家を売った時の長期短期の区分|譲渡所得(分離課税)

長期と短期の区分

家(土地建物)を売ったときの譲渡所得の申告は分離課税で行われます。

その分離課税での長期と短期の区分により適用される税率が異なります。

そのため長期と短期の区分が重要になります。

分離課税とは

分離課税と総合課税

分離課税とは他の所得と分離独立して計算し、税額の計算を行う方法をいいます。

それに対し、総合課税は他の所得と合算して税額を計算する方法で、こちらが確定申告では基本的な方法となります。

例えば事業所得がマイナスの場合、給与所得からそのマイナスを差し引くことができるため、結果所得金額がその分少なくなり、税金も少なくなります。

分離課税が適用される譲渡所得

土地、土地の上に損する権利(借地権、地上権、耕作権、地役権、永小作権)、建物、建物付属設備(冷暖房設備や照明設備等)や構築物(塀、庭園、土地に定着する土木設備等)等を譲渡した場合には、分離課税が適用されます。

したがって、家(土地建物)を売った場合は分離課税が適用されることになります。

長期と短期の区分をする上でなぜ分離課税の説明をしたかというと、長期と短期の定義が分離課税と総合課税とで異なるからです。

分離課税における長期と短期の区分

分離長期資産

分離課税における長期資産とは

譲渡の年の1月1日において、所有期間が5年を超えるもの

したがって、長期資産に該当するには平成28年中に行った譲渡の場合は、平成22年12月31日以前に取得したものである必要があります。

分離短期資産

分離課税における短期資産とは

譲渡の年の1月1日において、所有期間が5年以下のもの

したがって、長期資産に該当するには平成28年中に行った譲渡の場合は、平成23年1月1日以後に取得したものである必要があります。

まとめ

分離課税の長期と短期の区分は譲渡の1月1日時点で所有期間が5年を超えているかどうかで判断するという点がポイントです。実際に所有しているかどうかで判断する総合課税とは異なることに注意が必要です。

そしてなぜ長期と短期を区分するかというと、長期に比べ短期の方が税率が高いからです。

また、これまで「所有期間が…」と繰り返し言ってきましたが、具体的に所有期間はいつからいつまでなのかというのが気になると思います。次の記事をご覧ください。

譲渡所得の所有期間はいつからいつまで?|引き渡しの日とは?

 

執筆者 ジャパンネクス株式会社代表 元国税調査官 税理士 海野 耕作

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