法人の法定償却方法とは〜償却方法は自由に選べないの!?〜元国税・税理士が解説

鎖の上の鳥

 

個人事業主から法人成りした場合に、減価償却費の計算で償却方法を個人事業主でしていたように全部定額法にしてたら、法人の場合はそうでないことを後から知った!なんてことがあるかもしれません。

通常の会計ソフトでは償却方法を自由に選べるので、法人の税務でも自由にできるように錯覚してしまうこともあるかと思います。

ここで知っておきましょう。減価償却の償却方法は自由に決めることはできません!

減価償却の法定償却方法について、元国税調査官・税理士がわかりやすく解説します。

この記事を書いた人

税理士(元国税調査官)

税務署に12年間勤務。主に法人税の調査に従事。

現在は、クラウド税務ソフト「全力法人税」、「全力消費税」や「全力電子帳簿」等を提供するジャパンネクス株式会社の代表を務める。

税務署側の視点を交えながら、主に法人税・消費税について一般の方に向けて実務に直結した税務情報を分かりやすく解説します。

ジャパンネクス株式会社

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法定償却方法とは

実は法人税法では、資産の種類ごとにその償却方法が決められています。

その法律で決められている償却方法を法定償却方法と呼びます。文字どおり「律でめられている償却方法」です。

そしてその法定償却方法とは異なる償却方法を適用したい場合は、税務署に事前に届出をする仕組みになっています。

では具体的に法定償却方法がどのように決められているかを見てみましょう。

具体的な法定償却方法一覧

 

固定資産の種類  法定償却方法
法人 個人
建物 H10.3.31以前に取得 定率法 定額法
 H10.4.1以降に取得 定額法
建物付属設備・構築物 H28.4.1以前に取得 定率法
H28.4.1以後に取得 定額法
機械・装置、船舶、航空機、車両運搬具、工具、器具備品 定率法
無形固定資産・生物 定額法

※平成19年3月31日以前に取得した資産の法定償却方法は定率法を旧定率法に、定額法を旧定額法に読み替える。

このように令和3年現在法人が新しく減価償却が必要な固定資産を取得するとその償却方法は、建物と建物付属設備・構築物、無形固定資産・生物を除く日々の経済活動でよくありうるものは定率法であることがわかります。

法人の場合は、原則定率法で、建物のような大きなものを作るときには定額法になるという覚え方がよいかもしれません。

 

償却方法の届出

この法定償却方法とは違う償却方法で減価償却したい場合には、事前に税務署に一定の届出を提出し、承認を受ける必要があります。

初めて減価償却資産に対して減価償却をする際に償却方法を決定する時に行う届出は「減価償却資産の償却方法の届出書」です。

減価償却資産の償却方法の届出書の様式

 

減価償却資産の償却方法の届出書

 

詳しい手続きの方法等は次のリンクをご覧ください。

減価償却資産の償却方法の届出(国税庁HP)

提出期限については上記ページで次のように示されています。

減価償却資産の償却方法の届出提出期限

(減価償却資産の償却方法の届出の裏面)

設立第1期目の償却方法から変更する場合は、設立1期目の確定申告書の提出期限までに提出する必要があります。

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