均等割の計算が東京都の規定に則って行われます。

6 申告書を出力する

さらに「次へ」ボタンを押していき、各画面の案内どおりに通常の申告と変わらず操作を進めていくと次の画面(メニューバー「印刷」画面)が表示されます。

 

必要な書類にチェックを付し、提出先を入力し、「PDF出力」ボタンを押すと申告書がPDFで出力されます。

(地方税の申告書選択画面)

 

「電子申告」ボタンを押すと、電子申告画面に移動しますので、利用者IDを入力し、提出先を選択して「PCdesk用ファイルを出力する」を押すと電子申告用ファイルが出力されます。(「PCdesk用ファイルを出力する」ボタンを押す場合は、チェックを付した書類が出力されます。

(電子申告画面)

eLTAXで電子申告する場合には、PCdesk(ダウンロード版)で予めすべての提出先を登録しておく必要があることにご注意ください。(提出先登録の方法は以下のページをご覧ください。)

PCdeskを使ってeLTAXで地方税の電子申告を行う方法|法人準備編
法人の地方税の確定申告をいちいち窓口に行かず済ませたい。控えを作って、封筒に入れて、ハンコを押して、切手貼って、宛先書いて郵送せずに、簡単に電子申告したい。予想のとおり電子申告をマスターすれば、申告業務がだいぶ楽になります。一度電子申告を経...

 

また、Windowsアプリ「全力電子申告」を使って電子申告することも可能です。

全力電子申告を使って複数事業所のeLTAX送信

 

書類サンプル

6号様式(旧本店用)

6号様式サンプル

10号様式

10号様式

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